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この記事でわかること
CineWhoop(シネフープ)は、プロペラガードを備えた小型FPVドローンで、屋内や人物の近くでの映像撮影に適しています。しかし、FPVの映像伝送には5.8GHz帯の電波を使用するため、アマチュア無線の免許と無線局の開局申請が必要です。この記事では、CineWhoopを合法的に使用するための手続きを解説します。
CineWhoopとは
一般的なFPVドローンとの違い
CineWhoopは、FPVドローンの一種ですが、以下の特徴があります。
| 項目 | CineWhoop | 一般的なFPVレーサー |
|---|---|---|
| プロペラガード | あり(ダクト型) | なし |
| サイズ | 2.5〜3.5インチ | 5インチ以上 |
| 用途 | 映像制作 | レース・フリースタイル |
| 飛行速度 | 低速〜中速 | 高速 |
| カメラ | GoPro等のアクションカメラ搭載 | 搭載しないことも多い |
プロペラガードがあるため、室内や人物の近くでも比較的安全に飛行でき、映像制作の現場で需要が高まっています。
CineWhoopでもFPVの電波法手続きは必要
CineWhoopは機体が小型でも、映像伝送用のVTX(映像送信機)が搭載されています。VTXは5.8GHz帯の電波を発射するため、電波法に基づく手続きが必要です。
何人も、総務大臣の免許を受けなければ、無線局を開設してはならない。
― 電波法 第4条
必要な手続きの全体像
CineWhoopでFPV映像伝送を行うための手続きは、以下の流れです。
- アマチュア無線の資格を取得する(第4級以上)
- VTXの系統図を準備する
- 保証認定を受ける(JARDに申請)
- 無線局の開局申請を行う(総務省に申請)
- 免許状を受領して運用を開始する
FPVドローンの手続きの全体像は「FPVドローンの始め方」でも解説しています。
Step 1: アマチュア無線の資格取得
CineWhoopの映像伝送をアマチュア無線として運用する場合、第4級アマチュア無線技士以上の資格が必要です。
取得方法
- 国家試験: 日本無線協会が実施するCBT試験
- 養成課程講習会: JARDまたは各団体が実施する講習会
第4級の取得方法の詳細は「アマチュア無線4級の取得方法」をご覧ください。FPVドローンのための4級取得ガイドは「FPVドローンのためのアマチュア無線4級取得ガイド」で解説しています。
Step 2: VTXの系統図を準備する
系統図とは
系統図は、VTXの技術的な仕様を図にしたものです。保証認定の申請と開局申請に必要な書類です。
CineWhoopのVTXの特徴
CineWhoopで使われるVTXは、一般的なFPVドローンと同じものが多く使用されます。
確認すべき項目:
- 送信出力: 25mW〜600mWの切替式が多い(アマチュア無線での運用では技術基準に適合する出力で使用)
- 周波数帯: 5.8GHz帯
- チャンネル数: 40ch〜72ch程度
系統図の作成
系統図には以下の情報を記載します。
- VTXの型番・メーカー
- 送信周波数の範囲
- 空中線電力
- 変調方式
- アンテナの型式
- 電源の仕様
系統図の書き方は「FPVドローンVTXの系統図の書き方」で詳しく解説しています。
Step 3: 保証認定を受ける
保証認定が必要な理由
CineWhoopに搭載されるVTXの多くは海外製で、日本の技適(技術基準適合証明)を取得していません。技適のない無線設備を使用するには、保証認定を受けて技術基準に適合していることを確認する必要があります。
JARDへの申請
保証認定はJARD(日本アマチュア無線振興協会)に申請します。
申請に必要なもの:
- 保証認定申請書
- VTXの系統図
- VTXのスペックシート(メーカーの資料)
保証認定の手続きは「JARD保証認定とは」で解説しています。
Step 4: 無線局の開局申請
保証認定を受けたら、総務省に無線局免許申請を行います。
申請方法
- 電子申請: 総務省の電波利用電子申請・届出システムから申請
- 書面申請: 管轄の総合通信局に郵送または窓口で申請
申請書に記載する主な項目
- 無線局の種別: アマチュア局
- 移動範囲: 陸上・海上・上空(ドローンの場合は「陸上」が一般的)
- 電波の型式・周波数・空中線電力: 系統図に基づいて記載
- 保証認定番号: JARDから交付された番号
5.8GHz帯の開局申請の詳細は「FPVドローン5.8GHz帯の開局申請」をご覧ください。
業務利用の場合の注意
アマチュア無線は「金銭上の利益」が目的の通信に使えない
重要な注意点として、アマチュア無線は電波法で「金銭上の利益のためでなく」使用するものと定められています。
アマチュア業務とは、金銭上の利益のためでなく、もつぱら個人的な無線技術の興味によつて行う(中略)無線通信業務をいう。
― 電波法施行規則 第3条第1項第15号
つまり、CineWhoopで撮影した映像を商業目的で使用する場合(映像制作の仕事、広告撮影等)、アマチュア無線としての開局では対応できません。
業務利用する場合
映像制作を業務として行う場合は、以下の選択肢があります。
- 5.7GHz帯の無線局免許: 業務用として免許を取得する
- 2.4GHz帯のデジタルFPVシステム: 技適を取得した製品であれば免許不要で使用可能
業務利用の詳細は「FPVドローンを業務利用する場合の無線局免許」で解説しています。
機体の追加・VTX交換時の手続き
機体を追加する場合
CineWhoopを追加で購入し、新しいVTXを使う場合は、無線局の変更申請が必要です。新しいVTXの系統図を作成し、保証認定を受けた上で変更申請を行います。
VTXを交換する場合
既存のCineWhoopのVTXを別の製品に交換する場合も、同様に変更申請が必要です。
VTX交換時の手続きは「FPVドローンの無線局変更申請」をご覧ください。
機体を手放す場合
CineWhoopを譲渡・廃棄する場合で、そのVTXに対応する無線局を運用しなくなるときは、廃止届を提出します。
廃止届の手続きは「FPVドローンの無線局廃止届」をご覧ください。
まとめ
CineWhoopは映像制作に優れたFPVドローンですが、電波法上の手続きは一般的なFPVドローンと同じです。アマチュア無線資格の取得 → 系統図作成 → 保証認定 → 開局申請の順に進めてください。業務利用の場合はアマチュア無線では対応できないため、別の周波数帯や免許形態を検討する必要があります。