目次
この記事でわかること
アマチュア無線の開局に必要な手続きを時系列の全体フローとして整理しました。
「資格を取ったが次に何をすればいいかわからない」「開局申請の流れを全体的に把握したい」という方向けに、資格取得から運用開始までの各ステップを解説します。
開局までの全体フロー
アマチュア無線局を開局するまでの手順は大きく以下の流れになります。
| ステップ | 内容 | 期間の目安 |
|---|---|---|
| Step 1 | アマチュア無線技士の資格取得 | 試験合格まで1〜3か月 |
| Step 2 | 無線従事者免許証の申請・受領 | 申請から1〜2か月 |
| Step 3 | 使用する無線設備の準備 | 随時 |
| Step 4 | 保証認定(技適なし機器の場合) | 数週間〜1か月程度 |
| Step 5 | 開局申請(総合通信局へ) | 申請から1〜3週間 |
| Step 6 | 免許状の受領・運用開始 | 審査完了後すぐ |
各ステップの詳細を以下で解説します。
Step 1: アマチュア無線技士の資格を取得する
資格の種類
アマチュア無線を運用するには、アマチュア無線技士の無線従事者免許証が必要です。
| 資格 | 取得難易度 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 第4級 | 易しい | 最も入門的。試験は多肢選択式のみ |
| 第3級 | 普通 | 第4級より操作範囲が広がる |
| 第2級 | 難しい | 200W以下まで操作可能 |
| 第1級 | 最難関 | 出力制限なし。記述式試験あり |
一般的なアマチュア無線局の開局には第4級で十分です。FPVドローンの映像伝送に使う場合も第4級が対応しています。
試験の受験方法
アマチュア無線技士の試験は、公益財団法人 日本無線協会が実施しています。試験日程・会場・申請方法は日本無線協会のウェブサイトでご確認ください。
第4級の試験はCBT(コンピュータベース試験)でも受験可能で、全国のテストセンターで随時受験できます。
養成課程講習会
試験を受験せずに資格を取得したい方は、養成課程講習会(JARD等が実施)を受講する方法もあります。講習を受講して終了試験に合格すると、アマチュア無線技士の国家試験を受験せずに資格を取得できます。
第4級の取得方法については「アマチュア無線4級の取得方法|試験・講習の選び方」、第3級については「アマチュア無線3級の取得方法と試験範囲」をご覧ください。
Step 2: 無線従事者免許証を申請する
申請のタイミング
試験に合格した、または養成課程を修了した後、無線従事者免許証の交付申請を行います。免許証がなければ開局申請に進めないため、忘れずに手続きをしてください。
申請方法
無線従事者免許証の申請は、郵送または総合通信局の窓口で行います。電子申請には対応していません(2026年3月現在)。
必要書類は以下のとおりです。
- 無線従事者免許申請書
- 試験合格証明書または養成課程修了証明書
- 住民票(本籍地が記載されたもの)
- 写真(縦3cm×横2.4cm)
申請後、1〜2か月程度でカード形式の免許証が郵送されます。
Step 3: 使用する無線設備を準備する
無線機の選定
開局申請を行うには、使用する無線設備(無線機・VTX等)を決めておく必要があります。申請書に無線機の情報(技適番号等)を記載するためです。
無線設備の技適の有無によって、次のStep 4の手続きが変わります。
| 無線機の状態 | 次のステップ |
|---|---|
| 技適マーク付きの国内販売機 | Step 4(保証認定)をスキップしてStep 5へ |
| 技適マークなし(海外製VTX、自作機等) | Step 4の保証認定が必要 |
機器の技適確認
機器の技適マークと技適番号を確認してください。技適番号は総務省の技適検索システムで照会できます。
Step 4: 保証認定を受ける(技適なし機器の場合のみ)
保証認定とは
技適を取得していない無線設備(FPVドローンの海外製VTX等)を使用する場合、JARD(日本アマチュア無線振興協会)またはTSS(東洋信号通信社)で保証認定を受ける必要があります。
保証認定は、使用する無線設備が電波法の技術基準に適合していることを第三者機関が確認・保証する制度です。
保証認定の申請に必要な書類
- 保証願書
- 無線局の工事設計書
- 無線設備の系統図(ブロックダイアグラム)
- 無線設備の仕様書
保証認定の費用は申請する機関(JARDまたはTSS)によって異なります。最新の料金は各機関のウェブサイトでご確認ください。
保証認定が完了すると保証書が発行されます。この保証書をStep 5の開局申請時に添付します。
Step 5: 総合通信局に開局申請を行う
申請方法
開局申請は、電子申請Liteを使ったオンライン申請または書面申請で行います。電子申請のほうが手数料が安く、審査も早い傾向があります。
電子申請Liteでの開局申請の手順については「アマチュア無線の開局申請|電子申請での手順を解説」をご覧ください。
申請書に記載する主な内容
- 申請者の氏名・住所
- 無線従事者免許証の番号
- 使用する電波の型式・周波数・空中線電力
- 無線設備の工事設計書の内容(技適番号または保証書番号)
- 無線局の設置場所(常置場所の住所)
申請手数料
申請手数料は電子申請と書面申請で異なります。最新の手数料は総務省公式サイトでご確認ください。
電子申請のほうが安くなっており、電子申請を推奨します。
Step 6: 審査・免許状の受領
審査期間
申請後、管轄の総合通信局が書類を審査します。審査期間の目安は1〜3週間(電子申請の場合)です。年度末など繁忙期はさらに長くなることがあります。
デジタル免許状の受領
2025年10月から、アマチュア無線局の免許状はデジタル免許状として電子的に交付されるようになりました。
審査が完了すると電子申請Liteのシステム上で免許状が発行され、すぐにダウンロードできます。従来の紙の免許状の郵送待ちは不要になりました。
運用開始
免許状が発行された日から無線局の運用を開始できます。コールサインは審査完了と同時に付与されます。
免許状に記載された内容(コールサイン・使用できる周波数・出力・運用時間等)の範囲内で運用してください。
開局後の主な手続き
開局後も、以下のような手続きが発生する場合があります。
| 手続き | 必要なタイミング |
|---|---|
| 変更申請 | 無線設備を追加・変更するとき |
| 再免許申請 | 免許の有効期限(5年)が近づいたとき |
| 廃止届 | 無線局を廃止するとき |
変更申請の手続きは「アマチュア無線の変更申請手続き|設備・周波数の変更方法」、再免許の手続きは「アマチュア無線の再免許申請|手順と費用を解説」をご覧ください。
よくある質問
Q. 資格取得から開局まで最短でどのくらいかかる?
技適マーク付きの無線機を使用する場合、最短で2〜3か月程度です(試験合格後、無線従事者免許証の受領に1〜2か月+開局申請の審査に1〜3週間)。保証認定が必要な場合はさらに期間がかかります。
Q. 開局申請の前に無線機を購入する必要がある?
先に購入しておく必要があります。 開局申請書には使用する無線設備の技適番号を記載するため、機器が決まっていないと申請できません。
Q. 家族の共用アンテナでアマチュア無線を開局できる?
アマチュア無線局は個人(または社団)に免許が付与されます。家族であってもそれぞれが免許人となる必要があります。ただし、アンテナ設備(タワー等)を共用することは問題ありません。
Q. 電子申請Liteはスマートフォンから使える?
電子申請Liteはパソコンでの利用が基本です。スマートフォンからはアクセスできない機能もあるため、パソコンからの操作を推奨します。
まとめ
アマチュア無線の開局は、資格取得から運用開始まで以下の6ステップで進めます。
- アマチュア無線技士の資格取得(第4級が入門に最適)
- 無線従事者免許証の申請・受領(申請から1〜2か月)
- 使用する無線設備の準備(技適マーク付きが手続き不要で簡単)
- 保証認定(技適なし機器の場合のみ必要)
- 電子申請Liteで開局申請(電子申請が手数料安く審査も早い)
- デジタル免許状の受領・運用開始(審査完了後すぐにダウンロード可能)
手続きの途中で不明な点があれば、総合通信局または行政書士にご相談ください。