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ドローンの技適マーク確認方法|条文と手順

この記事でわかること

ドローンの技適確認で重要なのは、機体にシールがあるかどうかだけではないことです。

理由は2つあります。1つは、1台のドローンが複数の無線設備の集合体であること。もう1つは、技適の表示方法が法令上シールに限られていないことです。設定画面に表示する方式(電子的表示)も、総務省令で正式に認められています。

この記事では、次の点を条文と手順のレベルまで踏み込んで整理します。

  • 技適が「なぜ必要か」を電波法第4条の条文構造から理解する
  • ドローンのどの部分を、どの順番で確認するか
  • シールが見つからないときに確認すべき画面表示(電子的表示)の存在
  • 総務省の検索データベースで何を照合すればよいか
  • 技適がない機器を合法的に使う道が残っているケースと、残っていないケース
  • 改造・アンテナ交換・修理をしたときの表示除去義務と罰則

そもそも技適マークとは何か、制度の基礎は「技適(技術基準適合証明)とは?わかりやすく解説」で解説しています。確認方法と罰則の全体像は「技適マークとは|確認方法と技適なし機器の罰則」もあわせてご覧ください。

先に結論

技適確認は次の順で進めると整理しやすくなります。

  1. どのパーツが電波を出すかを洗い出す(送信機・機体・映像伝送・外付け機器)
  2. パーツごとに技適マークと証明番号を探す。シールがなければ設定画面も確認する
  3. 番号を総務省の検索データベースで照合し、周波数・空中線電力が手元の機材と整合するか見る
  4. 確認できない機器は使用を開始せず、技適以外の制度で整理できるかを先に判断する

そして、技適の有無を確認するのは「マナー」ではなく、無線局の免許を受けずに電波を出してよいかどうかという、電波法上の適法性の判断そのものです。

技適は何のための制度か

免許不要の枠に入るための条件

電波法は、無線局の開設に原則として総務大臣の免許を要求しています。

無線局を開設しようとする者は、総務大臣の免許を受けなければならない。ただし、次に掲げる無線局については、この限りでない。

― 電波法 第4条

この「ただし書」に該当すれば、免許を受けずに無線局を開設できます。ドローンで最も関係が深いのは第3号です。

空中線電力が一ワット以下である無線局のうち総務省令で定めるものであつて、第四条の三の規定により指定された呼出符号又は呼出名称を自動的に送信し、又は受信する機能その他総務省令で定める機能を有することにより他の無線局にその運用を阻害するような混信その他の妨害を与えないように運用することができるもので、かつ、適合表示無線設備のみを使用するもの

― 電波法 第4条第3号

条文を読むと、免許不要の枠に入る条件が3つ重なっていることがわかります。

要件 内容 ドローンでの意味
空中線電力1W以下 出力の上限 高出力の映像送信機は入らない
総務省令で定める無線局に該当 局種の限定 小電力データ通信システム、特定小電力無線局等
適合表示無線設備のみを使用 技適の要求 1つでも技適なしの設備を使えば枠から外れる

ここが最大のポイントです。「技適があれば免許不要」ではありません。 技適は免許不要の枠に入るための必要条件の1つにすぎず、周波数帯と用途によっては、技適があっても無線局免許が必要になります。

たとえば無人移動体画像伝送システム(169MHz帯・2.4GHz帯・5.7GHz帯)は、技適を受けた機器であっても無線局免許が必要な区分です。周波数帯ごとの免許の要否は「ドローンの無線システム一覧|周波数と免許」で一覧化しています。

「適合表示無線設備」の定義は第4条第2号にある

条文中の「適合表示無線設備」という用語は、電波法第4条第2号の括弧書きで定義されています。技術基準適合証明(第38条の7第1項)または工事設計認証(第38条の26等)に基づき、表示が付されている無線設備を指します。

つまり技適マークは、単なる合格印ではなく、その設備を免許不要局に使ってよいことを示す法律上の標識です。だからこそ表示の付け方・除去の仕方まで省令で細かく決められています。

技術基準適合証明と工事設計認証の違い

技適には2つのルートがあります。実務ではどちらも「技適」と呼びますが、対象が違います。

区分 根拠 対象 イメージ
技術基準適合証明 電波法第38条の2の2 個々の機器(1台ごと) その1台が基準に適合
工事設計認証 電波法第38条の24 工事設計(設計・製造方法) 同じ設計で作られたものが適合

量産される市販ドローンは、通常工事設計認証のルートです。1台ずつ試験するのではなく、設計と製造ラインを含めて認証されます。そのため、同じ型番でも認証の対象になっている工事設計と異なる仕様(海外仕様、出力違い、周波数違い)で作られた個体は、認証の効力が及びません。「同じ型番だから大丈夫」が通用しない法的な理由がここにあります。

ドローンのどこが電波を出すか

技適確認の第一歩は、電波を出している部位の洗い出しです。1台のドローンには複数の無線設備が同居していることが普通です。

部位 主な役割 よくある周波数帯 確認の要点
操縦用送信機(プロポ) 操縦信号の送信 2.4GHz帯、5.7/5.8GHz帯、920MHz帯等 背面・底面のラベル、設定画面
機体(受信・テレメトリ) 操縦信号の受信、状態送信 送信機と同帯 機体底面、バッテリー収納部内側
映像伝送ユニット(VTX) 映像の送信 2.4GHz帯、5.7/5.8GHz帯等 モジュール自体の刻印、基板シルク
Wi-Fi/Bluetooth アプリ接続、設定 2.4GHz帯、5GHz帯 機体・送信機の技適表示に併記されることが多い
LTE/5Gモジュール 遠隔運航、映像中継 携帯電話事業者の帯域 端末の技適表示。契約と機器の対応
リモートID機器(外付け) 登録記号の発信 2.4GHz帯(Bluetooth/Wi-Fi) 機器単体の技適表示

機体本体だけ見て終わってしまう失敗

「機体に技適シールがあった」で確認を終えると、送信機や映像伝送ユニットが抜けます。電波を出す設備ごとに技適が要るという発想に切り替えてください。

とくに見落とされやすいのが外付けリモートID機器です。リモートIDは電波で登録記号を発信する機器ですから、当然に電波法の対象です。機器選定の考え方は「リモートID対応機器の選び方|外付け型と内蔵型を比較」を参照してください。

海外仕様機材を日本向け正規品だと思い込む

同じ型番でも、仕向地によって使用周波数や空中線電力が変えられていることがあります。工事設計認証は設計単位で効力を持つため、日本向け設計でない個体には及びません。購入経路(国内正規代理店か、海外通販か)は、技適の判断において決定的な意味を持ちます。

海外機材のリスクは「海外製FPVドローンの日本での使用|技適と電波法の注意」で詳しく整理しています。

技適表示はシールだけではない

技適マークの表示場所を機器別に示した図。スマートフォンは設定画面の認証表示、トランシーバーは背面や電池ぶたの内側、Wi-Fiルーターは底面ラベル、ドローンはバッテリー室や機体の底。見当たらなければ総務省のデータベースで照会する
画面 ・ 背面 ・ 底面 ・ 電池室 ・ 無ければ総務省DB

電子的表示(画面表示)が省令で認められている

ここが、多くの解説記事で抜けている論点です。技適の表示方法は、特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則(証明規則)第8条第1項で3通りが定められています。

方法 根拠 具体例
機器に直接付す 証明規則第8条第1項第1号 本体のラベル・刻印・シール
機器の画面に表示 同項第2号 機器自体の液晶に設定操作で表示
接続した製品の画面に表示 同項第3号 送信機やアプリの画面に表示

条文は次のように定めています。

様式第七号による表示を技術基準適合証明を受けた特定無線設備に電磁的方法(電子的方法、磁気的方法その他の人の知覚によつては認識することができない方法をいう。以下同じ。)により記録し、当該表示を特定の操作によつて当該特定無線設備の映像面に直ちに明瞭な状態で表示することができるようにする方法

― 特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則 第8条第1項第2号

つまり、本体にシールが見当たらなくても技適がないとは限りません。近年の機体・送信機は、設定メニューの「認証情報」「規制情報」「Certification」といった項目に技適マークと番号を表示する方式が増えています。

また、電子的表示を採用した場合には、その旨と表示のさせ方を記載した書類の添付等で明らかにすることが求められています(証明規則第8条第3項)。取扱説明書や同梱書類に「技適マークの表示方法」の記載があるのは、この規定に対応したものです。

探す順番

  1. 機体底面・バッテリー収納部・送信機背面の物理ラベル
  2. 本体・送信機の設定メニュー(認証情報/規制情報/法規情報)
  3. 操作アプリの機体情報・About画面
  4. 取扱説明書・同梱書類の認証情報ページ
  5. メーカーの日本語公式サイトの製品仕様・技術情報

3までで見つからない場合でも、4・5を確認するまで「技適なし」と結論を出さないでください。逆に、5まで確認して番号が出てこない機器は、技適がない可能性を強く疑うべき段階です。

総務省データベースでの照合

技適マークに併記された番号は、総務省の検索システムで照合できます。

  • 総務省「技術基準適合証明等を受けた機器の検索」: https://www.tele.soumu.go.jp/giteki/SearchServlet?pageID=js01

照合するときの見どころ

番号を入力して該当レコードが出たら、次の項目が手元の機材と整合するかを確認します。

確認項目 見るポイント
証明・認証を受けた者 メーカー名・輸入者名が想定と一致するか
型式・名称 手元の型番と一致するか。近い別型番ではないか
電波の型式・周波数 使う予定の帯域が含まれているか
空中線電力 実際に設定して使う出力の範囲か
証明・認証の年月日 製造時期と極端に矛盾しないか

証明・認証時に登録される事項は証明規則で定められており、型式又は名称、証明番号、電波の型式・周波数・空中線電力などが含まれます。検索結果に出てくる項目は、この法定事項に対応しています。

検索は「完全一致」で考える

技適番号は桁数・記号を含めて完全に一致させる必要があります。ラベルが小さい、擦れている場合は拡大撮影で読み取ってください。ハイフンや大文字小文字の入力ミスで「該当なし」と表示され、技適がないと誤認するケースが実務でよくあります。

検索でヒットしない場合に考えられること

  • 入力ミス(最も多い)
  • 電子的表示のため番号を読み違えている
  • そもそも日本の技適を受けていない(FCC/CEの番号を技適番号と取り違えている)
  • 表示が付されていないものとみなされた(後述の電波法第38条の23)

技適が確認できない場合の考え方

技適なしで電波を出すと何が起きるか

技適のない無線設備を使う場合、電波法第4条の免許不要の枠には入りません。したがって、免許を受けずに電波を発射すれば無線局の不法開設になります。

第四条の規定による免許又は第二十七条の二十一第一項の規定による登録がないのに、無線局を開設したとき。

― 電波法 第110条第1号

この場合の罰則は1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です(電波法第110条柱書)。

「まだ飛ばしていないから大丈夫」という理解も危険です。同条第2号は、免許も登録もないのに無線局を運用した場合を別に定めており、電源を入れて電波を出した時点が問題になります。

技適がない機器に残された制度上の道

技適がなければ一切使えない、というのも正確ではありません。ただし、使えるケースは制度で用意された枠に当てはまる場合に限られます。自己判断で使い始める余地はありません。

状況 使える制度 根拠・要点
アマチュア無線として運用する 保証(保証認定)を受けて開局 技適のない設備でも、技術基準への適合を保証機関が確認して開局申請できる
業務・実験で試したい 実験等無線局の届出 電波法第4条の2第2項。届出日から総務省令で定める期間(180日を超えない範囲)、適合表示無線設備とみなされる
来日した外国人が持ち込む 入国者の特例 電波法第4条の2第1項。入国日から90日を超えない範囲で総務省令で定める期間に限り、適合表示無線設備とみなされる
上記のいずれにも当たらない なし 使用できない

条文を確認しておきます。

本邦に入国する者が、自ら持ち込む無線設備(次章に定める技術基準に相当する技術基準として総務大臣が指定する技術基準に適合しているものに限る。)を使用して無線局(前条第三号の総務省令で定める無線局のうち、用途、周波数その他の条件を勘案して総務省令で定めるものに限る。)を開設しようとするときは、当該無線設備は、適合表示無線設備でない場合であつても、同号の規定の適用については、当該者の入国の日から同日以後九十日を超えない範囲内で総務省令で定める期間を経過する日までの間に限り、適合表示無線設備とみなす。

― 電波法 第4条の2第1項

この特例は、日本に居住している人が海外通販で買った機器には使えません。「入国する者が自ら持ち込む」ことが要件だからです。ここを誤解した情報がインターネット上に散見されるので注意してください。

保証制度そのものは「保証認定とは|技適のない無線機を使う方法」で解説しています。FPVの映像送信機を保証で整理する具体的な流れは「FPVドローン5.8GHz帯の開局申請|手順と必要書類」を参照してください。

用途によって取れる道が変わる

同じ「技適なし」でも、機器の役割によって現実的な選択肢が変わります。

  • 映像送信機(VTX): アマチュア無線として整理する道が比較的取りやすい。ただし業務利用はできない
  • 操縦用送信機(プロポ): 操縦信号をアマチュア業務として整理するのは無理があり、慎重な検討が必要
  • Wi-Fi/Bluetoothモジュール: 免許不要局の枠に入れないなら、事実上使えない

FPVで使う周波数帯と制度の分岐は「FPVドローンで使える周波数帯|5.7GHz・5.8GHzの違い」で整理しています。

改造・アンテナ交換・修理をしたとき

技適マークのある機器を改造・修理したときの扱い。技術基準に適合したままなら表示を維持、適合しなくなる改造は変更の工事として表示を除去、勝手な表示は禁止
修理は維持 ・ 性能を変える改造は除去 ・ 偽表示は禁止

変更の工事をしたら表示を除去する義務がある

技適は「一度取れば永久」ではありません。電波法は、変更の工事をした者に表示の除去を義務づけています。

第一項(第三十八条の三十一第四項において準用する場合を含む。)、第三十八条の二十六(第三十八条の三十一第六項において準用する場合を含む。)若しくは第三十八条の三十五又は第三十八条の四十四第三項の規定により表示が付されている特定無線設備の変更の工事をした者は、総務省令で定める方法により、その表示(第二項の規定により適合表示無線設備を組み込んだ製品に付された表示を含む。)を除去しなければならない。

― 電波法 第38条の7第4項

除去の方法も証明規則第8条の2で定められており、物理ラベルなら「外観が残らないように完全に取り除く」「容易にはく離しない塗料で識別できないように被覆する」、電子的表示なら電磁的記録を消去する等の方法が指定されています。

そして、除去しなかった場合の罰則があります

第三十八条の七第四項の規定に違反して表示を除去しなかつたとき。

― 電波法 第112条第3号

第112条の法定刑は50万円以下の罰金です。

何が「変更の工事」に当たるか

条文は「変更の工事」の内容を細かく列挙していません。実務では、無線設備の電気的特性に影響する改変が問題になると考えられており、次のような行為はリスクが高いと整理されます。

  • アンテナの交換(利得の異なるものへの換装、指向性アンテナの追加)
  • 出力段の改造(ブースター・アンプの追加)
  • 周波数設定の書き換え(技適の範囲外の帯域を有効化するファームウェア変更)
  • 無線モジュールの載せ替え

一方、外装の交換やプロペラの変更など、無線設備の電気的特性に影響しない作業は、通常「変更の工事」には当たりません。ただし判断が微妙な事例では、管轄の総合通信局に事前に確認するのが確実です。ここは解釈が分かれ得る領域であり、断定的な結論を自分だけで出さないことをおすすめします。

紛らわしい表示を付けてはいけない

自作機や改造機に、それらしい技適マークを付ける行為も禁じられています。

何人も、第一項(第三十八条の三十一第四項において準用する場合を含む。)、前項、第三十八条の二十六(第三十八条の三十一第六項において準用する場合を含む。)、第三十八条の三十五又は第三十八条の四十四第三項の規定により表示を付する場合を除くほか、国内において無線設備又は無線設備を組み込んだ製品にこれらの表示又はこれらと紛らわしい表示を付してはならない。

― 電波法 第38条の7第3項

違反すると50万円以下の罰金です(電波法第112条第2号)。中古市場で「技適シールが後から貼られたように見える」機器を見かけた場合は、購入を避けてください。

技適があるのに「ないものとみなされる」場合

もう1つ知っておくべき規定があります。

登録証明機関による技術基準適合証明を受けた特定無線設備であつて第三十八条の七第一項又は第三十八条の四十四第三項の規定により表示が付されているものが前章に定める技術基準に適合していない場合において、総務大臣が他の無線局の運用を阻害するような混信その他の妨害又は人体への危害の発生を防止するため特に必要があると認めるときは、当該特定無線設備は、第三十八条の七第一項又は第三十八条の四十四第三項の規定による表示が付されていないものとみなす。

― 電波法 第38条の23第1項

この措置が取られた場合、総務大臣は公示を行います(同条第2項)。表示があっても法的には技適なしとして扱われるため、総務省の公示情報も確認対象になります。ロットや製造時期を指定した公示が出ることもあるので、同型番でも自分の個体が該当するかを見てください。

購入前後のチェックリスト

購入前

  • [ ] 日本向け正規流通品か(並行輸入・海外通販ではないか)
  • [ ] 製品ページまたは仕様書に技適番号の記載があるか
  • [ ] 技適の表示方法(ラベルか電子的表示か)が明示されているか
  • [ ] 使用予定の周波数帯が免許不要の枠に入るか、免許が必要な区分か
  • [ ] 送信機・機体・映像伝送・リモートID機器のそれぞれについて技適が確認できるか
  • [ ] FPV機材なら、開局申請に必要な諸元表・系統図の資料がそろうか

受領後

  • [ ] 実機のラベルまたは画面表示で技適番号を確認した
  • [ ] 総務省データベースで番号を照合した
  • [ ] 検索結果の周波数・空中線電力が使用予定と整合している
  • [ ] 技適表示の写真・検索結果のスクリーンショットを保存した
  • [ ] 取扱説明書の認証情報ページを保管した

証拠を残す作業を軽視しないでください。中古売却時や、万一の照会があったときに、確認したことを説明できる状態にしておく意味があります。

よくある誤解

ショップが売っていれば使える

必ずしもそうではありません。国内のオンラインモールにも、海外事業者が出品した技適なし機器が並んでいます。販売行為自体は電波法で直ちに禁止されるわけではなく、電波を出す段階で使用者が責任を負う構造だからです。「国内で買えた」ことは技適の証明になりません。

FCC認証やCEマークがあれば同等

FCCは米国、CEは欧州の制度です。日本の電波法上は、適合表示無線設備であることの根拠にはなりません。ただし、電波法第4条の2の特例では「次章に定める技術基準に相当する技術基準として総務大臣が指定する技術基準に適合しているもの」が対象とされており、指定された基準に適合していることが特例適用の前提になります。あくまで特例の枠内でのみ意味を持つ、と理解してください。

シールがなければ技適なし

前述のとおり、電子的表示が省令で認められています。設定画面と取扱説明書を確認するまで結論を出さないでください。

技適があれば無線局免許は不要

これも誤りです。電波法第4条第3号は空中線電力1W以下等の要件を重ねています。無人移動体画像伝送システムのように、技適を受けた機器でも無線局免許が必要な区分があります。

技適がなければ一切使い道がない

保証を受けたアマチュア局、実験等無線局の届出、入国者の特例など、制度上の道が用意されている場合があります。ただしいずれも手続きを踏むことが前提であり、自己判断で使い始める余地はありません。

FPVのVTXも通常の技適確認だけで足りる

FPVの映像送信機は、通常のドローン機材より制度整理が複雑です。技適確認だけでなく、保証・開局の要否まで見ないと結論が出ません。

よくある質問

Q. 技適マークが見つからなければ違法ですか

即断は避けるべきです。まず電子的表示の可能性を確認してください。ただし、確認できないまま使い始めないという運用は徹底してください。免許不要局の要件は「適合表示無線設備のみを使用するもの」であり、1台でも技適なしの設備が混ざればこの枠から外れます。

Q. 機体に技適があれば送信機や映像ユニットは見なくてよいですか

よくありません。電波を出す設備ごとに確認してください。免許不要局の要件は設備単位で判断されます。

Q. 技適番号が読めなくなった場合はどうすればよいですか

拡大撮影で読み取りを試み、それでも不可なら取扱説明書・同梱書類・メーカー公式情報から番号を特定してください。番号が特定できなくても、機器そのものの適法性が失われるわけではありません。ただし、証明を説明できない状態は避けたいところです。

Q. アンテナを社外品に交換したら技適はどうなりますか

無線設備の電気的特性に影響する変更であれば、変更の工事をした者に表示の除去義務が生じます(電波法第38条の7第4項)。除去しなければ50万円以下の罰金の対象です(同法第112条第3号)。交換前に、その改変が「変更の工事」に当たるかを管轄の総合通信局に確認することをおすすめします。

Q. ファームウェアの更新で技適の範囲が変わることはありますか

更新内容によっては、使用周波数や出力の設定が変わることがあります。特に海外向けファームウェアを適用すると、日本の技適の範囲外の設定が有効になる場合があります。メーカーが日本向けに配布しているファームウェアを使い、更新履歴を保管してください。

Q. FPVのVTXはどう考えればよいですか

通常の技適確認だけでは足りないことがあります。アマチュア無線として整理するなら資格・保証・開局が必要で、業務利用ならアマチュア業務として運用できません。業務利用の考え方は「FPVドローンを業務利用する場合の無線局免許」をご覧ください。

Q. 技適なしと分かった機器はどうすればよいですか

まず電波を出す運用を止めてください。そのうえで、保証を受けて開局する道があるか、実験等無線局の届出で整理できるか、あるいはその機器の利用を諦めるかを判断します。電波を出さない状態での保管・分解・展示は、無線局の開設・運用には当たりません。

Q. リモートID機器にも技適は必要ですか

リモートIDは電波で登録記号を発信する機器ですから、電波法の対象です。市販のリモートID機器には技適表示があるのが通常ですので、購入時に確認してください。

まとめ

ドローンの技適確認は、どのパーツが電波を出すかを分けて確認することが基本です。

  • 免許不要の枠に入る条件は「空中線電力1W以下」「総務省令で定める無線局」「適合表示無線設備のみを使用」の3つが重なった場合(電波法第4条第3号)
  • 技適があっても、無人移動体画像伝送システム等は無線局免許が必要
  • 技適表示はシールに限られない。画面表示(電子的表示)が証明規則第8条第1項第2号・第3号で認められている
  • 送信機・機体・映像伝送・LTE・リモートID機器を分けて確認する
  • 証明番号は総務省データベースで照合し、周波数・空中線電力の整合まで見る
  • 技適なしで電波を出せば1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(電波法第110条第1号)
  • アンテナ交換等の変更の工事をしたら表示の除去義務があり、怠れば50万円以下の罰金(同法第38条の7第4項、第112条第3号)
  • 技適がない機器にも、保証を受けた開局・実験等無線局の届出・入国者の特例といった道があるが、手続きが前提

FPVの無線整理は「FPVドローンで使える周波数帯|5.7GHz・5.8GHzの違い」、開局手続は「FPVドローン5.8GHz帯の開局申請|手順と必要書類」、運用全体の点検は「ドローン電波法チェックリスト|飛行前の確認」もあわせてご確認ください。

判断に迷う場合は、機器の型番・購入経路・使用予定の周波数を整理したうえで、管轄の総合通信局または行政書士にご相談ください。

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