目次
この記事でわかること
法人や個人事業主がドローンを複数台所有している場合、1台ずつ登録するのは非常に手間がかかります。DIPS2.0では、同一型式の機体をまとめて登録できる仕組みが用意されています。
この記事では、複数台のドローンを効率的に機体登録する方法を解説します。DIPS2.0での一括登録の手順、異なる型式の機体を効率的に登録するコツ、法人向けのフリート(機体群)管理の方法、更新時期の管理まで、実務に役立つ情報をまとめています。
複数台登録が必要になるケース
ドローンを複数台所有するケースは、業務利用において珍しくありません。
よくある複数台所有のパターン
- 空撮業者: 撮影用途に応じて異なる機種を使い分ける(広角用、ズーム用、赤外線用)
- 測量会社: 測量現場ごとに機体を配備し、同時に複数現場で作業する
- 農業法人: 広大な農地で農薬散布を行うため、複数台を同時運用する
- ドローンスクール: 受講生が使用する練習機を多数保有する
- インフラ点検会社: 点検対象に合わせた異なる機種を複数台保有する
台数が多い場合の課題
台数が増えると、以下の課題が発生します。
- 登録作業の手間: 1台ずつ情報を入力すると膨大な時間がかかる
- 更新時期の管理: 機体ごとに登録日が異なると、更新漏れが生じやすい
- 費用の管理: 登録手数料や保険料を機体ごとに管理する必要がある
- 担当者の割り当て: どの機体をどの操縦者が使用するかの管理が必要
DIPS2.0での一括登録方法
同一型式の機体を一括登録する手順
同じ製造者・同じ型式の機体を複数台登録する場合は、以下の手順で効率的に登録できます。
Step 1: DIPS2.0にログイン
DIPS2.0にアクセスし、アカウントでログインします。法人の場合は法人アカウントでログインしてください。
Step 2: 1台目の機体情報を入力
「無人航空機の登録手続き」から「新規登録」を選択し、1台目の機体情報を入力します。
- 製造者名
- 型式名
- 製造番号
- 機体の重量
- 機体の種類
Step 3: 追加の機体を登録
1台目の登録手続き中に、「同じ型式の機体を追加」機能を利用して2台目以降を追加します。製造者名や型式名は1台目の情報がコピーされるため、製造番号のみを入力すれば済みます。
Step 4: まとめて本人確認・手数料支払い
追加した全ての機体について、本人確認と手数料の支払いをまとめて行います。1台ずつ決済する必要はありません。
Step 5: 登録記号の一括確認
全ての機体の登録が完了すると、DIPS2.0の機体一覧画面で各機体の登録記号をまとめて確認できます。
異なる型式の機体を効率的に登録する方法
実際の現場では、異なるメーカーや型式の機体を複数台所有していることが多いです。この場合は一括登録機能は使えませんが、以下の工夫で効率化できます。
事前に機体情報を整理する
登録作業に入る前に、全ての機体の情報を一覧表にまとめておくことが重要です。
| No. | 製造者名 | 型式名 | 製造番号 | 重量 | 種類 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | DJI | Mavic 3 | 1ZNBJ… | 895g | マルチコプター |
| 2 | DJI | Matrice 350 RTK | 5DSJ… | 6,470g | マルチコプター |
| 3 | Autel | EVO II Pro | AU… | 1,150g | マルチコプター |
このように整理しておくと、DIPS2.0での入力がスムーズになります。
型式ごとにまとめて登録する
異なる型式の機体がある場合は、同じ型式の機体をまとめて先に登録し、次の型式に移るという順序で進めると効率的です。
写真を事前に撮影しておく
全ての機体の写真を事前にJPEG形式で準備し、機体ごとにフォルダ分けしておくと、アップロード時に迷いません。ファイル名に製造番号を入れておくと管理しやすくなります。
法人向けフリート管理の方法
フリート管理とは
フリート管理とは、法人が保有する複数台のドローンを一元的に管理する仕組みのことです。機体登録の状態だけでなく、保険、飛行許可、メンテナンス状況、担当操縦者を包括的に管理します。
管理台帳の作成
フリート管理の基本は、管理台帳の作成です。以下の項目を含む台帳をExcelやスプレッドシートで作成しましょう。
- 登録記号(JU番号)
- 製造者名・型式名・製造番号
- 登録日・有効期限
- リモートIDの搭載状況(内蔵型/外付け型/免除)
- リモートIDのシリアルナンバー(外付け型の場合)
- 担当操縦者
- 保険の加入状況・保険期間
- 飛行許可の番号・有効期間
- メンテナンス履歴
- 保管場所
更新時期のアラート設定
機体登録の有効期間は3年間ですが、登録日が機体ごとに異なると更新時期もバラバラになります。以下の方法で更新漏れを防ぎましょう。
- 管理台帳に更新期限を記載し、期限の1ヶ月前にアラートを設定する
- カレンダーアプリにリマインダーを登録する
- 可能であれば登録日を揃えることで管理を簡素化する(同時に購入した機体は同日に登録する)
登録日を揃える工夫
新しく購入した機体を既存の機体と同じタイミングで更新できるように、登録日をなるべく近い日に揃えておくと管理が楽になります。ただし、機体を購入したら速やかに登録する義務があるため、無理に登録日を遅らせることは避けてください。
複数台登録時の費用
登録手数料の計算
登録手数料は1台あたりの単価 x 台数で計算されます。台数が多い場合の割引制度は現時点ではありません。
| 台数 | マイナンバーカード/gBizIDの場合 | 運転免許証・パスポートの場合 |
|---|---|---|
| 1台 | 900円 | 1,450円 |
| 5台 | 4,500円 | 7,250円 |
| 10台 | 9,000円 | 14,500円 |
| 20台 | 18,000円 | 29,000円 |
法人の場合はgBizIDで本人確認を行うことで、1台あたり900円の手数料で登録できます。台数が多いほど手数料の差額が大きくなるため、gBizIDの取得を推奨します。
代行費用の相場
複数台の登録を行政書士に代行依頼する場合、台数に応じたパック料金を設定している事務所があります。1台ずつ依頼するよりも割安になるケースが多いです。
複数台登録時の注意点
製造番号の入力ミスに注意
複数台を連続して登録する際に、製造番号の入力を間違えるケースがあります。特に同一型式の機体は見た目が同じで区別がつきにくいため、シリアルナンバーを機体から直接読み取って入力するようにしましょう。
写真の取り違えに注意
同一型式の機体は写真も似ているため、どの写真がどの機体のものかが分からなくなることがあります。撮影時に製造番号のラベルも一緒に写り込むようにするか、ファイル名で管理してください。
リモートIDの設定漏れ
複数台の登録が完了した後、各機体へのリモートIDの登録記号書き込みを忘れないようにしましょう。登録記号と機体の対応を間違えると、リモートIDが誤った情報を発信してしまいます。
法人としての機体登録の基本については法人のドローン機体登録の記事で解説しています。機体登録の基本手順はドローン機体登録のやり方もあわせてご確認ください。
よくある質問
一括登録で1台だけ審査に落ちた場合、他の機体も巻き添えになりますか?
いいえ、審査は機体ごとに個別に行われます。1台に不備があっても、他の機体の登録手続きには影響しません。不備のある機体だけ修正して再申請すれば問題ありません。
法人で100台以上のドローンを登録する場合はどうすればよいですか?
100台以上の大量登録が必要な場合は、DIPS2.0のヘルプデスクに事前に相談することをおすすめします。また、行政書士に一括代行を依頼することで効率的に処理できます。
個人でも複数台の一括登録はできますか?
はい、個人でも複数台の登録は可能です。一括登録機能も利用できます。趣味で複数台を所有している場合でも、全ての100g以上の機体を登録する必要があります。
登録後に機体を追加購入した場合、既存の登録に追加できますか?
既存の登録に「追加」するという概念はありません。新しく購入した機体は別途新規登録が必要です。ただし、既存の飛行許可に新しい機体を追加することは、飛行許可の変更申請で対応できます。
まとめ
複数台のドローンをまとめて機体登録するには、DIPS2.0の一括登録機能の活用と事前の情報整理がカギになります。同一型式の機体であれば、製造番号の入力のみで効率的に登録を進めることができます。
法人で多数のドローンを運用する場合は、管理台帳を作成してフリート管理を行うことが不可欠です。登録記号、有効期限、担当操縦者、保険状況などを一覧で管理し、更新漏れを防ぎましょう。
台数が多い場合はgBizIDでの本人確認を利用すると手数料を抑えられます。手続きの手間を減らしたい場合は、行政書士への一括代行依頼も検討してみてください。