目次
この記事でわかること
業務用無線を導入する際、免許申請の手数料、電波利用料、無線機の購入費用など、さまざまな費用が発生します。免許局と登録局で費用構成が異なるため、事前の把握が重要です。
この記事では、業務用無線にかかる費用を項目別にテーブルで一覧にし、コスト削減のポイントを解説します。
費用の全体像
業務用無線にかかる費用は、大きく3つのカテゴリに分けられます。
| カテゴリ | 内容 | 発生タイミング |
|---|---|---|
| 申請手数料 | 免許申請・登録申請にかかる手数料 | 初回申請時・更新時 |
| 電波利用料 | 電波法に基づく年間負担金 | 毎年 |
| 設備費用 | 無線機本体、アンテナ等の購入費 | 導入時 |
申請手数料一覧
免許局の申請手数料
| 手続き | 電子申請 | 書面申請 |
|---|---|---|
| 新規免許申請(簡易無線局) | 2,550円/局 | 3,550円/局 |
| 新規免許申請(基地局等) | 6,100円〜/局 | 8,100円〜/局 |
| 再免許申請(簡易無線局) | 1,500円/局 | 2,050円/局 |
| 変更申請 | 局の種類による | 局の種類による |
| 廃止届 | 無料 | 無料 |
登録局の申請手数料
| 手続き | 電子申請 | 書面申請 |
|---|---|---|
| 包括登録 | 2,900円/件 | 3,350円/件 |
| 個別登録 | 2,300円/局 | 2,750円/局 |
| 再登録 | 1,850円/件 | 2,200円/件 |
| 開設届出 | 無料 | 無料 |
| 廃止届出 | 無料 | 無料 |
電子申請のほうが手数料が安いため、可能な限り電子申請を利用することをおすすめします。
電波利用料一覧
電波利用料は、無線局の免許人・登録人が毎年国に納付する費用です。
| 無線局の種類 | 年額 |
|---|---|
| 簡易無線局(免許局) | 600円/局 |
| 簡易無線局(登録局) | 600円/局 |
| 業務用基地局 | 数千円〜数万円/局 |
| 陸上移動局 | 600円/局 |
| MCA無線(陸上移動局) | 600円/局 |
電波利用料の詳細は「電波利用料とは?金額一覧と納付方法」をご覧ください。
無線機の購入費用
無線機の価格は、種類や機能によって大きく異なります。
| 無線機の種類 | 1台あたりの価格目安 |
|---|---|
| 特定小電力トランシーバー | 5,000〜20,000円 |
| デジタル簡易無線(ハンディ機) | 30,000〜60,000円 |
| デジタル簡易無線(車載機) | 40,000〜80,000円 |
| IP無線機(専用端末) | 30,000〜60,000円 |
| MCA無線機 | 50,000〜150,000円 |
| 基地局設備 | 数十万〜数百万円 |
追加で必要になる場合がある費用
| 費用項目 | 金額目安 |
|---|---|
| アンテナ(外部アンテナ) | 5,000〜30,000円 |
| バッテリー(予備) | 3,000〜8,000円 |
| イヤホンマイク | 2,000〜10,000円 |
| 充電器(複数台対応) | 10,000〜30,000円 |
| 中継器(レピーター) | 100,000〜300,000円 |
規模別コストシミュレーション
5台導入の場合
| 費用項目 | 免許局 | 登録局(包括) | IP無線 |
|---|---|---|---|
| 無線機代 | 200,000円 | 200,000円 | 200,000円 |
| 申請手数料 | 12,750円 | 2,900円 | 0円 |
| 電波利用料(年額) | 3,000円 | 3,000円 | 0円 |
| 月額通信料(年額) | 0円 | 0円 | 72,000円 |
| 初年度合計 | 215,750円 | 205,900円 | 272,000円 |
| 5年間合計 | 227,750円 | 217,900円 | 560,000円 |
20台導入の場合
| 費用項目 | 免許局 | 登録局(包括) | IP無線 |
|---|---|---|---|
| 無線機代 | 800,000円 | 800,000円 | 600,000円 |
| 申請手数料 | 51,000円 | 2,900円 | 0円 |
| 電波利用料(年額) | 12,000円 | 12,000円 | 0円 |
| 月額通信料(年額) | 0円 | 0円 | 288,000円 |
| 初年度合計 | 863,000円 | 814,900円 | 888,000円 |
| 5年間合計 | 911,000円 | 862,900円 | 2,040,000円 |
長期利用かつ大量導入では、登録局(包括登録)が最もコスト効率が高くなります。
コスト削減のポイント
電子申請を利用する
書面申請よりも手数料が安いため、可能な限り電子申請を選びましょう。
包括登録を活用する
複数台の登録局を利用する場合、包括登録で手数料を大幅に節約できます。「包括登録とは?複数台の無線機をまとめて登録する方法」をご覧ください。
レンタルを検討する
短期利用や台数が変動する場合は、レンタルのほうが総コストを抑えられる場合があります。登録局であればレンタルに対応しています。
用途に合った無線を選ぶ
通信距離が短くて済む場合は特定小電力トランシーバーで十分です。オーバースペックな機種を避けることで費用を削減できます。
行政書士に依頼する場合のコスト
行政書士への代行費用は、手続きの手間と時間の節約とのトレードオフです。
| 依頼内容 | 費用相場 |
|---|---|
| 簡易無線局の免許申請代行 | 20,000〜50,000円 |
| 基地局の免許申請代行 | 50,000〜100,000円 |
| 登録局の登録申請代行 | 15,000〜30,000円 |
行政書士への依頼の詳細は「業務用無線の免許申請を行政書士に依頼するメリット」をご覧ください。
よくある質問
Q. 電波利用料を払わないとどうなる?
督促が届き、最終的には延滞金が加算されます。さらに長期間未納が続くと、免許の取消し事由になる可能性があります。
Q. 免許申請の手数料は分割払いできる?
分割払いはできません。申請時に一括で納付する必要があります。電波利用料は毎年の請求に基づいて納付します。
Q. 中古の無線機を使うことはできる?
技適マークが付いており、登録局や免許局に対応した機種であれば使用可能です。ただし、保証やサポートが受けられない場合があるため注意が必要です。
まとめ
業務用無線の費用は、申請手数料・電波利用料・設備費用の3つで構成されます。
- 免許局の申請手数料は2,550円〜/局(電子申請)
- 登録局の包括登録は2,900円/件で台数に関わらず同額
- 電波利用料は年間600円/局
- 長期・大量導入では登録局(包括登録)が最もコスト効率が高い
- 電子申請の利用と用途に合った機種選定がコスト削減の鍵
業務用無線の選び方は「業務用無線の選び方|免許局・登録局・IP無線を比較」、無線局免許の基本は「無線局免許の申請方法|種類と手続きの流れ」をご覧ください。