この記事でわかること
ドローンを自作した場合や、市販の機体を改造した場合でも、100g以上であれば機体登録は義務です。しかし、製造者番号やメーカー名がないため、市販機とは登録手順が一部異なります。
この記事では、自作ドローンの機体登録方法、改造機体の扱い、FPV自作機の登録で注意すべきポイント、登録時によくある疑問をまとめて解説します。
自作ドローンも機体登録が必要
航空法の機体登録制度は、100g以上の全ての無人航空機を対象としています。市販品だけでなく、自作したドローンやフレームキットを組み立てた機体も、100g以上であれば登録が必要です。
登録が必要な自作機の例
- フレームキットにモーター・ESC・フライトコントローラーを組み込んで製作した機体
- FPVレース用に自作した5インチ機
- 3Dプリンターで製作したフレームを使った機体
- ArduPilotやBetaflightなどのオープンソースファームウェアで制御する機体
- 市販の機体をベースに大幅な改造を施した機体
100g未満の自作機
100g未満の自作機は機体登録の対象外です。ただし、バッテリーを含めた総重量で判断するため、飛行状態での重量が100g以上になる場合は登録が必要です。
自作ドローンの機体登録手順
自作ドローンの登録は、基本的にDIPS2.0での操作手順は市販機と同じですが、機体情報の入力内容が異なります。
Step 1: DIPS2.0にログイン
DIPS2.0にアクセスし、アカウントでログインします。アカウントがない場合は新規作成します。
Step 2: 新規登録を開始
「無人航空機の登録手続き」から「新規登録」を選択します。
Step 3: 機体情報を入力
自作機の場合、以下のように入力します。
| 入力項目 | 市販機の場合 | 自作機の場合 |
|---|---|---|
| 製造者名 | DJI、Autel等のメーカー名 | 「自作」と入力 |
| 型式名 | Mavic 3等の製品名 | 任意の名称を入力(例: 「自作5インチ機」) |
| 製造番号 | メーカーのシリアルナンバー | 自分で設定した識別番号 |
| 機体の種類 | 該当するものを選択 | 該当するものを選択 |
| 重量 | カタログ値 | 実測値(バッテリー込み) |
製造番号の設定方法
自作機にはメーカーが付与した製造番号がないため、自分で識別番号を設定します。設定のポイントは以下の通りです。
- 他の機体と重複しない番号にする
- 英数字で管理しやすい形式にする(例: JISAKU-001、FPV-2026-01)
- 一度設定した番号は変更しないことが望ましい
Step 4: 機体の写真をアップロード
DIPS2.0では機体の写真のアップロードが求められます。自作機の場合は以下の写真を用意します。
- 機体の全体写真(上面から撮影したもの)
- 機体の側面写真
- 必要に応じて改造箇所がわかる写真
写真は鮮明なものを用意し、機体の大きさがわかるように定規やスケールを添えて撮影すると審査がスムーズに進みます。
Step 5: 本人確認と手数料の支払い
市販機の登録と同じく、本人確認と手数料の支払いを行います。手数料は市販機と同額です。
Step 6: 登録記号の表示とリモートIDの設定
登録記号が付与されたら、機体の見やすい位置に表示します。自作機は表示スペースが限られる場合があるため、ラベルシールの位置を事前に検討しておきましょう。
機体登録の基本的な流れはドローン機体登録のやり方の記事で画面つきで解説しています。
改造機体の扱い
市販のドローンを改造した場合、改造の程度によって機体登録への影響が異なります。
登録の変更が不要な改造
以下の軽微な改造は、機体登録の変更手続きが不要です。
- プロペラガードの取り付け・取り外し
- カメラやジンバルの交換(重量がほぼ変わらない場合)
- プロペラの交換(同一規格のもの)
- ステッカーや塗装の変更
登録の変更が必要な改造
以下の改造を行った場合は、機体登録の変更届出が必要です。
- 機体の重量が大幅に変化する改造(バッテリーの大型化、ペイロードの追加など)
- モーターやフレームの変更により機体の基本性能が変わった場合
- 機体の種類が変わる改造(マルチコプターを固定翼に改造するなど)
改造の程度と再登録
改造の程度が大きく、もはや元の機体と同一とは言えないレベルの改造を行った場合は、既存の登録を抹消して新規に自作機として登録し直す必要があります。判断に迷う場合は、DIPS2.0のヘルプデスクに相談してください。
FPV自作機の登録
FPV(First Person View)ドローンの自作は、レース用途や空撮用途で人気があります。FPV自作機の登録には、一般的な自作機の登録に加えて電波法上の手続きも必要になります。
FPV自作機に必要な手続き
FPV自作機で飛行するには、以下の手続きが全て必要です。
- 機体登録(航空法 – この記事で解説)
- アマチュア無線技士の資格取得(電波法)
- 無線局の開局申請(電波法)
- 飛行許可・承認の取得(航空法)
FPVドローンの電波関連手続きについてはFPVドローンに必要な免許の記事で詳しく解説しています。
VTXの技適について
FPV自作機に搭載するVTX(映像送信機)は、技適マークのない海外製品を使用する場合が多く、そのままでは国内で使用できません。アマチュア無線局として開局し、保証認定を受けることで合法的に使用できるようになります。
登録時のVTX情報
機体登録自体にはVTXの情報を入力する必要はありません。VTXに関する手続きは電波法上の無線局開局申請で別途対応します。機体登録とVTXの開局申請は、それぞれ別の手続きとして並行して進めることができます。
自作機登録でよくあるトラブル
重量の申告と実測のずれ
自作機は市販機と違い、組み立てのたびにパーツが変わることがあります。登録時の重量と実際の飛行重量が大きく異なると問題になるため、登録前に正確に計量しましょう。
写真のアップロードエラー
自作機の写真が審査基準を満たさない場合、差し戻しになることがあります。以下の点に注意して撮影してください。
- 明るい場所で撮影する(暗い写真はNG)
- 背景をシンプルにする(散らかった机の上はNG)
- 機体の全体が写るアングルで撮影する
- ファイルサイズが上限を超えないよう確認する
複数の自作機の管理
複数の自作機を所有する場合、製造番号の付け方を統一しておくと管理が楽になります。「JISAKU-001」「JISAKU-002」のように連番で管理し、どの機体がどの登録記号に対応するかをメモしておきましょう。
よくある質問
キットを組み立てた機体は自作扱いですか?
フレームキットを購入し、自分でパーツを組み込んで製作した機体は自作扱いです。製造者名は「自作」と入力してください。
市販機のファームウェアをカスタムしただけでも自作扱いになりますか?
ファームウェアの変更のみで物理的な改造を行っていない場合は、市販機として登録できます。ただし、ファームウェアの変更によって飛行性能が大きく変わる場合は、変更届出が必要になることがあります。
自作機は型式認証を受けられますか?
型式認証はメーカーが量産機の安全性を証明する制度であり、個人が自作した機体は型式認証の対象にはなりません。自作機は個別の機体登録のみで対応します。
まとめ
自作ドローンや改造機体も、100g以上であれば機体登録は義務です。登録手順は市販機とほぼ同じですが、製造者名を「自作」と入力し、製造番号を自分で設定する点が異なります。
改造機体は、改造の程度によって変更届出が必要になるか、新規に登録し直す必要があるかが変わります。判断に迷う場合はDIPS2.0のヘルプデスクに相談してください。
FPV自作機の場合は、機体登録に加えて電波法上の手続きも必要です。機体登録と無線局の開局申請は並行して進められるため、計画的に手続きを行いましょう。