目次
この記事でわかること
ドローンを飛行させるには機体登録と飛行許可・承認の2つの手続きが関わってきます。しかし、この2つは別々の制度であり、それぞれの目的や手続きの流れが異なります。
この記事では、機体登録と飛行許可の違い、どちらを先に行うべきか、両方必要なケースと片方だけでよいケースについて整理してお伝えします。
機体登録と飛行許可は別の手続き
機体登録とは
機体登録は、100g以上のドローンの所有者情報を国に届け出る手続きです。自動車のナンバープレートに相当する仕組みで、登録すると登録記号が付与されます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 根拠法 | 航空法第132条の2 |
| 対象 | 100g以上の全ての無人航空機 |
| 目的 | 所有者情報の把握、安全性の確保 |
| 手続き先 | DIPS2.0 |
| 有効期間 | 3年間 |
飛行許可・承認とは
飛行許可・承認は、航空法で定められた特定の空域や飛行方法でドローンを飛行させるために必要な手続きです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 根拠法 | 航空法第132条の85、第132条の86 |
| 対象 | 特定の飛行空域・飛行方法に該当する場合 |
| 目的 | 飛行の安全確保 |
| 手続き先 | DIPS2.0 |
| 有効期間 | 最長1年間(包括申請の場合) |
2つの手続きの関係
機体登録と飛行許可の関係を簡単に整理すると以下のようになります。
- 機体登録: ドローンを所有するために必要(飛行の有無に関係なく必要)
- 飛行許可: 特定の条件で飛行するために必要(飛行の空域・方法による)
つまり、機体登録は全てのドローン所有者に共通の義務であり、飛行許可は飛行内容に応じて必要になる手続きです。
どちらが先か
機体登録が先
結論から言えば、機体登録が先です。飛行許可申請を行う際には登録記号の記載が必要であり、機体登録が完了していなければ飛行許可の申請ができません。
手続きの順序は以下のとおりです。
- 機体登録を行い、登録記号を取得する
- 登録記号を機体に表示し、リモートIDを設定する
- 必要に応じて飛行許可・承認を申請する
- 許可・承認を受けた後、飛行を開始する
機体登録なしで飛行許可申請はできない
DIPS2.0で飛行許可申請を行う際、登録済み機体の中から使用する機体を選択する画面があります。機体登録が完了していなければ選択する機体がないため、申請を進めることができません。
飛行許可申請の詳細は飛行許可申請の方法の記事で解説しています。
両方必要なケース
以下のような場合は、機体登録と飛行許可の両方が必要です。実務上、ほとんどのケースがこちらに該当します。
特定飛行に該当する場合
航空法で定められた特定飛行に該当する飛行を行う場合は、機体登録に加えて飛行許可・承認が必要です。
特定飛行には以下の種類があります。
空域に関する制限(飛行許可が必要):
- 空港等の周辺の空域での飛行
- 150m以上の高度での飛行
- 人口集中地区(DID地区)の上空での飛行
- 緊急用務空域での飛行
飛行方法に関する制限(飛行承認が必要):
- 夜間飛行
- 目視外飛行
- 人又は物件から30m未満の距離での飛行
- 催し場所の上空での飛行
- 危険物の輸送
- 物件投下
これらのいずれかに該当する場合は、機体登録と飛行許可(または承認)の両方の手続きを完了させる必要があります。
具体例
| 飛行内容 | 機体登録 | 飛行許可 |
|---|---|---|
| DID地区で空撮 | 必要 | 必要 |
| 夜間に点検飛行 | 必要 | 必要 |
| 目視外で測量 | 必要 | 必要 |
| 農薬散布(物件投下) | 必要 | 必要 |
| 150m以上の高度で飛行 | 必要 | 必要 |
機体登録だけでよいケース
以下の全ての条件を満たす場合は、機体登録のみで飛行許可は不要です。
- 空港周辺や150m以上の上空、DID地区以外で飛行する
- 日中に飛行する
- 目視内で飛行する
- 人や物件から30m以上離れて飛行する
- 催し場所の上空ではない
- 危険物を輸送しない
- 物件を投下しない
つまり、航空法で定められた特定飛行に一切該当しない飛行であれば、機体登録のみで飛行できます。
具体的には、人口集中地区以外の広い場所で、日中に、目視の範囲内で、人や物件から十分離れて飛行する場合が該当します。
ただし、特定飛行に該当しない場合でも、航空法で定められた飛行のルール(飲酒時の飛行禁止、飛行前確認など)は遵守する必要があります。
飛行許可だけでよいケースはあるのか
ありません。飛行許可を取得するには機体登録が前提であり、機体登録なしで飛行許可だけを取得することはできません。
100g以上のドローンを飛行させる場合、機体登録は常に必要です。
よくある質問
機体登録と飛行許可は同時に申請できるか
DIPS2.0では、機体登録と飛行許可申請は別々の手続きとして行います。同時に申請することはできないため、まず機体登録を完了させてから飛行許可申請を行ってください。
機体登録の有効期間と飛行許可の有効期間は同じか
異なります。機体登録は3年間、飛行許可は最長1年間です。飛行許可は機体登録よりも先に有効期間が終了するため、飛行許可の更新を忘れないようにしてください。
包括申請をしていれば機体追加時に飛行許可は不要か
いいえ、必要です。包括申請で飛行許可を取得している場合でも、新しい機体を追加する際は機体登録を行い、さらに包括申請に機体を追加する変更手続きが必要です。
国家資格を持っていれば飛行許可は不要か
一等または二等無人航空機操縦士の資格を持ち、かつ機体認証を受けた機体を使用する場合は、一部の飛行について飛行許可が不要になります。ただし、全ての飛行が免除されるわけではなく、空港周辺や150m以上の上空での飛行は引き続き許可が必要です。
機体登録の具体的な手順についてはドローン機体登録のやり方の記事で詳しく解説しています。
まとめ
ドローンの機体登録と飛行許可の関係を整理しました。
- 機体登録と飛行許可は別々の手続きであり、目的が異なる
- 手続きの順序は機体登録が先、飛行許可が後
- 特定飛行に該当する場合は機体登録と飛行許可の両方が必要
- 特定飛行に該当しない場合は機体登録のみで飛行できる
- 機体登録なしで飛行許可だけを取得することはできない
- 機体登録は3年間、飛行許可は最長1年間で有効期間が異なる
2つの手続きの関係を正しく理解し、抜け漏れなく対応しましょう。