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ドローン飛行許可の申請方法|DIPS2.0での手順を解説

この記事でわかること

ドローン(無人航空機)で人口集中地区の上空夜間飛行などを行うには、国土交通大臣の飛行許可・承認が必要です。申請はDIPS2.0(ドローン情報基盤システム)からオンラインで行え、手数料は無料です。

この記事では、許可が必要な飛行の種類、DIPS2.0での申請手順、審査期間、2025年12月の審査要領改正の影響までまとめて解説します。

飛行許可・承認とは

航空法では、一定の空域や飛行方法を「特定飛行」と定めており、特定飛行を行うには事前に国土交通大臣の許可または承認を受ける必要があります。

何人も、次に掲げる空域においては、無人航空機を飛行させてはならない。ただし、国土交通大臣がその飛行により航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全が損なわれるおそれがないと認めて許可した場合においては、この限りでない。

― 航空法 第132条の85第1項

許可が必要な飛行(空域の制限)と承認が必要な飛行(方法の制限)は、合わせて9種類あります。

許可が必要な飛行(9種類)

飛行禁止空域 → 「許可」が必要

種類 根拠条文
空港等の周辺の空域 航空法 第132条の85第1項第1号
地表から150m以上の空域 航空法 第132条の85第1項第1号
人口集中地区(DID)の上空 航空法 第132条の85第1項第2号

禁止される飛行方法 → 「承認」が必要

種類 根拠条文
夜間飛行 航空法 第132条の86第2項第1号
目視外飛行 航空法 第132条の86第2項第2号
人・物件から30m未満 航空法 第132条の86第2項第3号
催し場所の上空 航空法 第132条の86第2項第4号
危険物の輸送 航空法 第132条の86第2項第5号
物件投下 航空法 第132条の86第2項第6号

上記のいずれにも該当しない飛行はカテゴリーIに分類され、許可・承認は不要です。

飛行カテゴリーの分類

特定飛行は、リスクの大きさに応じて3つのカテゴリーに分類されます。

カテゴリー 定義 許可申請
カテゴリーI 特定飛行に該当しない 不要
カテゴリーIIB 特定飛行+立入管理措置あり+リスク低 技能証明+機体認証があれば不要
カテゴリーIIA 特定飛行+立入管理措置あり+リスク高 常に必要
カテゴリーIII 特定飛行+立入管理措置なし(第三者上空) 常に必要(一等+第一種機体認証が必須)

カテゴリーIIBに該当する飛行は、二等操縦士の技能証明第二種機体認証を受けた機体であれば、飛行許可申請が不要になります。詳しくは「ドローンの飛行カテゴリーとレベルをわかりやすく解説」をご覧ください。

申請に必要なもの

飛行許可申請に必要なものは以下の5つです。

  • DIPS2.0のアカウント(初回はアカウント作成が必要)
  • 機体登録の完了(登録記号の取得済みであること)
  • 操縦者の飛行経歴(10時間以上の飛行経験)
  • 飛行マニュアル(標準マニュアルまたは独自マニュアル)
  • 賠償責任保険の情報(加入推奨)

2025年12月改正後の注意

2025年12月18日の審査要領改正により、以下の運用が廃止されました。

廃止された運用 代替措置
HP掲載機体による資料省略 型式認証・機体認証を受けた機体のみ省略可
民間技能認証による資料省略 国家資格(技能証明)保有者のみ省略可
民間団体の飛行マニュアル 標準マニュアルまたはリスク評価ガイドラインに基づくマニュアルのみ

これにより、国家資格や機体認証がない場合は全ての資料を提出する必要があり、審査に時間がかかる可能性があります。改正内容の詳細は「審査要領改正(2025年12月)|民間資格の申請簡略化が廃止」をご覧ください。

申請の手順(DIPS2.0)

Step 1: DIPS2.0にログイン

DIPS2.0(https://www.ossportal.dips.mlit.go.jp/)にアクセスし、アカウントでログインします。初回はアカウント作成から始めてください。

Step 2: 機体情報・操縦者情報を登録

申請の前に、使用する機体の情報操縦者の情報をDIPS2.0に登録しておきます。機体登録で取得した登録記号と紐付けてください。操縦者情報には飛行経験時間や保有資格を入力します。

Step 3: 飛行カテゴリーを判定

「飛行許可・承認申請」メニューから簡易カテゴリー判定を実施します。飛行の内容がカテゴリーI/IIB/IIA/IIIのどれに該当するかを確認してください。

Step 4: 申請書を作成

新規申請を選択し、以下の情報を入力します。

  • 申請の種類: 個別申請か包括申請かを選択
  • 飛行の目的: 空撮、測量、点検などを選択
  • 飛行方法: DID上空、夜間、目視外など該当するものを選択
  • 立入管理措置の有無: 補助者配置等の安全対策の有無

Step 5: 飛行情報を入力

  • 飛行の日時・期間: 飛行予定日または包括申請の場合は期間
  • 飛行の経路・範囲: 地図上で指定、または「特定の経路を定めない」を選択
  • 飛行高度: 地表からの高さを入力

Step 6: 飛行マニュアルを選択

国土交通省の標準マニュアルを使用するか、独自に作成したマニュアルを添付するかを選択します。2025年12月18日以降は、標準マニュアルまたはリスク評価ガイドラインに基づくマニュアルのみ有効です。

Step 7: 申請書を確認・提出

入力内容を確認し、電子申請として提出します。提出後、申請状況はDIPS2.0の「申請状況確認」画面で確認できます。

Step 8: 審査・補正対応

審査中に不備があれば「補正指示」がメールで届きます。指示に従って修正し、再提出してください。

Step 9: 許可証の発行

審査完了後、DIPS2.0上で電子許可書が発行されます。飛行時は許可書を携行(電子データでも可)してください。

費用

飛行許可・承認申請の手数料は無料です。DIPS2.0でのオンライン申請に際して、国土交通省への手数料はかかりません。

ただし、以下の関連費用は別途発生します。

項目 費用
飛行許可申請(DIPS2.0) 無料
機体登録手数料(別手続き) 900円〜2,400円/機
紙の許可書の郵送 返信用封筒代(約1,000円)
行政書士への申請代行 2万〜5万円(相場)

機体登録は飛行許可とは別の手続きですが、飛行許可の前提条件として必要です。機体登録がまだの場合は先に済ませてください。

行政書士に依頼するメリットは、申請書類の不備による差し戻しを防げることと、複雑な飛行条件(目視外+夜間など)でも適切な安全対策をマニュアルに反映できることです。特に2025年12月の改正以降、民間資格による資料省略ができなくなったため、書類作成の負担が増えています。

行政書士への申請代行については「ドローン飛行許可の申請代行|費用相場と依頼の流れ」で詳しく解説しています。

審査期間の目安

条件 処理期間
標準的な審査 10開庁日(土日祝除く約2週間)
不備なし+標準マニュアル使用 数日〜1週間で完了する場合も
補正指示があった場合 修正後に審査再開、さらに数日〜

飛行開始予定日の少なくとも10開庁日前までに申請を完了させてください。初回申請の場合は約4週間の余裕を持って準備するのが安全です。

審査が遅れる主な原因は補正指示です。飛行マニュアルの安全対策が不十分な場合や、操縦者の飛行経歴の記載が不足している場合に差し戻されます。標準マニュアルを使用し、入力内容を提出前にダブルチェックすることで、補正指示のリスクを下げられます。

また、年度末(3月)や大型連休前は申請が集中するため、通常より審査に時間がかかる傾向があります。繁忙期は余裕を持った申請を心がけてください。

国家資格による申請の簡略化

二等無人航空機操縦士第二種機体認証を組み合わせることで、カテゴリーIIBの飛行(DID上空、夜間、目視外、30m未満)は許可申請自体が不要になります。

資格 効果
二等操縦士+第二種機体認証 カテゴリーIIBの飛行は申請不要
一等操縦士+第一種機体認証 カテゴリーIII(第三者上空)の飛行が可能
国家資格のみ(機体認証なし) 操縦者の技能資料の省略が可能

2025年12月の改正で民間資格による優遇が廃止されたため、国家資格の重要性が大幅に増しています。国家資格については「ドローン国家資格の種類と取得方法|一等・二等の違い」をご覧ください。

よくある質問

Q. 飛行許可と機体登録は別の手続き?

はい、まったく別の制度です。機体登録は100g以上の全ドローンに義務付けられた「所有者管理」の制度で、飛行許可は特定飛行を行うための「飛行承認」の制度です。機体登録が完了していないと飛行許可の申請はできません。機体登録については「ドローン機体登録のやり方|100g以上は義務」をご覧ください。

Q. 包括申請と個別申請の違いは?

包括申請は飛行の日時・場所を特定せず、最長1年間・日本全国を対象にまとめて許可を受ける方法です。業務目的で反復して飛行する場合に便利です。個別申請は特定の日時・場所に限定した申請です。詳しくは「ドローン包括申請とは?個別申請との違いと申請手順」をご覧ください。

Q. 飛行許可の有効期間は?

原則として最長1年間です。有効期間が切れたら更新または新規申請が必要です。包括申請の更新は満了日の約2ヶ月前から可能です。

Q. 許可を取れば好きな場所で飛ばせる?

いいえ。飛行許可を取得しても、飛行前にDIPS2.0で飛行計画の通報(航空法第132条の88)が必要です。また、空港周辺や緊急用務空域など、追加の制限がある空域もあります。飛行禁止区域については「ドローンの飛行禁止区域一覧|確認方法と許可の取り方」をご覧ください。

Q. 代理人が申請できる?

可能です。行政書士等の代理人がDIPS2.0で飛行許可申請を行うことができます。その場合、申請者本人のDIPS2.0アカウントで代理人が操作するか、行政書士が自身のアカウントから代理申請する方法があります。

まとめ

ドローンの飛行許可申請は、DIPS2.0から無料で行えます。

  • 許可が必要な飛行は9種類(飛行禁止空域3種+飛行方法6種)
  • 申請はDIPS2.0で完結、審査期間は約10開庁日
  • 2025年12月の改正で民間資格による優遇が廃止、国家資格の重要性が増大
  • 二等操縦士+機体認証があればカテゴリーIIBは申請不要

業務で継続的に飛行する場合は、個別申請より包括申請が便利です。詳しくは「ドローン包括申請とは?個別申請との違いと申請手順」をご覧ください。DIPS2.0の操作画面は2025年3月に大幅改修されているため、最新の操作手順は「DIPS2.0の2025年改修|変更点と新しい申請方法」で確認してください。

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