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ドローンの周波数帯一覧|免許と資格の早見表

この記事でわかること

ドローンの周波数帯は、単に「2.4GHzか5.8GHzか」だけでは整理しきれません。

実際には、

  • 操縦用
  • 映像伝送用
  • テレメトリ用
  • リモートID用

で役割が分かれており、必要な手続きも変わります。

さらに、同じ「5.7GHz」という言葉が、業務用の別制度とアマチュア無線のバンドプランの両方を指すため、ウェブ上の解説記事でも取り違えが頻繁に起きています。この記事では、総務省が公表しているドローン向け無線システムの一覧を出発点に、73MHz帯から28GHz帯までを一枚の地図として並べ直し、帯域ごとに「出力の上限」「無線局免許の要否」「必要な無線従事者資格」を対応づけます。

そのうえで、市販のカメラドローン、自作のFPV機、農業用ドローン、物流・点検の業務機という機種カテゴリごとに、どの行に自分が当てはまるのかを判定できるようにします。

先に結論

ドローンの周波数帯を確認するときは、次の順で見るのが実務的です。

  1. 何の用途の電波か
  2. 技適など国内で適法に使える設備か
  3. 免許や開局が必要な制度か
  4. 趣味用か業務用か

特に、帯域名だけで免許要否を断定しない方が安全です。

ドローンの周波数から手続きを判定する4ステップ
用途を決めてから帯域と制度を特定し、最後に資格と申請先を確定する

理由は単純で、同じ周波数帯に、免許不要の制度と免許が必要な制度が同居しているからです。たとえば2.4GHz帯には、免許不要の小電力データ通信システム(2,400〜2,483.5MHz)と、無線局免許が必要な無人移動体画像伝送システム(2,483.5MHz超〜2,494MHz)の両方があります。「2.4GHz帯だから免許不要」という説明は、後者を見落としています。

ドローンの周波数マップ

総務省は、国内でドローン等での使用が想定される主な無線通信システムを一覧で公表しています。まずはこの全体像を押さえてください。

区分 無線局免許 周波数帯 最大送信出力 主な利用形態 無線従事者資格
免許又は登録を要しない無線局 不要 73MHz帯等 500mの距離で電界強度200マイクロV/m以下 操縦用 不要
同上 不要(技適機のみ) 920MHz帯 20mW 操縦用 不要
同上 不要(技適機のみ) 2.4GHz帯 10mW/MHz 操縦用、画像伝送用、データ伝送用 不要
携帯局 169MHz帯 10mW 操縦用、画像伝送用、データ伝送用 第三級陸上特殊無線技士以上
携帯局 2.4GHz帯 1W 操縦用、画像伝送用、データ伝送用 第三級陸上特殊無線技士以上
携帯局 5.7GHz帯 1W 操縦用、画像伝送用、データ伝送用 第三級陸上特殊無線技士以上
その他 2.5GHz帯 800mW 操縦用、画像伝送用、データ伝送用
その他 4.7GHz帯 4.6〜4.8GHz:200mW/4.8〜4.9GHz:800mW 操縦用、画像伝送用、データ伝送用
その他 28GHz帯 3.16W 操縦用、画像伝送用、データ伝送用
その他 不要(事業者の包括免許で運用) 800MHz帯等 基地局によって制御 操縦用、画像伝送用、データ伝送用 不要

出典: 総務省 電波利用ホームページ「ドローン等に用いられる無線設備について」(2026年8月時点)

この表には、いくつか読み取りの注意があります。

  • 73MHz帯等の微弱無線局は、出力ではなく「500mの距離での電界強度が200マイクロV/m以下」という基準で規定されています。
  • 920MHz帯と2.4GHz帯の免許不要枠は、技術基準適合証明または工事設計認証を受けた適合表示無線設備であることが条件です。技適のない機器はこの枠に入りません。
  • 169MHz帯の10mWには注記があり、地上から電波発射を行う無線局の場合は最大1Wです。
  • 携帯局の3行(169MHz帯・2.4GHz帯・5.7GHz帯)は、いずれも無人移動体画像伝送システムという同一の制度です。運用に際しては運用調整を行うことが求められます。
  • 2.5GHz帯(自営等BWA)と4.7GHz帯・28GHz帯(ローカル5G)は、免許申請前に周辺の免許人と干渉調整を行う必要があります。
  • 800MHz帯等の携帯電話・BWAは、携帯電話事業者またはBWA事業者の包括免許により運用されます。利用者が自分で無線局免許を取るわけではありません。

なお、この一覧にはアマチュア無線が含まれていません。アマチュア無線は業務に使えない別枠の制度であり、総務省も別ページで扱っています。趣味のFPVで使う5.6GHz帯はこちらに属します。

システムごとの通信距離の目安まで含めた比較は「ドローンの無線システム一覧|周波数と免許」で扱っています。

免許が必要かどうかは電波法第4条で決まる

周波数の話に入る前に、そもそもの原則を条文で確認しておきます。

ドローンの無線システムの免許の要否を、免許も登録も不要、登録が必要、免許が必要の3段階で示した図。携帯電話は特殊枠
不要 ・ 登録 ・ 免許 の3段階+携帯電話は別枠

無線局を開設しようとする者は、総務大臣の免許を受けなければならない。ただし、次に掲げる無線局については、この限りでない。一発射する電波が著しく微弱な無線局で総務省令で定めるもの

― 電波法 第4条

原則は「免許が必要」であり、免許不要はあくまで例外です。例外の中身は、著しく微弱な無線局(第1号)、市民ラジオ(第2号)、空中線電力1W以下で適合表示無線設備のみを使用する小電力の無線局(第3号)、登録局(第4号)に限られます。

ドローンの無線は免許の要否で3つに分かれる
免許不要・無線局免許が必要・事業者の免許で運用の3区分

ドローンで登場する免許不要の無線は、このうち第1号(ラジコン用微弱無線局)と第3号(920MHz帯の特定小電力無線局、2.4GHz帯の小電力データ通信システム)に当たります。いずれも「適合表示無線設備のみを使用する」ことが条文上の要件なので、技適マークのない機器は免許不要の例外に入りません。この点は「ドローンの技適マーク確認方法|条文と手順」で詳しく解説しています。

まず押さえるべき区分

区分 典型例 まず確認すること
操縦用 送信機・受信機 技適の有無
映像伝送用 FPVのVTX、デジタル映像伝送 技適、保証、開局の要否
テレメトリ用 状態監視、データ伝送 使っている無線方式
リモートID用 登録情報等の発信 機器が制度対応しているか

1機のドローンが同時に4系統の電波を出していることは珍しくありません。たとえばFPV機なら、プロポ(操縦用・2.4GHz帯)、VTX(映像伝送用・5.6GHz帯)、テレメトリ(920MHz帯など)、リモートID(Bluetooth等)が同時に動きます。このうち1系統でも手続きを落とすと、その系統について無免許運用になります。機体単位ではなく、送信機単位で確認してください。

ドローンでよく出てくる周波数帯

73MHz帯などの微弱無線

産業用の農薬散布ラジコンヘリなどで使われてきた帯域です。総務省告示で周波数などが定められており、無線設備から500mの距離での電界強度が200マイクロV/m以下であれば、電波法第4条第1号の「著しく微弱な無線局」として免許も無線従事者資格も不要になります。

ここで注意したいのは、微弱無線局は技適の対象ではないという点です。免許不要の理由が「適合表示無線設備であること」ではなく「電波が著しく微弱であること」なので、技適マークを探しても見つからないことがあります。適法性は、メーカーが告示の基準に適合させて設計しているかどうかで担保されます。

920MHz帯

産業用機体や周辺機器で、テレメトリ(機体の状態監視)やテレコントロールに使われる帯域です。総務省の一覧では最大送信出力20mW、無線局免許不要(技適機のみ)とされています。制度上は特定小電力無線局に当たります。

920MHz帯は2.4GHz帯より周波数が低いぶん回折しやすく、障害物の裏側にも回り込みやすい特性があります。そのため、映像は2.4GHz帯や5.7GHz帯で送り、万一映像が途切れても機体の位置と状態だけは把握できるよう、バックアップ経路として920MHz帯を併用する構成が業務機で使われます。

ただし920MHz帯は、電子タグ(RFID)やスマートメーター、LPWAなど多数のシステムが共用しています。倉庫や物流施設、工場の近くでは、これらと同じ帯域を取り合うことになる点は意識してください。

2.4GHz帯

もっとも一般的に見かける帯域です。主に

  • 操縦用
  • 一部のデジタル映像伝送

で使われます。

ここで大事なのは、2.4GHzだから自動的に免許不要なのではなく、日本国内で使える無線設備かどうかです。

そしてもう一つ、2.4GHz帯は制度が2つに割れています。

周波数の範囲 制度 免許 出力の上限
2,400〜2,483.5MHz 小電力データ通信システム 不要(技適機のみ) 10mW/MHz
2,483.5MHz超〜2,494MHz 無人移動体画像伝送システム 要(携帯局) 1W

前者はWi-FiやBluetoothと同じ枠で、市販のプロポや一般的なカメラドローンはここに入ります。後者は業務用の別制度で、免許と第三級陸上特殊無線技士以上の資格が必要です。数字がわずか10.5MHzしか離れていないのに、手続きは正反対という点が、この帯域の分かりにくさの正体です。

出力の書き方にも注意してください。10mW/MHzは「1MHzあたり10mW」という密度の上限であり、占有周波数帯幅が広いほど総電力は大きくなり得ます。総務省も、変調方式や占有周波数帯幅によって出力の上限は異なると注記しています。

5.7GHz帯と5.8GHz帯

FPVの映像伝送でよく出てくる帯域です。ただし、ここは特に、

  • 趣味用のアマチュア局として整理するのか
  • 業務用として別制度で整理するのか
  • 実験試験局を検討するのか

で考え方が変わります。

したがって、5GHz帯だから全部同じとは考えない方がよいです。

具体的には、次の2つがまったく別の制度として並走しています。

呼び名 制度 使う人 必要な資格 必要な手続き
5.7GHz帯 無人移動体画像伝送システム 業務(産業の用に供するもの) 第三級陸上特殊無線技士以上 携帯局の免許申請+運用調整
5.6GHz帯/5.8GHz帯 アマチュア無線 趣味 第四級アマチュア無線技士以上 保証を受けたうえでアマチュア局の開局申請

「5.7GHz」という語が両方で使われるのは、アマチュアバンドの5,650〜5,850MHzと、無人移動体画像伝送システムの5,650MHz超〜5,755MHzが物理的に重なっているためです。同じ周波数を、別の制度で、別の資格の人が使っているという状態だと理解してください。制度別の申請手順は「FPVドローン5.7GHz帯の開局申請|5.8GHzとの違い」で整理しています。

なお総務省は、5GHz帯のアマチュア無線が周波数割当計画上は二次業務であることを明示しています。二次業務は、同一帯域を使う一次業務の無線局に妨害を与えてはならない立場です。5.7GHz帯には無人移動体画像伝送システムがあり、5.8GHz帯にはDSRC(高速道路のETCや駐車場管理)が割り当てられているため、それらの付近での使用は避けるなど、適切な措置を執る必要があるとされています。

169MHz帯

無人移動体画像伝送システムのうち、もっとも周波数が低い区分です。総務省の一覧では最大送信出力10mW(地上から電波発射を行う無線局の場合は最大1W)とされています。

周波数が低いため回折しやすく、遠距離まで届きやすい一方、確保できる帯域幅が狭いため高精細映像を送るには向きません。実務では、5.7GHz帯で映像を送りつつ、169MHz帯を制御・テレメトリのバックアップに充てるという使い分けがされます。

1.2GHz帯

アナログFPVの初期に使われた帯域です。日本では1,260〜1,300MHzがアマチュア業務に割り当てられています(総務省の周波数割当計画)。周波数が低いぶん障害物に強く、樹林の中でも映像が保ちやすいという特性から、いまも一部で話題に上がります。

ただし実務上のハードルは高めです。国内で保証を受けられる1.2GHz帯のVTXはほとんど流通しておらず、海外通販で買える機器の多くは日本の技術基準に合致しません。また、この帯域はアマチュア以外のシステムとも近接しています。1.2GHz帯を検討する場合は、購入前にバンドプラン上で画像伝送が可能な範囲と、保証を受けられる機種かどうかの両方を確認してください。

2.5GHz帯・4.7GHz帯・28GHz帯

自営等BWA(2.5GHz帯)とローカル5G(4.7GHz帯・28GHz帯)です。工場やプラント、農場のように、自社の敷地内で高速大容量の通信を確保したい場合の選択肢になります。

いずれも無線局免許が必要で、免許申請前に周辺の免許人との干渉調整が求められます。総務省は、令和7年5月の制度改正によりローカル5Gの上空利用が可能になったとしています。導入の実務は「ローカル5Gの免許申請|手順・費用・期間を解説」を参照してください。

800MHz帯等(携帯電話・BWA)

いわゆるLTE・5Gドローンです。この行だけは性格が違い、利用者は無線局免許を取りません。携帯電話事業者またはBWA事業者の包括免許によって運用され、端末は基地局によって制御されます。詳細は後述します。

リモートID用の帯域

リモートIDは、機体登録制度と連動して考える必要があります。無線局の開設手続そのものとは別に、制度に適合した機器かを確認します。

リモートID機器は、国土交通省が定める技術規格に適合したうえで、BluetoothやWi-Fiといった免許不要の無線方式で識別情報を発信します。したがって電波法上、リモートIDのために新たに無線局免許を取る必要は生じません。確認すべきなのは、電波法側ではなく航空法側の制度適合です。搭載義務と免除条件は「ドローンのリモートIDとは?搭載義務と免除条件」にまとめています。

周波数別の必要資格・免許の早見表

ここまでを、手続きの視点で1枚にまとめ直します。

帯域・制度 無線局の手続き 無線従事者資格 業務利用 主な使い手
73MHz帯等の微弱無線 不要 不要 産業用ラジコンヘリ
920MHz帯 特定小電力 不要(技適必須) 不要 テレメトリ、産業用機体
2,400〜2,483.5MHz 小電力データ通信 不要(技適必須) 不要 市販ドローン全般
169MHz/2.4GHz/5.7GHz 無人移動体画像伝送 携帯局の免許申請+運用調整 第三級陸上特殊無線技士以上 可(産業の用に供するものに限る) 点検、測量、物流
5.6GHz帯 アマチュア 保証+アマチュア局の開局申請 第四級アマチュア無線技士以上 不可 趣味のFPV
2.5GHz帯 自営等BWA 免許申請+干渉調整 構内の自営通信
4.7GHz/28GHz ローカル5G 免許申請+干渉調整 工場、プラント
800MHz帯等 携帯電話・BWA 事業者への上空利用の申込み 不要 長距離のBVLOS

無人移動体画像伝送システムとは何か

業務用ドローンの周波数を語るうえで中心になる制度です。定義は無線設備規則に置かれています。

「無人移動体画像伝送システム」とは、一六九・〇五MHzを超え一六九・三九七五MHz以下、一六九・八〇七五MHzを超え一七〇MHz以下、二、四八三・五MHzを超え二、四九四MHz以下又は五、六五〇MHzを超え五、七五五MHz以下の周波数の電波を使用する自動的に若しくは遠隔操作により動作する移動体に開設された陸上移動局又は携帯局が主として画像伝送を行うための無線通信(当該移動体の制御を行うものを含む。)を行うシステムをいう。

― 無線設備規則 第3条

読みやすく数字に直すと、対象となる周波数は次の4区間です。

区間 範囲
169MHz帯(下側) 169.05MHz超〜169.3975MHz 約0.35MHz
169MHz帯(上側) 169.8075MHz超〜170MHz 約0.19MHz
2.4GHz帯 2,483.5MHz超〜2,494MHz 10.5MHz
5.7GHz帯 5,650MHz超〜5,755MHz 105MHz

169MHz帯の帯域幅が1MHzに満たないことが、この帯域で高精細映像を送れない理由です。逆に5.7GHz帯は105MHzを確保しており、ここが業務用の高画質映像伝送の主戦場になります。

空中線電力の上限も、同じ規則で定められています。

無人移動体画像伝送システムの無線局の無線設備は、次に掲げる条件に適合するものでなければならない。一通信方式は、単向通信方式、同報通信方式、単信方式又は複信方式であること。二空中線電力は、一ワット以下であること。

― 無線設備規則 第49条の33

総務省の一覧にある「1W」は、この条文が根拠です。免許を受けたからといって出力を自由に上げられるわけではありません。

この制度は、一般業務用(産業の用に供するものに限る)として平成28年8月に制度化されたものです。高画質映像の長距離伝送などを可能にするため、2.4GHz帯および5.7GHz帯等の周波数を新たに確保したという経緯があります。

運用調整という追加の負担

無人移動体画像伝送システムには、他の制度にはない手続きがあります。総務省は、限られた周波数資源を共用し各々が必要な通信を確保するため、運用者間で使用する周波数等の運用調整を行う必要があるとし、無線局の免許申請時には運用調整に関する資料を提出する必要があるとしています。現在は関係業界が主体となって運用調整団体が整備されています。

提出資料は、運用場所と空中線電力の組み合わせで決まります。

空中線電力 屋外で運用 屋内のみで運用
15mW超 運用調整団体の加入証明書(写し)等 運用調整団体の加入証明書(写し)等
15mW以下 運用調整団体の加入証明書(写し)等 加入証明書等、または5.7GHz帯に限り屋内限定・低出力無線局用の資料も可

出典: 総務省 電波利用ホームページ「ドローン等に用いられる無線設備について」(2026年8月時点)

加入証明書は、新規開設時だけでなく再免許申請時にも提出が求められます。「一度取れば終わり」ではないため、団体の会員資格を維持し続ける前提でコストを見積もってください。

第三級陸上特殊無線技士の操作範囲

無人移動体画像伝送システムに必要とされる資格の範囲は、電波法施行令に定められています。

陸上の無線局の無線設備(レーダー及び人工衛星局の中継により無線通信を行う無線局の多重無線設備を除く。)で次に掲げるものの外部の転換装置で電波の質に影響を及ぼさないものの技術操作一空中線電力五十ワット以下の無線設備で二万五千十キロヘルツから九百六十メガヘルツまでの周波数の電波を使用するもの二空中線電力百ワット以下の無線設備で千二百十五メガヘルツ以上の周波数の電波を使用するもの

― 電波法施行令 第3条

169MHz帯は25,010kHz〜960MHzの範囲に入るため第1号(50W以下)、2.4GHz帯と5.7GHz帯は1,215MHz以上なので第2号(100W以下)に当たります。無人移動体画像伝送システムの上限は1Wなので、いずれも範囲内です。

ただし条文が認めているのは「外部の転換装置で電波の質に影響を及ぼさないものの技術操作」に限られます。チャンネル切替や電源操作は含まれますが、無線設備の内部を改造する行為は含まれません。資格の全体像は「陸上特殊無線技士とは|一陸特の難易度と取得法」で解説しています。

アマチュア無線は業務に使えない

趣味のFPVで5.6GHz帯を使うルートには、決定的な制約があります。

アマチュア業務金銭上の利益のためでなく、もつぱら個人的な無線技術の興味によつて行う自己訓練、通信及び技術的研究その他総務大臣が別に告示する業務を行う無線通信業務をいう。

― 電波法施行規則 第3条

「金銭上の利益のためでなく」が要件なので、空撮の受注、点検業務、有償のイベント撮影にアマチュア無線のFPVは使えません。総務省も、アマチュア無線を使用したドローンを利益を目的とした仕事などの業務に利用することはできないと明示しています。

資格取得の入口は「アマチュア無線4級の取得方法|試験内容と勉強法」、保証の手続きは「JARD保証認定とは?FPVドローンの開局に必要な手続き」を参照してください。

アマチュアで画像伝送が可能な周波数は限られている

アマチュアバンドの5,650〜5,850MHzを丸ごと使えるわけではありません。総務省は、アマチュア無線のバンドプランにおいて画像伝送が可能な周波数として次の範囲を示しています。

範囲
5,690〜5,725MHz 35MHz
5,730〜5,755MHz 25MHz
5,757〜5,760MHz 3MHz
5,762〜5,765MHz 3MHz
5,770〜5,810MHz 40MHz

出典: 総務省 電波利用ホームページ「FPVドローンをアマチュア無線により利用する場合の注意事項」(2026年8月時点)

幅が3MHzしかない区間は、実際の映像伝送では使いにくく、事実上使えるのは35MHz幅・25MHz幅・40MHz幅の3区間です。総務省は複数機の同時飛行について、画像伝送装置同士の混信回避のため使用周波数の間隔を離す必要があるとし、5,705MHz・5,740MHz・5,800MHzという使用チャンネルの例を挙げています。この3波は、いずれも幅の広い3区間に属しています。

デジタルFPVの機種別の事情は「デジタルFPVの技適と開局|DJI O4・Walksnail」に詳しくまとめています。

機種カテゴリ別の当てはめ

早見表を自分の機体に当てはめてみます。

市販のカメラドローン

家電量販店やメーカー直販で購入した国内向けモデルは、原則として免許不要の枠に収まるように設計されています。操縦も映像も2,400〜2,483.5MHzの小電力データ通信システム、あるいは国内で認証を受けた帯域を使い、技適マークと工事設計認証番号が機体または取扱説明書に記載されています。

確認すべきは次の3点です。

  1. 機体に技適マークと番号があるか
  2. その番号が総務省のデータベースで検索できるか
  3. 国内向けモデルか(並行輸入品ではないか)

技適番号の調べ方は「技適検索のやり方|出てこない5つの原因と番号の正しい入力」で解説しています。

FPV自作機

もっとも手続きが多いカテゴリです。プロポは技適品を使えば免許不要ですが、VTX(映像送信機)は別途アマチュア局として開局が必要になります。

系統 帯域 手続き
プロポ(操縦) 2.4GHz帯 技適品なら不要
VTX(映像) 5.6GHz帯 第四級アマチュア無線技士+保証+開局申請
機体登録・リモートID 航空法側の手続き

そのうえで、アマチュア局としての運用ルールが加わります。総務省は、FPVドローンをアマチュア無線で利用する場合、10分ごとを標準として適当にコールサインを送信することが必要としており、送信方法の例として「撮影映像の信号にコールサインを含めて送信」「コールサインを記載した表示板を地上に設置して10分ごとに撮影して送信」を挙げています。開局の全体像は「FPVドローンに必要な免許|アマチュア無線+開局申請ガイド」を参照してください。

農業用ドローン

農薬散布機は、歴史的には73MHz帯等の微弱無線を使う産業用ラジコンヘリが中心でした。近年のマルチローター型は、2.4GHz帯の免許不要枠を使う機体と、920MHz帯を併用する機体があります。

農業用途で特に注意したいのは、圃場が広く、機体が遠ざかることです。免許不要の帯域は出力が小さいため、距離が伸びると制御が切れやすくなります。長距離を安定させたい場合は、無人移動体画像伝送システムやLTE上空利用が選択肢になります。機体登録は「農業用ドローンの機体登録|農薬散布機の手続き」、飛行許可は「農業用ドローンの飛行許可|農薬散布の申請まとめ」にまとめています。

物流・点検の業務機

橋梁点検、送電線点検、プラント点検、物流実証など、目視外飛行を伴う業務では、免許不要の帯域だけでは足りなくなることが多くなります。典型的な構成は次のいずれかです。

構成 内容 向いている場面
5.7GHz帯の携帯局 無人移動体画像伝送システムで高画質映像を長距離伝送 携帯エリア外、山間部、高画質が要る点検
LTE・5Gの上空利用 携帯電話事業者の上空利用プランを契約 携帯エリア内で距離を伸ばしたい場合
ローカル5G・自営等BWA 構内に自前のネットワークを構築 工場、プラント、大規模施設
併用 5.7GHz帯+920MHz帯のバックアップ 冗長性が求められる業務

業務利用でアマチュア無線を選ぶ余地はありません。この点だけは例外がないので、業務なら最初から上記のいずれかで設計してください。

海外通販で買った機体

このカテゴリだけは、周波数を検討する前に止まります。詳しくは後述します。

LTE・5Gの上空利用

携帯電話の電波を使うルートは、他とまったく仕組みが違うため、独立して理解しておく価値があります。

なぜ特別扱いなのか

携帯電話システムは地上での利用を前提に設計されています。端末を上空に上げると、複数の基地局から同時に見えてしまい、通信品質が安定せず、また上空で利用される端末が増えると地上の携帯電話の利用に影響を与えるおそれがあります。

そのため総務省は、平成28年7月から実用化試験局の制度を適用可能とし、課題の検証を行ってきました。その後、情報通信審議会における技術的検討を経て、令和2年12月に高度150m未満の空域について一定の条件に合致する携帯電話端末を簡素化した手続で利用可能とする制度整備が行われ、令和5年4月からは高度150m以上でも簡素化した手続による利用が可能になりました。さらに令和7年5月に、ローカル5GやBWAについても端末を無人航空機等に搭載して利用できるよう制度整備が行われています。

出典: 総務省 電波利用ホームページ「無人航空機等における携帯電話等の端末の利用」(2026年8月時点)

上空利用が可能となる条件

総務省は、上空利用が可能となる条件を次のとおり示しています。

項目 内容
通信方式 LTE-Advanced(4G)方式 又は NR(5G)方式、ローカル5G、BWA(地域BWA、自営等BWAを含む)
周波数帯 4G/5G: 800MHz帯、900MHz帯、1.7GHz帯、2GHz帯、28GHz帯に限る/ローカル5G: 4.7GHz帯、28GHz帯/BWA: 2.5GHz帯
送信電力制御 上空で利用される移動局が、上空に存在していることを前提とした基地局からの制御情報に基づく空中線電力の制御を自動的に行える機能を有すること

出典: 総務省 電波利用ホームページ「無人航空機等における携帯電話等の端末の利用」(2026年8月時点)

手続きは携帯電話事業者に対して行う

ここが最大のポイントです。総務省のQ&Aによれば、携帯電話端末を無人航空機等に搭載して上空で利用する場合の手続きは、携帯電話事業者が提供する上空用のプラン等の利用の手続を行うことであり、無人航空機の運用者が携帯電話の上空利用のために無線局免許の手続を実施する必要はないとされています。無線局免許に関する手続きは携帯電話事業者が実施しているためです。

同じQ&Aで、次の点も明確にされています。

  • 普段地上で使っているスマートフォンやSIMカードは、地上での利用を前提とした制御が行われており、そのままでは上空で利用できない
  • 高度や運用場所によらず、無人航空機等に搭載して上空で使用する場合には手続きが必要(低高度なら不要、屋内なら不要ということはない)
  • 上空利用が可能な技術的条件に合致しない場合は、実用化試験局による上空利用が可能となる場合がある(個別免許であり、免許人は携帯電話事業者となる)
  • 飛行に関する許可等、航空法上の手続は別途必要

「ドローンにSIMを挿しただけで飛ばしていた」という運用は、この条件を満たしていません。LTEドローンの実務は「ドローンのLTE通信利用と電波法上の注意点」でも扱っています。

なお、1.9GHz帯デジタルコードレス電話(sXGP方式)については、一の構内での利用に限り上空で利用できるとされています。工場や倉庫の敷地内という限定的な条件ですが、選択肢の一つです。

干渉と混信の実際

制度を満たしていても、電波が届かなければ運用は成り立ちません。周波数選びの実務的な側面を整理します。

2.4GHz帯の混雑

2.4GHz帯は、Wi-Fi、Bluetooth、電子レンジ、無線マウス、ワイヤレスカメラなどが共用する帯域です。混雑の度合いは場所によって桁違いに変わります。

場所 2.4GHz帯の混雑 実務上の対応
郊外の農地・河川敷 低い 通常運用で問題が出にくい
住宅地 中程度 高度を上げると見通しが増え干渉源も増える
都市部のビル街 高い 5GHz帯併用や短距離運用を検討
イベント会場・展示会 非常に高い 事前の電波環境確認が必須

特にイベント会場は要注意です。来場者のスマートフォンのテザリング、会場のWi-Fi、演出用の無線機器が同時に動くため、下見のときは問題なくても本番で映像が落ちるという事態が起きます。ドローンショーや会場内飛行を予定している場合は、本番と同じ時間帯・同じ人出の条件で電波環境を確認してください。

高度を上げると干渉は増える

地上の無線機は建物や地形に遮られていますが、上空のドローンからはそれらが一斉に見通せます。高度を上げるほど受信できる干渉源の数は増えるため、地上でのテストが良好でも上空で状況が変わることがあります。携帯電話の上空利用が特別扱いされているのも、根本は同じ理由です。

同一空間で複数機を飛ばす場合

FPVレースや複数機による点検では、機体同士の混信が主な問題になります。総務省は、複数のFPVドローンが同一空間で同時に飛行する場合、画像伝送装置同士の混信回避のため使用するチャンネルの間隔を離す必要があるとしています。

また、無資格者の体験利用に関する説明の中で、5GHz帯で同時に使用できる電波は3chまでであることが示されています。これは、同一空間で同時に飛ばせるアマチュアFPV機の数に実質的な上限があることを意味します。

混信が起きたときの相談先は「混信・電波障害の申告|総合通信局への相談方法」にまとめています。

業務用でも運用調整が前提

5.7GHz帯の無人移動体画像伝送システムでは、運用調整団体を通じた調整が制度に組み込まれています。総務省は、使用する周波数について同一および隣接する周波数帯を他の無線局が使用しているため、これらの無線局の運用に配慮した運用が必要とし、具体的に無線LANが使用していない高い周波数から使用する周辺にDSRC(ETC等)関係の無線局が無いことを確認するといった配慮を挙げています。

電波が届く距離の考え方

「この周波数なら何km飛ぶのか」という質問はよく出ますが、法令に距離の規定はありません。法令が定めているのは周波数と空中線電力、そして技術基準です。距離は結果でしかありません。

距離を決める要素

要素 効き方
空中線電力 自由空間では、出力を4倍にして届く距離が約2倍
周波数 高いほど直進性が強く、障害物の裏に回り込みにくい
アンテナ 指向性と設置高さの影響が大きい
見通し 送信側と受信側の間に遮蔽物があるかどうか
干渉 同じ帯域に他の電波があると実効距離は縮む

出力を上げても距離は比例して伸びません。自由空間では受信電力が距離の2乗に反比例するため、距離を2倍にするには出力を4倍必要という関係になります。免許不要の10mW級と、無人移動体画像伝送システムの1Wでは出力に100倍の開きがありますが、単純計算での距離差は10倍程度にとどまります。

法規制が距離の上限を作る

日本のドローン運用では、電波が届く距離より先に航空法の目視内飛行の要件が効いてきます。目視外飛行には承認が必要であり、承認を得ていなければ、機材の性能に関係なく目視の範囲を超えて飛ばすことはできません。

つまり、実務上の順序は次のようになります。

  1. 航空法上、どこまで飛ばせるか(目視内か、目視外の承認があるか)
  2. その距離を安定して通信できる周波数・出力は何か
  3. その周波数を使うために必要な手続きは何か

「遠くまで飛ばしたいから出力の大きい機材を買う」ではなく、「飛ばせる範囲が決まったうえで、そこを確実にカバーする機材を選ぶ」という順序で考えてください。

カタログ値との差

メーカーが公表する伝送距離は、多くの場合、障害物や干渉のない条件での値です。市街地や樹林、鉄塔の近くではこれを大きく下回ります。運用計画は、カタログ値ではなく実際の現場で測った値を前提に立ててください。

海外機の周波数リスク

海外通販や個人輸入で入手した機体・VTX・プロポには、国内で使えない構成が含まれていることがあります。

何が問題になるのか

リスク 内容
技適がない 免許不要の例外に入らず、電波を出した時点で無免許の無線局開設になる
国内で割り当てのない周波数 他システムに妨害を与えるおそれがある
出力が国内基準を超える 同じ帯域でも国内の技術基準を満たさない
技適はあるが設定が海外向け 出荷時の地域設定のまま使うと国内で認められない周波数が出る

4つ目は見落とされがちです。技適マークが付いていても、国内で認証を受けた構成で使わなければ意味がありません。とくにVTXは、対応帯域が広く、設定画面から国内で使えない周波数を選べてしまう機種があります。

電波を出さなければ問題ない、は成り立つのか

「日本では飛ばさないから」「電源を入れないから」であれば所持自体は問題になりませんが、電波を発射した瞬間に無線局の開設に当たります。屋内でも、テスト目的でも同じです。

無免許で無線局を開設した場合の罰則は電波法に定められています。

次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。一第四条の規定による免許又は第二十七条の二十一第一項の規定による登録がないのに、無線局を開設したとき。

― 電波法 第110条

海外機器の扱いは「海外製無線機器を日本で使う方法|技適の扱い」、罰則の全体像は「電波法の虚偽の通信・虚偽放送の罰則|違反別の量刑一覧」で解説しています。

技適未取得機器の実験等の特例

研究開発目的に限っては、技適未取得機器を用いた実験等の特例制度があります。ただし届出が必要で、期間や目的に制限があるため、趣味で飛ばすための抜け道にはなりません。

周波数帯より重要なこと

1. 技適があるか

日本国内で技適などの確認が取れない機器は、周波数帯の前に止まります。とくに海外仕様機材ではここが最大の論点です。

2. その用途で使える制度か

同じ映像伝送でも、

  • 趣味のFPV
  • 仕事での映像制作
  • 実験・試験

で整理が変わります。

判断の起点は「金銭上の利益のためかどうか」です。ここが業務であれば、アマチュア無線の選択肢は最初から消えます。

3. 申請した周波数で使うのか

アマチュア局としてVTXを使う場面では、JARDのFAQでも送信機系統図に記載した周波数のみを使用する前提が示されています。つまり、対応帯域が広い機器でも、好きな周波数を自由に使えるとは限りません。

総務省も、免許を受けた周波数以外で使用した場合は法令違反となる旨を明示しています。VTXの設定を変えるときは、開局申請時に届け出た内容の範囲内かを必ず確認してください。

4. 系統ごとに確認しているか

機体単位ではなく送信機単位で見ます。操縦、映像、テレメトリ、リモートIDが別モジュールなら、それぞれ独立に確認が必要です。

よくある誤解

1. 2.4GHzなら全部免許不要

そうとは限りません。技適など、日本国内で使える設備かを確認する必要があります。

加えて、2,483.5MHz超〜2,494MHzは無人移動体画像伝送システムの帯域であり、無線局免許と第三級陸上特殊無線技士以上の資格が必要です。同じ「2.4GHz帯」という呼び名でも、制度が違います。

2. 5.8GHzなら全部アマチュア無線

業務利用や実験用途まで含めて一括りにするのは危険です。目的で整理が変わります。

さらに5.8GHz帯はDSRC(ETC等)に割り当てられており、5GHz帯のアマチュア無線は二次業務です。高速道路や駐車場の付近での使用は避けるべき帯域だと理解しておいてください。

3. 機体に技適があれば全部OK

操縦用、映像用、周辺無線が別モジュールなら、全部を分けて確認した方が安全です。

4. 出力が大きいほうが常に良い

出力が大きいほど、他の無線局に与える影響も大きくなります。無人移動体画像伝送システムに運用調整が課されているのは、この帯域が他システムと共用されているためです。必要な距離をカバーできる最小の構成が、手続き上も運用上も安全です。

5. 免許を取れば好きな周波数を使える

使えるのは、免許状に記載された周波数だけです。無線設備を追加・変更する場合も変更手続きが必要になります。

6. 屋内なら電波の規制はない

屋内でも無線局の開設に変わりはありません。むしろ5.2GHz帯や5.3GHz帯の無線LANのように、屋内限定という条件が付いている帯域もあります。

7. 距離は周波数だけで決まる

出力、アンテナ、見通し、干渉が同じくらい効きます。周波数はその一要素にすぎません。

どう確認すればよいか

  1. 製品仕様を確認する
  2. 技適マークと証明番号を確認する
  3. 必要なら総務省の検索データベースで照合する
  4. FPVのVTXなら保証・開局の要否を確認する
  5. 業務利用なら趣味用制度と切り分ける

実務では、次のように機体1台ごとに表を作って埋めるのが確実です。

系統 使用帯域 制度 技適番号 免許の要否 資格 確認済み
操縦
映像
テレメトリ
リモートID
機体1台ごとに確認する電波法の項目
系統ごとに漏れがないかを運用前に確認する

空欄が残る系統があれば、そこが未確認のリスクです。運用前の確認項目は「ドローン電波法チェックリスト|飛行前の確認」にもまとめています。

手続きと費用の目安

制度を選んだあとに発生する費用の目安です(2026年8月時点)。

項目 金額 出典
無人移動体画像伝送システム 新たな免許(1W以下・書面) 3,450円 電波法関係手数料令 第2条
同(電子申請) 2,100円
同 再免許(書面/電子) 1,400円/1,050円
アマチュア局 新たな免許(50W以下・書面) 4,050円
同(電子申請) 2,750円
JARD基本保証(開設保証・1台) 5,500円 JARD公式
同(複数台同時申込の2台目以降・1台あたり) 1,100円 JARD公式
機体登録(マイナンバーカード・新規1機) 900円 国土交通省

これに加えて、無線局には電波利用料が毎年かかります。金額は無線局の種別ごとに定められているため、該当する局種を「電波利用料とは?金額と支払い方法を一覧で解説」で確認してください。

無人移動体画像伝送システムを選ぶ場合は、上記の手数料に加えて運用調整団体の会費が継続的に発生します。再免許のたびに加入証明書の提出が求められるため、免許を維持する限り会員資格も維持する必要があります。

行政書士に開局手続きを依頼する場合の報酬は、局種や局数によって幅がありますが、3万円から10万円程度が一つの目安です。複数局をまとめて申請する場合は1局あたりの単価が下がるのが一般的です。

よくある質問

Q. 周波数帯だけ見れば違法かどうか分かりますか?

分かりません。用途、技適、制度、運用目的まで見て判断します。同じ2.4GHz帯にも免許不要の制度と免許が必要な制度が同居しているため、帯域名だけでは結論が出ません。

Q. 5.7GHzと5.8GHzはどう違いますか?

FPVでは重要な違いがありますが、呼び方だけで判断するより、どの制度で、どの周波数を申請・運用するかで見る方が正確です。

実務的には、5.7GHz帯(5,650MHz超〜5,755MHz)を業務用の無人移動体画像伝送システムとして使うのか、アマチュアバンドの一部として使うのかで、必要な資格も手続きも変わります。5.8GHz帯はDSRC(ETC等)が使っている帯域でもあります。

Q. 仕事で使うなら何を先に見るべきですか?

周波数帯より先に、その機材構成が日本国内で適法か、そして業務目的に合う制度かを確認してください。業務であればアマチュア無線は使えないため、免許不要の帯域で足りるか、無人移動体画像伝送システムやLTE上空利用に進むかの判断になります。

Q. 市販のドローンを買えば周波数のことは考えなくてよいですか?

国内向けの正規品であれば、操縦と映像については免許不要の枠に収まるよう設計されています。ただし機体登録とリモートIDは航空法側の別の手続きなので、そちらは必要です。

Q. 920MHz帯を使うのに手続きは要りますか?

技適マークのある機器を使う限り、無線局免許も無線従事者資格も不要です。ただし920MHz帯はRFIDやスマートメーターと共用しているため、物流施設や工場の周辺では混雑を想定してください。

Q. 169MHz帯は映像を送れますか?

制度上は画像伝送用に位置づけられていますが、確保されている帯域幅が1MHzに満たないため、高精細映像には向きません。実務では制御やテレメトリのバックアップとして使われます。

Q. FPVの5.6GHz帯で好きなチャンネルを選べますか?

選べません。総務省が示す画像伝送可能な範囲(5,690〜5,725MHz、5,730〜5,755MHz、5,757〜5,760MHz、5,762〜5,765MHz、5,770〜5,810MHz)の中で、かつ開局申請時に届け出た周波数の範囲に限られます。

Q. 無資格の人にFPVを体験させられますか?

総務省は条件付きで可能としています。注意事項を遵守すること、無線従事者の管理下にあること、そして無資格者によるFPVの使用は屋内等の閉鎖された空間で行う場合に限るという条件です。電源のON/OFFやチャンネル設定といった無線設備の操作は無線従事者でなければ行えません。また、5GHz帯で同時に使用できる電波は3chまでのため、無線従事者が管理できるFPVドローンは最大3機とされています。

Q. ドローンにSIMを挿せばLTEで飛ばせますか?

そのままでは飛ばせません。総務省は、通常利用されているスマートフォン等は地上での利用を前提とした制御が行われており、そのままでは上空で利用できないとしています。携帯電話事業者が提供する上空用のプラン等の手続きが必要です。高度や運用場所によらず必要とされている点にも注意してください。

Q. LTE上空利用に無線局免許は要りますか?

利用者側では不要です。携帯電話に係る無線局免許の手続きは携帯電話事業者が実施しているためです。ただし事業者への上空利用の申込みは必要で、航空法上の許可・承認は別途必要です。

Q. 農業用ドローンにはどの帯域が使われますか?

産業用ラジコンヘリでは73MHz帯等の微弱無線が使われてきました。マルチローター型では2.4GHz帯の免許不要枠が中心で、920MHz帯を併用する機体もあります。広い圃場で距離を確保したい場合は、無人移動体画像伝送システムやLTE上空利用が選択肢になります。

Q. リモートIDのために無線局免許が必要ですか?

不要です。リモートIDはBluetoothやWi-Fiといった免許不要の無線方式で識別情報を発信します。確認すべきは電波法側ではなく、航空法側の技術規格への適合と搭載義務の有無です。

Q. 海外で買ったVTXを日本で使えますか?

技適がない場合、電波を発射した時点で無免許の無線局開設に当たります。日本で使うには、技適品を選ぶか、保証を受けてアマチュア局として開局する必要があります。

Q. 出力が大きい機材を買えば遠くまで飛ばせますか?

自由空間では距離を2倍にするのに出力が4倍必要で、期待するほど伸びません。加えて日本では航空法の目視内飛行の要件が先に効くため、承認なしに目視の範囲を超えて飛ばすことはできません。

Q. ローカル5Gを上空で使えますか?

総務省は、令和7年5月の制度改正によりローカル5Gの上空利用が可能になったとしています。上空利用に係る干渉調整と、上空で使用することを明示した免許申請が必要です。

Q. 実験や研究開発の場合はどうなりますか?

実験試験局や、技適未取得機器を用いた実験等の特例制度が用意されています。いずれも目的・期間・場所に条件が付くため、通常の運用手段としては使えません。

まとめ

ドローンの周波数帯は、帯域名だけでなく用途と制度で整理するのが正確です。

  • 操縦用、映像用、データ用、リモートID用を分けて考える
  • まず技適など国内適法性を確認する
  • 5GHz帯は趣味用、業務用、実験用で整理が変わる
  • 申請した周波数を超えて自由に使えるわけではない

そのうえで、この記事で追加した論点は次の5つです。

  1. 同じ帯域名の中に、免許不要の制度と免許が必要な制度が同居している(2.4GHz帯、5.7GHz帯)
  2. 業務ならアマチュア無線は使えない(電波法施行規則第3条のアマチュア業務の定義)
  3. 無人移動体画像伝送システムには運用調整という追加負担がある(再免許時にも加入証明書が必要)
  4. LTE・5Gの上空利用は、利用者が免許を取るのではなく事業者に申し込む制度(高度や場所によらず手続きが必要)
  5. 距離は法令で決まらない。決まるのは周波数と出力であり、実務上の上限は航空法が作る

技適確認は「ドローンの技適マーク確認方法|条文と手順」、FPVの周波数帯は「FPVドローンで使える周波数帯|5.7GHz・5.8GHzの違い」で続けて確認してください。映像伝送に絞った制度比較は「ドローンの映像伝送と電波法|周波数帯別の整理」にまとめています。

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