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海外製無線機器を日本で使う方法|技適の扱い

この記事でわかること

海外で購入した無線機器、または国内で個人輸入した製品を日本で使いたいという場合、技術基準適合証明(技適)の問題を避けて通ることはできません。

この記事では、海外製無線機器の技適確認方法、日本で合法的に使用するための手順、特例制度の内容と条件をわかりやすく解説します。

海外製無線機器と技適の基本

なぜ技適が問題になるか

日本の電波法では、電波を発射する無線設備は技術基準に適合していなければならないと定められています(電波法第3章)。

無線設備は、総務省令で定める技術基準に適合するものでなければならない。

― 電波法 第28条

この技術基準への適合を証明するのが「技術基準適合証明(技適)」です。海外の製品は、日本向けの技適を取得していない場合があり、その場合は日本で電波を発射すると電波法違反になる可能性があります。

日本と海外の電波規制の違い

規制 日本 米国 欧州
無線機器の認証制度 技適(技術基準適合証明) FCC認証 CEマーキング(RED指令)
Wi-Fiの周波数 一部の帯域に制限あり 広い帯域 異なる規制
出力制限 日本独自の基準 異なる場合あり 異なる場合あり

米国のFCC認証や欧州のCEマーキングを取得していても、日本の技適は別途必要です。これらの認証は相互に認められていません。

技適の確認方法

Step 1: 製品本体・パッケージを確認

海外から購入した製品でも、日本向けに販売されている製品には技適マーク(R)が付いているはずです。

確認箇所: – 製品本体の裏面・底面 – 外箱のラベル – スマートフォンの場合は設定 → 端末情報

Step 2: 総務省のデータベースで検索

技適番号が見つかった場合は、総務省電波利用ホームページの技術基準適合証明等のデータベースで確認できます。

番号の検索方法の詳細は「技適番号の検索方法と見つからない場合の対処」をご覧ください。

Step 3: メーカー・販売店に確認

パッケージ等に記載がない場合は、メーカーの日本法人または販売店に問い合わせることで確認できます。正規輸入品であれば通常は技適対応しています。

技適なしの場合の対処法

ケース1: 日本向け製品を入手する

最も確実な対処法は、日本市場向けの製品(技適取得済み)を購入することです。

同じメーカーの同じ製品でも、販売地域によって技適の有無が異なる場合があります。購入前にメーカーサイトや販売店で「日本向け(技適取得済み)」であることを確認してください。

ケース2: 電波を発射する機能を無効にする

無線通信機能を一切使用しない(有線のみで使用する)場合は、技適の問題が生じません。例として、Wi-Fi機能をオフにしたスマートフォンやタブレットの使用が挙げられます。ただし、Bluetoothを有効にした状態での使用は電波を発射するため注意が必要です。

ケース3: 特例制度を活用する

総務省は、一定の条件下で技適のない機器を使用できる特例制度を設けています。

特例1: 外国人旅行者等向けの短期利用

外国から日本に入国した者が、一時的に使用するために持ち込んだ外国製無線機器については、一定期間に限って使用が認められる場合があります。

ただし、この特例は日本人が海外から持ち帰った機器国内で個人輸入した機器には適用されない点に注意が必要です。

特例2: 実証実験等に係る特例

新技術等の実証実験を目的として技適のない機器を使用する場合、届出によって一定期間の使用が認められる特例があります(電波法第100条の2等)。

この特例は個人の一般的な使用を想定したものではなく、研究・開発・実証実験目的の事業者向けです。条件・手続きについては管轄の総合通信局に問い合わせることを推奨します。

ケース4: 開局申請・保証認定を経て使用する

アマチュア無線機など免許局として申請する無線設備については、技適ではなくJARD(日本アマチュア無線振興協会)等による保証認定を受けて開局申請する方法があります。

手続き 対象 概要
保証認定 アマチュア無線機 JARDまたはTSSが技術基準適合を保証
落成検査 大規模な業務用無線局 設置後に総合通信局の検査を受ける

保証認定の仕組みは「技適なし・無線機の保証認定とは?仕組みと手続きを解説」をご覧ください。

技適なし機器を使用した場合のリスク

電波法違反による罰則

技適のない無線機器を日本で電波を発射して使用した場合、電波法違反となる可能性があります。

次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

― 電波法 第110条(要旨)

1年以下の懲役または100万円以下の罰金の対象になり得ます。

周囲への電波干渉

技術基準を満たしていない機器は、日本の電波環境に適合していない周波数・出力で電波を発射する可能性があります。これにより近隣の無線通信や家電製品への干渉が発生する場合があります。

保険・補償への影響

技適なしの機器を使用して他者に損害を与えた場合、機器の使用が違法であるとして保険の補償が受けられない可能性があります。

よくある質問

Q. 海外旅行中に購入したスマートフォンを日本で使える?

SIMカードの通話・データ通信機能(携帯電波)は技適がないと原則使用不可です。ただし、一時的な持ち込みについては対応が異なる場合があります。Wi-FiやBluetoothについても同様です。日本で継続的に使用する場合は、日本向け(技適取得済み)の製品を推奨します。

Q. アマチュア無線機を海外から個人輸入した。どうすればよい?

保証認定の手続きを経て開局申請する方法があります。JARDまたはTSSに保証認定を申請し、認定が取れれば無線局免許申請に進むことができます。詳細は管轄の総合通信局またはJARDに問い合わせることを推奨します。

Q. Amazonで購入した海外製Wi-Fiルーターは大丈夫?

日本向けに販売されている製品(技適取得済み)であれば問題ありません。ただし、海外のAmazon(amazon.comやamazon.co.uk等)から購入した製品は技適が未取得の場合があります。購入前に技適の有無を確認することを推奨します。

Q. ドローンの送信機を海外から購入した場合は?

送信機が電波を発射する場合、技適または無線局免許が必要です。日本国内で販売されているドローンメーカーの製品は通常技適を取得していますが、海外から直接輸入した場合は確認が必要です。

まとめ

海外製無線機器を日本で使用する場合は、必ず技適の確認が必要です。

  • 製品本体・パッケージと総務省データベースで技適番号を確認する
  • 技適がない場合の対処: 日本向け製品の入手、電波機能の無効化、特例制度の活用、保証認定
  • 技適なし機器を電波発射して使用すると1年以下の懲役または100万円以下の罰金のリスク
  • 実証実験等の特例は個人の一般利用向けではない
  • アマチュア無線機の場合は保証認定という手続きが使える

技適制度の基本については「技適マークとは?確認方法と技適なし機器の扱い」をご覧ください。

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