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ドローンの機体登録と保険の関係|加入は必須?

この記事でわかること

ドローンの機体登録を終えた後に、多くの方が疑問に思うのが「保険にも入るべきか?」という点です。結論から言えば、保険加入は法律上の義務ではありません。しかし、国土交通省は飛行許可の申請において賠償責任保険への加入を強く推奨しています。

この記事では、ドローンの機体登録と保険の関係、保険の種類と選び方、加入のタイミング、加入しない場合のリスクについて解説します。

機体登録と保険は別の手続き

まず押さえておきたいのは、機体登録と保険は全く別の制度であるという点です。

項目 機体登録 ドローン保険
根拠法 航空法 民間の保険契約
義務か任意か 義務(100g以上の全機体) 任意(法律上の義務ではない)
手続き先 国土交通省(DIPS2.0) 保険会社
未対応の場合 50万円以下の罰金 事故時に自己負担

機体登録は航空法に基づく法的義務ですが、保険はあくまで任意加入です。機体登録をしても保険に自動加入されるわけではなく、逆に保険に入っていても機体登録は別途必要です。

なぜ保険加入が推奨されるのか

国土交通省の推奨

国土交通省は、飛行許可の申請において第三者賠償責任保険への加入を推奨しています。DIPS2.0で飛行許可を申請する際には、保険の加入状況を記入する欄があり、未加入の場合はその理由の記載を求められることがあります。

事故時の損害賠償リスク

ドローンの事故は高額な損害賠償につながる可能性があります。

事故の例 想定される損害賠償額
歩行者に落下して負傷させた 数百万〜数千万円
車両に落下して損傷・人身事故 数百万〜1億円以上
建物や設備を破損した 数十万〜数百万円
電線や通信ケーブルを損傷した 数百万〜数千万円

保険に加入していない状態でこれらの事故が発生した場合、全額が自己負担になります。

業務利用では実質必須

業務でドローンを使用する場合、取引先や元請会社から保険加入を求められるケースが一般的です。農薬散布、測量、点検、空撮などの業務委託契約では、保険加入が契約条件に含まれていることが多いため、業務利用では実質的に必須と言えます。

ドローン保険の種類

ドローンに関連する保険は大きく3つの種類に分かれます。

賠償責任保険(第三者賠償)

ドローンの操縦によって第三者にケガをさせたり、他人の財産を壊した場合の賠償金を補償する保険です。最も基本的で重要な保険です。

  • 補償対象: 対人賠償、対物賠償
  • 保険料の目安: 年間5,000円〜2万円程度(個人・趣味用途の場合)
  • 補償限度額: 1億円〜5億円が一般的

機体保険(動産保険)

ドローン本体が墜落・故障・盗難などで損害を受けた場合に修理費用や再購入費用を補償する保険です。

  • 補償対象: 機体の破損、水没、盗難
  • 保険料の目安: 機体価格の5%〜15%程度(年間)
  • 注意点: 操縦ミスによる墜落は対象外となる場合がある

人身傷害保険

ドローンの操縦中に操縦者自身がケガをした場合に補償する保険です。

  • 補償対象: 操縦者の治療費、入院費、後遺障害
  • 保険料の目安: 年間数千円〜1万円程度

保険加入のタイミング

機体登録と同時に加入するのが理想

最も望ましいのは、機体登録の完了と同時に保険に加入することです。機体登録が完了した時点で飛行が可能になりますが、保険未加入の状態で飛行するのはリスクが高いため、飛行開始前に保険加入を済ませておきましょう。

加入手続きの流れ

一般的な保険加入の流れは以下の通りです。

  1. 保険会社を選ぶ(各社のプランを比較する)
  2. 見積もりを取る(オンラインで即時見積もりが可能な会社もある)
  3. 申込書を提出する
  4. 保険料を支払う
  5. 保険証券を受け取る

保険の加入手続きは、機体登録とは全く別のフローで進めます。DIPS2.0を通じて加入するものではありません。

保険選びのポイント

用途に合った保険を選ぶ

趣味での飛行と業務利用では、必要な補償内容が異なります。

用途 推奨される保険 重視すべきポイント
趣味・レジャー 賠償責任保険 保険料の安さ、補償限度額1億円以上
業務利用(空撮等) 賠償責任保険 + 機体保険 補償限度額、業務利用対応、免責金額
農薬散布 賠償責任保険 + 機体保険 薬害への対応、高額補償
点検・測量 賠償責任保険 + 機体保険 施設賠償への対応、データ損失の補償

確認すべき補償条件

保険を比較する際は、以下の条件を確認しましょう。

  • 補償限度額: 最低でも1億円以上が推奨される
  • 免責金額: 事故時に自己負担する金額(0円〜数万円まで設定がある)
  • 対象となる飛行エリア: 国内のみか、海外での飛行も対象か
  • 対象となる機体台数: 1台限定か、複数台をカバーできるか
  • 示談交渉サービス: 事故時に保険会社が相手方と交渉してくれるか

主な保険商品

ドローン向けの保険を提供している主な会社とサービスは以下の通りです。

  • DJI保険(三井住友海上): DJI製品向けの専用保険
  • 東京海上日動のドローン保険: 法人向けの賠償責任保険
  • 損保ジャパンのドローン保険: 個人・法人向けのプラン
  • ドローンスクール提携保険: スクール会員向けの団体保険

保険の種類や選び方の詳細についてはドローンの保険は必要?賠償責任保険の選び方の記事で詳しく解説しています。

保険に加入しない場合のリスク

全額自己負担

事故が発生した場合、損害賠償の全額を個人で負担しなければなりません。対人事故では数千万円の賠償額になることもあり、個人の支払い能力を超える事態になり得ます。

飛行許可申請への影響

DIPS2.0での飛行許可申請時に保険未加入であることを記載した場合、審査において追加の確認や指摘を受ける可能性があります。直接的に申請が却下されるわけではありませんが、保険に加入している方が審査はスムーズに進みます。

業務委託を受けられない

先述の通り、業務でドローンを使用する場合は取引先から保険加入を求められるのが一般的です。保険未加入では仕事を受けられないケースが多く、業務利用を予定している方は加入が事実上必須です。

機体登録時の保険関連の入力

DIPS2.0での機体登録手続き自体には、保険情報を入力する項目はありません。保険に関する情報の入力が求められるのは、飛行許可・承認の申請時です。

飛行許可申請の際に以下の情報を入力します。

  • 保険会社名
  • 保険の種類(賠償責任保険、機体保険など)
  • 補償限度額
  • 保険期間

機体登録の基本的な手順についてはドローン機体登録のやり方の記事をご確認ください。

よくある質問

機体登録をすれば自動的に保険に入れますか?

いいえ、機体登録と保険は別の手続きです。機体登録はDIPS2.0で国土交通省に届け出るもの、保険は保険会社と契約するもので、それぞれ別に手続きが必要です。

趣味でしか飛ばさない場合も保険は必要ですか?

法律上は義務ではありませんが、趣味であっても事故は起こり得ます。年間数千円の保険料で数億円の賠償リスクをカバーできるため、趣味利用でも加入を強くおすすめします。

DJI Care Refreshはドローン保険の代わりになりますか?

DJI Care Refreshは機体の修理・交換サービスであり、第三者への賠償責任を補償するものではありません。賠償責任保険とは別のサービスなので、両方に加入することを推奨します。

100g未満の機体でも保険に入れますか?

はい、100g未満の機体でも保険に加入できます。機体登録は100g以上が対象ですが、保険は機体の重量に関係なく加入可能です。

まとめ

ドローンの機体登録と保険は全く別の制度です。機体登録は航空法に基づく義務ですが、保険は任意加入です。しかし、国土交通省が保険加入を推奨していること、事故時の損害賠償額が高額になること、業務利用では実質的に必須であることから、機体登録と同時に保険にも加入することを強くおすすめします

保険を選ぶ際は、用途に合った補償内容を確認し、補償限度額1億円以上の賠償責任保険を基本として検討してください。年間数千円の保険料で大きなリスクをカバーできるため、費用対効果は非常に高いと言えます。

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