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無線機のレンタルと免許の関係|短期利用の注意点

この記事でわかること

無線機をレンタルして使いたい場合、「自分で免許を取らなくていいのか」「どの無線機がレンタルできるのか」という疑問を持つ方は多くいます。

この記事では、電波法上の免許制度とレンタルの関係、登録局と免許局でレンタル可否が異なる理由、短期利用時に注意すべき点を解説します。

無線機のレンタルと電波法の基本

無線局の免許制度

電波法では、無線局を開設するには原則として総務大臣の免許が必要と定めています。

何人も、総務大臣の免許を受けなければ、無線局を開設してはならない。

― 電波法 第4条

「無線局の開設」とは、無線設備を設置して電波を発射できる状態にすることを指します。無線機を使用する(電波を発射する)行為は、原則として免許人自身または免許の効力が及ぶ者に限られます。

電波法の基本については「電波法とは?無線局の免許制度の概要」をご覧ください。

登録局と免許局でレンタル可否が異なる理由

デジタル簡易無線には免許局(3B)登録局(3R)があり、レンタルの可否が異なります。

区分 レンタル 理由
免許局(3B) 不可 免許は特定の免許人に対して与えられ、第三者への貸し出しは免許の効力の範囲外となる
登録局(3R) 可能 登録制度は無線設備の特性に着目した制度であり、第三者への使用提供が認められている

登録局のレンタルが可能な根拠

登録局制度(電波法第27条の18以降)は、免許局の免許制度と異なり、特定の人物ではなく無線設備の技術基準適合性を基礎とした制度です。

このため、登録を受けた者(レンタル業者等)が包括登録を行い、その登録局に該当する無線機を第三者に貸し出すことが認められています。

登録を受けた者は、登録に係る無線局を開設しようとするときは、開設届出書を提出しなければならない。

― 電波法 第27条の21(趣旨)

登録局の制度全体については「デジタル簡易無線の登録申請|オンライン手順ガイド」をご覧ください。

免許局がレンタルできない理由

免許局の免許は、特定の免許人に対して付与されます。電波法上、免許人以外の者が当該無線局を運用することは原則として認められません。

仮に免許局の無線機を第三者に貸し出した場合、貸出先が免許なしに無線局を運用することになり、電波法第4条違反(不法無線局の開設)となります。

このため、業務用デジタル簡易無線のレンタルサービスは登録局対応機種のみを対象としています。

レンタル利用時の手続き

利用者側の手続き

レンタル業者が包括登録を済ませている場合、利用者側での届出は原則不要です。

ただし、以下の点を確認してください。

確認事項 内容
無線機の区分 登録局対応機種かどうか
業者側の包括登録の有無 業者が包括登録を完了しているか
利用者の追加届出の要否 業者によって手続きの範囲が異なる場合がある
使用目的の確認 業務用通信(簡易な業務用通信)の範囲内であること

レンタル業者側の責任

レンタル業者は、適法な無線機(技適マーク付き・登録局)を提供する責任があります。利用者は業者が提供した無線機を、定められた用途・チャンネルの範囲内で使用してください。

短期利用時の注意点

使用目的の制限

デジタル簡易無線(登録局・免許局ともに)は簡易な業務用通信が用途です。個人的な趣味通信や法令で定められた以外の目的での使用は、電波法違反となります。

返却後の使用は不可

レンタル期間終了後は使用を停止してください。返却前に無断で延長使用することは、使用期間外の電波発射として問題になる可能性があります。

電波の不適切な使用

無線機を使用する際は以下を守ってください。

  • 免許局の無線機を無断使用しない(重大な電波法違反)
  • 指定されたチャンネルの範囲内で使用する
  • 他の通信を故意に妨害しない(電波法第56条)

無線局は、他の無線局にその運用を妨害するような混信その他の妨害を与えないように運用しなければならない。

― 電波法 第56条

免許不要の無線機のレンタル

特定小電力無線機やIP無線(携帯電話回線を使用するもの)は、そもそも電波法上の免許が不要です。これらの無線機はレンタル・購入・借用に際して電波法上の免許手続きは不要ですが、使用目的や動作の適法性は確認が必要です。

免許不要の無線機 特徴
特定小電力無線機 技適マーク付き機種のみ。出力が低く通信距離短い
IP無線(携帯回線) 携帯エリア全域対応。月額通信費あり

デジタル簡易無線の購入か、レンタルかの判断基準

短期利用(数日〜1か月程度)ならレンタルが経済的ですが、継続的に使用するなら購入のほうがランニングコストを抑えられます。

判断基準 購入 レンタル
使用頻度 継続的・頻繁 スポット・短期
台数の変動 固定台数 増減が多い
初期費用 高い 低い
管理の手間 自社管理 業者に委ねられる
手続き 申請が必要 業者が手続き済みの場合は不要

まとめ

無線機のレンタルと免許の関係をまとめます。

  • 免許局の無線機はレンタル不可: 免許人以外の使用は電波法違反
  • 登録局の無線機はレンタル可能: 登録制度の性格上、第三者への貸し出しが認められている
  • レンタル業者が包括登録済みであれば利用者側の手続きは原則不要
  • 使用目的は簡易な業務用通信に限られる
  • レンタル期間終了後は使用を停止する

デジタル簡易無線の費用については「デジタル簡易無線の費用一覧|登録料・電波利用料」、イベントでの無線機活用は「イベント会場での無線機利用ガイド」をご覧ください。

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