目次
この記事でわかること
ドローンの運用には、飛行の目的や方法によって複数の手続きが必要になります。「機体登録と飛行許可の両方が必要?」「FPVの場合は無線局免許もいる?」――こうした疑問を持つ方は多いです。
この記事では、ドローンに関わる全ての手続きの関係を整理し、それぞれの必要書類をチェックリスト形式でまとめます。
ドローンの手続き全体マップ
ドローンに関わる主な手続きは以下の5つです。
① 機体登録(100g以上は義務)
↓
② 飛行許可・承認申請(特定の飛行には必要)
↓
③ 国家資格の取得(一定の飛行に必要な場合あり)
↓
④ 無線局免許の取得(FPV等の場合)
↓
⑤ 飛行計画の通報(飛行前に必要)
全ての手続きが全員に必要なわけではありません。以下の判定フローで確認してください。
あなたに必要な手続きは?
判定フロー
ドローンの重量は100g以上か?
→ Yes → ①機体登録が必要
→ No → 機体登録は不要(航空法の規制対象外)
特定飛行(DID上空、夜間、目視外等)を行うか?
→ Yes → ②飛行許可申請が必要
→ No → 飛行許可は不要
レベル3.5やカテゴリーIII飛行を行うか?
→ Yes → ③国家資格(一等操縦士)が必要
→ No → 国家資格は任意
FPVゴーグルで映像を見ながら飛ばすか?(5.7/5.8GHz帯)
→ Yes → ④無線局免許が必要
→ No → 無線局免許は不要
手続き1: 機体登録
概要
100g以上のドローンは、航空法に基づく機体登録が義務付けられています。未登録で飛行した場合は50万円以下の罰金の対象です。
必要書類チェックリスト
| 書類・情報 | 内容 |
|---|---|
| 本人確認書類 | マイナンバーカード、運転免許証等 |
| 機体情報 | メーカー名、型式名、製造番号、重量 |
| 所有者情報 | 氏名、住所、連絡先 |
| リモートID対応の確認 | 内蔵型 or 外付け型 |
手順の概要
DIPS2.0(ドローン情報基盤システム)からオンラインで申請します。費用は1機あたり900円〜(オンライン・マイナンバーカードの場合)。
詳しい手順は「ドローン機体登録のやり方|100g以上は義務」をご覧ください。
手続き2: 飛行許可・承認申請
概要
以下の特定飛行を行う場合は、国土交通大臣の許可・承認が必要です。
| 許可が必要な飛行 | 承認が必要な飛行 |
|---|---|
| 空港等の周辺 | 夜間飛行 |
| 150m以上の高さ | 目視外飛行 |
| DID(人口集中地区)上空 | 人・物件から30m未満 |
| 緊急用務空域 | 催し場所の上空 |
| 危険物の輸送 | |
| 物件の投下 |
必要書類チェックリスト
| 書類・情報 | 内容 |
|---|---|
| 飛行許可申請書 | DIPS2.0で作成 |
| 機体登録番号 | 機体登録完了後に発行される番号 |
| 操縦者情報 | 飛行実績、保有資格 |
| 機体情報 | 使用する機体の型式・仕様 |
| 飛行計画の概要 | 飛行場所、日時、飛行方法 |
| 安全対策 | 補助者の配置等の安全確保方策 |
包括申請と個別申請
| 申請方法 | 特徴 |
|---|---|
| 包括申請 | 一定期間・一定範囲で反復する飛行をまとめて申請。有効期間は最長1年 |
| 個別申請 | 特定の日時・場所の飛行ごとに申請 |
詳しい手順は「ドローン飛行許可の申請方法|DIPS2.0での手順を解説」、包括申請は「ドローン包括申請とは?個別申請との違いと申請手順」をご覧ください。
手続き3: 国家資格の取得
概要
2022年12月に導入されたドローンの国家資格制度(無人航空機操縦者技能証明)は、一等と二等の2種類があります。
| 資格 | 対象となる飛行 |
|---|---|
| 一等操縦士 | カテゴリーIII飛行(レベル4飛行等) |
| 二等操縦士 | カテゴリーII飛行の一部で許可手続きが簡略化 |
国家資格は全員に必須ではありません。国家資格がなくても、飛行許可・承認の申請によって特定飛行を行うことが可能です。
詳しくは「ドローン国家資格の種類と取得方法|一等・二等の違い」をご覧ください。
手続き4: 無線局免許(FPVドローン等)
概要
FPVドローンで5.7GHz帯や5.8GHz帯の映像伝送装置(VTX)を使用する場合は、アマチュア無線局の免許(趣味目的の場合)が必要です。
必要書類チェックリスト
| 書類 | 内容 |
|---|---|
| 無線従事者免許証 | アマチュア無線4級以上 |
| 無線局免許申請書 | 電子申請Liteで作成 |
| 工事設計書 | VTXの周波数・出力等を記載 |
| 系統図 | VTXの系統図 |
| 保証認定書 | JARD or TSS の保証認定 |
手順の概要
- アマチュア無線4級の資格を取得する
- VTXの保証認定を受ける(JARD or TSS)
- 総合通信局に開局申請を提出する
- 免許交付後に運用開始
詳しくは「FPVドローンに必要な免許|アマチュア無線+開局申請ガイド」をご覧ください。
手続き5: 飛行計画の通報
概要
特定飛行を行う場合は、飛行前にDIPS2.0で飛行計画の通報を行う義務があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 通報のタイミング | 飛行開始前 |
| 通報方法 | DIPS2.0からオンラインで通報 |
| 記載内容 | 飛行日時、飛行場所、飛行高度、機体情報等 |
各手続きの費用一覧
| 手続き | 費用の目安 |
|---|---|
| 機体登録 | 900円〜/機(オンライン) |
| 飛行許可申請 | 無料 |
| 国家資格(二等) | 試験手数料 + 講習費用(スクールにより異なる) |
| 国家資格(一等) | 試験手数料 + 講習費用(スクールにより異なる) |
| アマチュア無線4級 | 国家試験 5,163円 or 養成課程 約2万円 |
| 無線局開局申請 | 電子申請 2,750円 |
| 保証認定(JARD) | 数千円〜 |
申請代行の費用は「ドローン飛行許可の申請代行|費用相場と依頼の流れ」をご覧ください。
よくある質問
Q. 全ての手続きを一度に済ませられる?
手続きはそれぞれ別の行政機関が管轄しているため、一度には済ませられません。ただし、機体登録と飛行許可は同じDIPS2.0から申請できます。
Q. 趣味のドローンでも手続きは必要?
100g以上のドローンであれば機体登録は必要です。飛行許可は、特定飛行に該当する場合のみ必要です。
Q. 行政書士にまとめて依頼できる?
依頼できます。機体登録・飛行許可・無線局免許をまとめて代行する行政書士事務所もあります。
まとめ
ドローンに関わる手続きは最大5種類あり、飛行の目的や方法によって必要な手続きが異なります。
- 機体登録: 100g以上は義務(DIPS2.0でオンライン申請)
- 飛行許可: 特定飛行を行う場合に必要(DIPS2.0で申請)
- 国家資格: カテゴリーIII飛行等で必要(全員必須ではない)
- 無線局免許: FPVドローン等で5.7/5.8GHz帯を使う場合
- 飛行計画通報: 特定飛行の前にDIPS2.0で通報
全手続きの電波法関連事項は「ドローン運用者の電波法チェックリスト」、機体登録と飛行許可の関係は「ドローンの機体登録と飛行許可の関係を整理」をご覧ください。