目次
この記事でわかること
ドローンの機体登録が完了すると、登録記号(JUから始まる識別番号)が付与されます。この登録記号は機体の外部に表示する義務があり、表示の方法にもルールが定められています。
この記事では、登録記号の表示義務の根拠、文字サイズの基準、表示位置、表示方法と耐久性の要件、具体的な表示の仕方について解説します。
登録記号の表示義務
法的根拠
登録記号の表示義務は、航空法第132条の7に定められています。機体登録を受けた無人航空機には、登録記号を外部から確認できるように表示しなければなりません。
表示を怠った状態で飛行した場合、航空法違反となり罰則の対象になる可能性があります。
登録記号とは
登録記号は、機体登録が完了するとDIPS2.0から付与される固有の識別番号です。形式は以下のとおりです。
- JUで始まる英数字の組み合わせ(例:JU1234567890)
- 1つの機体に1つの登録記号が紐づく
- 登録記号は機体の登録が有効な間、変更されない
機体登録の手順についてはドローン機体登録のやり方の記事で解説しています。
文字サイズの基準
25kg未満の機体
最大離陸重量が25kg未満のドローンの場合、登録記号の文字の高さは3mm以上です。
一般的なホビー用や産業用の小型〜中型ドローン(DJI Mavicシリーズ、Phantomシリーズなど)はほとんどが25kg未満に該当します。
25kg以上の機体
最大離陸重量が25kg以上のドローンの場合、登録記号の文字の高さは25mm以上です。
農薬散布用の大型ドローンや産業用の大型機がこちらに該当します。
| 最大離陸重量 | 文字の高さ |
|---|---|
| 25kg未満 | 3mm以上 |
| 25kg以上 | 25mm以上 |
25kg以上の機体は文字サイズが大きいため、表示スペースの確保にも注意が必要です。
表示位置のルール
外部から容易に確認できる場所
登録記号は、機体の外部から容易に確認できる場所に表示する必要があります。具体的には以下の場所が推奨されます。
- 機体の上面: ドローンを上から見た際に確認しやすい位置
- 機体の側面: 横から見た際に確認できる位置
- バッテリーコンパートメントの蓋: 開けずに確認できる外側
表示位置の注意点
以下の場所に表示するのは避けてください。
- バッテリーの着脱で隠れる位置: バッテリーを装着すると見えなくなる場所は不適切
- プロペラで隠れる位置: プロペラの回転域で隠れる場所は不適切
- 汚れやすい底面のみ: 着陸時に泥や砂で見えなくなる場所だけでは不十分
複数の位置に表示することは禁止されていないため、確認しやすい場所に複数表示しておくと安心です。
取り外し可能なパーツへの表示
プロペラガードなど取り外し可能なパーツにのみ表示するのは適切ではありません。パーツを外した状態でも登録記号が確認できるよう、機体本体に表示する必要があります。
表示方法と耐久性の要件
求められる耐久性
登録記号の表示には、以下の耐久性が求められます。
- 容易に消えないこと: 飛行中の振動や風圧で消えない方法
- 判読可能であること: 文字がにじんだり剥がれたりせず読み取れる状態を維持する
- 屋外使用に耐えること: 雨、紫外線、温度変化に対する耐性
具体的な表示方法
登録記号の表示には、以下の方法が一般的に用いられています。
テプラ(ラベルライター)による表示
最も手軽な方法です。テプラで登録記号を印字したラベルを機体に貼り付けます。
- 利点:手軽に作成でき、文字サイズの調整が容易
- 注意点:屋外用の耐候性ラベルを使用する。通常のラベルは紫外線や水で劣化しやすい
油性マーカーによる手書き
油性マーカーで機体に直接書き込む方法です。
- 利点:追加の道具がほとんど不要
- 注意点:文字の大きさを均一にする必要がある。色が薄くなりやすいため定期的に確認する
シールやステッカーの作成
印刷業者やオンラインサービスで登録記号のステッカーを作成する方法です。
- 利点:見た目がきれいで耐久性の高い素材を選べる
- 注意点:作成にコストと時間がかかる
刻印・彫刻
機体の外装に直接刻印する方法です。金属フレームの機体に適しています。
- 利点:最も耐久性が高い
- 注意点:機体の素材によっては適用できない。元に戻せない
文字の色と背景のコントラスト
登録記号は判読可能であることが求められるため、文字の色と背景のコントラストにも注意が必要です。
- 白い機体には黒い文字
- 黒い機体には白い文字
- 背景と同系色の文字は避ける
登録記号の表示を忘れた場合
罰則
登録記号を表示せずに飛行させた場合、航空法違反となります。登録記号の表示義務違反は、機体登録自体をしていない場合とは異なる条文ですが、いずれにしても法令違反です。
確認のタイミング
以下のタイミングで、登録記号の表示状態を確認することをおすすめします。
- 飛行前点検時: 毎回の飛行前に表示の状態を確認する
- 洗浄後: 機体を洗浄した後にラベルが剥がれていないか確認する
- 衝突や墜落後: 外装の損傷とともに表示が消えていないか確認する
- 定期点検時: 文字が褪色していないか定期的に確認する
登録記号の付番ルールについては機体登録番号の仕組みの記事でも解説しています。
登録記号の表示に関するよくある質問
表示は1か所で十分か
法令上は1か所に表示されていれば要件を満たします。ただし、摩耗や剥がれに備えて複数の場所に表示しておくと安心です。
バッテリーに表示してもよいか
バッテリーは交換可能な部品であり、バッテリーにのみ表示するのは不適切です。機体本体に表示してください。バッテリーへの追加表示は問題ありません。
登録記号が変わることはあるか
通常、登録記号は登録が有効な間は変更されません。ただし、登録を一度抹消して再登録した場合は、新しい登録記号が付与されます。更新(有効期間の延長)の場合は、同じ登録記号が継続されます。
複数の機体に同じ登録記号を使えるか
使えません。1つの登録記号は1つの機体にのみ紐づきます。複数の機体を所有している場合は、機体ごとに異なる登録記号が付与されます。
まとめ
ドローンの登録記号の表示義務について整理しました。
- 登録記号の表示は航空法で定められた義務
- 文字サイズは25kg未満で3mm以上、25kg以上で25mm以上
- 外部から容易に確認できる場所に表示する
- 容易に消えない方法で表示し、耐久性を確保する
- テプラ、油性マーカー、ステッカー、刻印などの方法がある
- 飛行前点検で表示状態を定期的に確認することが重要
登録記号の表示は手軽に行える作業ですが、忘れると法令違反になります。機体登録が完了したら、速やかに表示を行いましょう。