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ドローンのLTE通信利用と電波法上の注意点

この記事でわかること

ドローンにLTE通信モジュールを搭載して運用する場合、電波法上のどのような手続きや確認が必要かを解説します。

総務省が整備した携帯電話の上空利用制度の概要、搭載する無線モジュールに必要な技術基準、飛行中の電波利用に関する注意点を整理します。

ドローンとLTE通信の組み合わせ

LTE通信をドローンに搭載する用途

近年、ドローンにLTE通信モジュールを搭載して、遠距離での映像配信やリモート制御を行うケースが増えています。主な用途は以下のとおりです。

  • 目視外飛行(BVLOS)における機体の制御・状態監視
  • 遠隔地からのリアルタイム映像配信
  • 機体テレメトリデータのクラウド送受信

地上と上空でのLTE利用の違い

LTE(4G)は地上での利用を前提に設計されていますが、ドローン等が上空でLTE通信を利用する場合は、地上の基地局から見た電波環境が異なるため、混信の問題が生じることがあります。

総務省は、携帯電話等の上空利用について制度整備を行っています。2019年以降、上空利用を許可する特定実験試験局制度や条件付き利用のガイドラインが整備されてきました。最新の制度動向については総務省の電波利用ホームページでご確認ください。

電波法上の整理

搭載するLTE通信モジュールの位置付け

ドローンに搭載するLTE通信モジュールは、電波法上の無線設備に該当します。

何人も、総務大臣の免許を受けなければ、無線局を開設してはならない。

― 電波法 第4条

LTE通信モジュールが電波を発射する場合、無線局の開設に当たります。ただし、以下の場合は例外が適用されます。

技術基準適合証明(技適)による免許不要の例外

国内で販売される技術基準適合証明(技適)を取得したLTE通信モジュールや通信端末を使用する場合は、電波法第4条第3号の規定により、無線局免許が不要です。

発射する電波が著しく微弱な無線局(中略)技術基準適合自己確認に係る無線局

― 電波法 第4条

ただし、技適を取得した機器であっても使用条件(周波数帯・出力・使用環境等)を遵守する必要があります。ドローン上空で使用する際に技適の適用条件を満たしているかは、機器のメーカーや認証取得の条件を確認してください。

上空利用に関する注意点

携帯電話の電波は地上向けに設計されているため、上空で使用すると複数の基地局と同時に電波を送受信する状態(オーバーリーチ)が発生し、地上の利用者への干渉が懸念されます。

総務省は上空利用に関する技術条件の検討を行っており、対応する技術基準の整備が進んでいます。ドローンにLTE通信を搭載する際は、使用する通信キャリアや機器メーカーに上空利用の可否を事前に確認することが重要です。

上空利用制度の整理

携帯電話の上空利用

総務省は、LTE等の携帯電話システムについて上空での利用に関するガイドラインや技術基準を検討・整備してきました。

現時点で確認が必要な事項:

  • 使用する通信キャリアが上空利用を許可しているか
  • 使用する端末・モジュールの技適が上空利用を対象としているか
  • 上空利用の高度制限(地上から何メートルまでか)

最新の制度情報は総務省電波利用ホームページ(https://www.tele.soumu.go.jp/)でご確認ください。

実験試験局制度の活用

LTE通信を上空で利用する実証実験を行う場合は、実験試験局として申請する方法があります。実験試験局は、電波法に基づいて技術試験・研究目的で開設できる無線局の一種です。

実験試験局の開設には総合通信局への申請が必要ですが、通常の無線局免許より柔軟な条件での試験運用が可能です。

ドローン飛行との関係

航空法との整合

LTE通信を搭載したドローンの飛行には、電波法だけでなく航空法上の手続きも必要です。目視外飛行(BVLOS)は原則として航空法上の許可が必要です。

航空法上の飛行許可手続きについては「ドローン飛行許可申請の手順|DIPS2.0対応版」をご覧ください。

LTE通信の電波と制御電波の両立

LTE通信とは別に、機体の操縦には2.4GHz帯や920MHz帯の制御電波が使われることが多くあります。搭載する無線設備が複数になる場合は、それぞれの電波の干渉が発生しないよう注意が必要です。

ドローンで使われる周波数帯の整理については「ドローンで使われる周波数帯一覧|電波法上の整理」をご覧ください。

技適確認の手順

Step 1: 搭載する機器の技適を確認する

使用するLTE通信モジュールまたは通信端末の技適番号を確認します。技適番号は機器本体または技術基準適合証明書に記載されています。

Step 2: 技適の適用条件を確認する

技適の認証は、使用条件(周波数帯、出力、使用環境)を特定して取得されています。ドローン搭載・上空利用が認証の対象に含まれているかを確認します。

Step 3: 通信キャリアへの確認

使用する通信キャリア(docomo、au、SoftBankなど)が上空での利用を許可しているかを確認します。キャリアのサポート窓口または法人向け窓口に問い合わせることをおすすめします。

Step 4: 飛行計画・申請と合わせて確認する

電波法上の確認が完了したら、飛行に必要な航空法上の申請(飛行許可・承認)と合わせて準備を進めます。

よくある質問

Q. 技適マーク付きのLTE通信モジュールなら上空利用に問題ない?

必ずしもそうとは言えません。 技適マークは技術基準への適合を示すものですが、上空利用については通信キャリアのガイドラインや規約も確認する必要があります。技適取得済みでも、上空利用が想定されていないモジュールの場合、キャリア規約上の問題が生じることがあります。

Q. LTE通信ドローンの実証実験をしたい場合は?

実験試験局制度の利用を検討してください。 総合通信局に実験試験局の申請を行うことで、通常の無線局免許では難しい条件での試験が可能です。申請には実験の目的・期間・使用周波数等を記載した書類が必要です。

Q. 海外製のLTE通信ドローンを国内で使えるか?

原則として、国内での使用には技術基準適合証明(技適)が必要です。 海外製ドローンに搭載されているLTE通信モジュールが国内の技適を取得していない場合、電波法違反になる可能性があります。輸入・使用前にメーカーまたは総合通信局に確認することをおすすめします。

まとめ

ドローンへのLTE通信搭載は、電波法と航空法の両方の規制が関係します。

  • LTE通信モジュールは電波法上の無線設備に該当する
  • 技適取得済みの機器を使用することで無線局免許が不要になる場合がある
  • 上空利用の適否は技適の取得条件・通信キャリアの規約で確認が必要
  • 実証実験の場合は実験試験局制度の活用を検討する

ドローンの電波法全般については「電波法とは|無線局免許と技術基準の基礎知識」、ドローンに搭載する機器の技適確認については「ドローンと技適|技術基準適合証明の確認方法」をご覧ください。

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