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複数の無線局をまとめて申請する方法

この記事でわかること

法人で業務用無線を導入する場合、数十台〜数百台の無線機をまとめて手続きしなければならないことがあります。1台ずつ個別に申請すると膨大な手間がかかるため、電波法では複数の無線局をまとめて申請・登録できる制度が用意されています。

この記事では、包括免許・一括申請・包括登録の3つの方法を比較し、それぞれの手続きを解説します。

複数局をまとめて申請する3つの方法

方法 対象 概要
包括免許 一定の条件を満たす免許局 同一の者が管理する同種の無線局を一括で免許
一括申請 免許局(実務的な運用) 同時に複数の無線局をまとめて申請
包括登録 登録局(デジタル簡易無線等) 同一の者が管理する登録局を一括で登録

方法1: 包括免許

制度の概要

包括免許は、電波法第27条の2に基づく制度です。同一の者が開設する同種の無線局を、個別の免許申請を行わずに一括で免許を受けられます。

特定無線局を二以上開設しようとする者は、その特定無線局の目的、通信の相手方等が同一であるときは、包括して免許を受けることができる。

― 電波法 第27条の2(要旨)

対象となる無線局

包括免許の対象となる「特定無線局」は、以下のような無線局です。

  • 携帯電話の基地局・端末局
  • PHS端末
  • 広帯域移動無線アクセスシステム(BWA)
  • その他、総務省令で定める条件に適合する無線局

メリット

  • 個別申請が不要: 無線局を追加する際に個別の免許申請をしなくてよい
  • 迅速な開局: 包括免許の範囲内で新しい無線局をすぐに開局できる
  • 管理の効率化: 多数の無線局を一元管理できる

注意点

  • 包括免許の対象は法令で定められた特定の無線局に限られる
  • 通常の業務用無線(陸上移動局等)は包括免許の対象外となる場合が多い
  • 包括免許を受けた後も、開設した無線局の届出は必要

包括免許の活用法は「包括免許の活用法」をご覧ください。

方法2: 一括申請

制度の概要

包括免許の対象外となる免許局(陸上移動局、基地局等)では、複数台を同時にまとめて申請する実務的な方法があります。

手続きのポイント

項目 内容
申請方法 複数局分の申請書をまとめて提出
手数料 局数分の手数料がそれぞれ必要
審査 まとめて審査されるが、各局ごとに免許が交付される
電子申請 電子申請システムで複数局分を一度に申請可能

メリット・デメリット

メリット デメリット
提出作業が1回で済む 手数料の減額はない
まとめて審査されるため効率的 1局に不備があると全体が遅れる場合がある

方法3: 包括登録

制度の概要

包括登録は、登録局(デジタル簡易無線等)を複数台まとめて登録できる制度です。電波法第27条の29に基づいています。

同一の者が、その管理下に置くことのできる一定の無線局を一括して登録することができる。

― 電波法 第27条の29(要旨)

対象となる無線局

  • デジタル簡易無線(登録局)

手続きの流れ

  1. 包括登録申請書を管轄の総合通信局に提出
  2. 登録する無線機の台数型式を記載
  3. 登録完了後、個々の無線機の開設届出を行う

メリット

  • 手続きが簡単: 1回の登録で複数台をまとめて登録できる
  • 台数の増減が容易: 登録の範囲内で無線機の追加・減少が可能
  • レンタルにも対応: 登録局はレンタルが認められている

登録手続きの詳細は「包括登録とは?複数台の無線機をまとめて登録する方法」をご覧ください。

法人向けの実務ポイント

無線従事者の選任

免許局を複数台運用する場合、無線従事者の選任が必要な場合があります。

  • 選任する無線従事者は必要な資格を保有していること
  • 選任後は総合通信局に選任届出を行う
  • 無線従事者が退職した場合は速やかに新しい従事者を選任する

詳しくは「無線従事者の選任届出|企業が知るべき義務」をご覧ください。

管理台帳の整備

多数の無線局を運用する場合は、管理台帳を整備しておくことを推奨します。

管理項目 内容
免許番号 / 登録番号 各局の識別番号
無線機の型式・製造番号 機器の特定
設置場所 / 使用者 運用場所と担当者
免許の有効期限 再免許申請の期限管理
電波利用料の納付状況 未納の防止

再免許・更新の一括対応

複数局の免許の有効期限が近い場合は、まとめて再免許申請を行うと効率的です。有効期限の3ヶ月前を目安に準備を開始してください。

更新手続きは「業務用無線の免許更新手続き|期限と手順を解説」をご覧ください。

3方式の比較まとめ

項目 包括免許 一括申請 包括登録
対象局 特定無線局(携帯基地局等) 免許局全般 登録局
手続き 1回の包括免許で追加局も開局可 複数局分を同時提出 1回の登録で複数台を管理
手数料 包括免許1件分 局数分 包括登録1件分
台数の増減 範囲内で柔軟 新規追加は別途申請 範囲内で柔軟
利用場面 通信事業者 法人の業務用無線 デジタル簡易無線の導入

まとめ

複数の無線局をまとめて申請・登録するには、3つの方法があります。

  • 包括免許: 特定無線局を一括で免許。通信事業者向け
  • 一括申請: 免許局を複数台同時に申請。一般的な法人向け
  • 包括登録: 登録局を一括登録。デジタル簡易無線の大量導入に最適
  • 法人での運用では無線従事者の選任管理台帳の整備が重要
  • 手続きに不安がある場合は行政書士に依頼することも可能

法人での無線機導入の全体フローは「会社で無線機を導入する手順|法人向けガイド」、業務用無線の導入フローは「業務用無線の導入完全フロー|選定から申請まで」をご覧ください。

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