目次
この記事でわかること
企業や団体がドローンを業務で使用する場合、法人名義での機体登録が必要になります。個人登録とは本人確認の方法や管理体制が異なるため、初めての法人登録では戸惑うポイントが少なくありません。
この記事では、法人としてDIPS2.0で機体登録を行う手順を解説します。個人登録との違い、gBizIDの取得方法、複数台を効率的に登録・管理する方法、そして複数の担当者でアカウントを運用する際の注意点までまとめています。
法人の機体登録と個人登録の違い
法人で機体登録を行う場合と個人で行う場合では、以下の点が異なります。
| 項目 | 個人 | 法人 |
|---|---|---|
| 所有者情報 | 氏名・住所 | 法人名・所在地 |
| 本人確認 | マイナンバーカード、運転免許証、パスポート | gBizIDまたはマイナンバーカード(代表者) |
| 使用者 | 所有者と同一の場合が多い | 操縦担当者を別途指定できる |
| 複数台管理 | 個人アカウントで管理 | 法人アカウントで一元管理 |
| 費用の取り扱い | 個人負担 | 経費として処理可能 |
法人登録のメリット
法人名義で登録することには、以下のメリットがあります。
- 資産管理が明確: 会社の資産として機体を管理でき、減価償却の対象にもなる
- 担当者の異動に対応しやすい: 操縦者が退職しても機体の登録名義を変更する必要がない
- 複数台の一元管理: 法人アカウントで全ての機体を一覧管理できる
- 飛行許可申請との連携: 法人として飛行許可を取得する際に、機体情報をスムーズに紐づけられる
gBizIDの取得方法
法人での機体登録には、本人確認の手段としてgBizID(ジービズアイディー)を利用するのが一般的です。gBizIDは、デジタル庁が運営する法人向けの共通認証サービスです。
gBizIDの種類
| 種類 | 取得方法 | 利用できるサービス |
|---|---|---|
| gBizIDプライム | 書類審査あり(取得まで約2週間) | 全てのサービス(DIPS2.0を含む) |
| gBizIDメンバー | プライムの管理者が発行 | プライムが許可したサービス |
| gBizIDエントリー | オンラインで即時取得 | 一部サービスのみ(DIPS2.0は利用不可の場合あり) |
DIPS2.0での機体登録にはgBizIDプライムの取得が推奨されます。
gBizIDプライムの取得手順
- gBizIDのウェブサイトにアクセスし、「gBizIDプライム作成」を選択
- 必要情報を入力し、申請書をダウンロード
- 申請書に法人の実印を押印し、印鑑証明書を添付して郵送
- 審査完了後(約2週間)、メールでIDとパスワードが届く
gBizIDプライムの取得には約2週間かかるため、機体登録を急ぐ場合は早めに申請しておきましょう。
法人での機体登録手順(DIPS2.0)
Step 1: DIPS2.0で法人アカウントを作成
DIPS2.0にアクセスし、「利用者の種別」で「法人」を選択してアカウントを作成します。法人名、所在地、代表者氏名、連絡先などの基本情報を入力します。
Step 2: gBizIDで本人確認
アカウント作成後、gBizIDでの本人確認を行います。gBizIDプライムのIDとパスワードでログインし、認証を完了させます。
Step 3: 機体情報を登録
「無人航空機の登録手続き」から「新規登録」を選択し、以下の情報を入力します。
- 製造者名(DJI、Autel Robotics、自作など)
- 型式名(Mavic 3、Matrice 350 RTKなど)
- 製造番号(機体のシリアルナンバー)
- 機体の重量(バッテリー込み)
- 機体の種類(マルチコプター、固定翼など)
Step 4: 使用者情報を登録
法人登録では、所有者(法人)と使用者(操縦担当者)を分けて登録できます。使用者には実際に操縦を行う従業員の氏名を登録します。
Step 5: 手数料の支払い
登録手数料を支払います。法人の場合も手数料は個人と同じです。
| 本人確認の方法 | 1機あたりの手数料 |
|---|---|
| マイナンバーカード(代表者) | 900円 |
| gBizID | 900円 |
| 運転免許証・パスポート | 1,450円 |
Step 6: 登録記号の確認と表示
審査完了後、登録記号(JUから始まる番号)が付与されます。この記号を機体の見やすい位置に表示します。表示方法についての基本的な情報はドローン機体登録のやり方の記事をご確認ください。
複数台を効率的に登録する方法
法人では複数台のドローンを所有するケースが多く、1台ずつ登録するのは手間がかかります。
同一型式の機体を一括登録
同じ製造者・同じ型式の機体を複数台登録する場合は、DIPS2.0の一括登録機能を利用できます。製造番号以外の情報を共通化できるため、入力の手間を大幅に削減できます。
複数台の一括登録の詳しい方法は複数台のドローンをまとめて機体登録する方法の記事で解説しています。
管理台帳の作成
法人で複数台のドローンを運用する場合は、以下の情報を管理台帳として整理しておくことを推奨します。
- 登録記号
- 製造者名・型式名・製造番号
- 登録日・有効期限
- リモートIDの搭載状況
- 担当操縦者
- 保険の加入状況
複数担当者でのアカウント運用
担当者の追加と権限管理
法人では複数の従業員がDIPS2.0を操作する場合があります。gBizIDメンバーを発行することで、代表者以外の従業員もDIPS2.0にアクセスできるようになります。
担当者が異動・退職した場合
操縦担当者が異動や退職した場合は、DIPS2.0で使用者情報の変更を行います。機体の登録名義は法人のままなので、所有者の変更は不要です。これは法人登録の大きなメリットです。
法人登録でよくある失敗
gBizIDの取得が間に合わない
gBizIDプライムの取得には約2週間かかります。機体の購入に合わせて早めに申請しておかないと、機体が届いても登録ができず飛行させられない事態になります。
個人名義で登録してしまった
担当者が個人のアカウントで登録してしまうケースがあります。この場合、後から法人名義に変更するには移転登録の手続きが必要になります。
登録の有効期限管理を忘れる
複数台を運用していると、機体ごとに有効期限が異なるため、更新漏れが発生しやすくなります。管理台帳で有効期限を一覧化し、更新時期を事前に把握しておきましょう。
よくある質問
個人事業主は法人として登録できますか?
個人事業主は法人ではないため、個人として登録します。法人登録ができるのは、法人格を持つ株式会社、合同会社、一般社団法人などです。
法人登録した機体を従業員が個人的に使用してもよいですか?
法人名義の機体は法人の業務目的で使用することを前提に登録されています。従業員が個人的に使用する場合は、別途個人名義での登録が必要になる場合があります。
法人の代表者が変わった場合はどうすればよいですか?
代表者の変更があった場合は、DIPS2.0で法人情報の変更手続きを行います。機体の登録記号は変わりません。gBizIDの代表者情報の変更も併せて行う必要があります。
まとめ
法人でのドローン機体登録は、gBizIDの取得とDIPS2.0での法人アカウント作成が最初のステップです。個人登録との最大の違いは、本人確認にgBizIDを使用する点と、所有者と使用者を分けて管理できる点にあります。
複数台のドローンを運用する法人では、一括登録機能の活用と管理台帳の作成が効率的な運用のカギになります。担当者の異動にも柔軟に対応できるよう、法人名義での登録を検討してください。
gBizIDの取得には約2週間かかるため、機体の購入前に早めに手続きを開始することをおすすめします。