目次
この記事でわかること
デジタル簡易無線を導入した後、「チャンネルはどう設定すればよいか」「秘話機能の使い方がわからない」という疑問を持つ方に向けた記事です。
この記事では、デジタル簡易無線のチャンネル構成、チャンネル設定の手順、秘話コードとグループ通話の設定方法、よくある混信トラブルへの対処を解説します。
チャンネル構成の基本
デジタル簡易無線のチャンネル数は、免許局(3B)と登録局(3R)で異なります。
| 区分 | チャンネル数 | 備考 |
|---|---|---|
| 免許局(3B) | 65ch | 業務用チャンネルのみ |
| 登録局(3R) | 30ch | 業務用15ch+上空用15ch |
登録局の上空用チャンネル
登録局の30チャンネルのうち、15チャンネルは上空(ドローン等)での使用向けに割り当てられています。地上での通常業務には業務用15チャンネルを使用します。
地上での通信に上空用チャンネルを使用することは、電波法施行規則の定めに反するおそれがあります。使用チャンネルの区別に注意してください。
チャンネル設定の手順
基本的なチャンネル設定
デジタル簡易無線機のチャンネル設定は、機種によって操作方法が異なりますが、一般的な手順を示します。
手順1: チャンネルの選択
無線機のチャンネルダイヤルまたはUP/DOWNボタンで使用するチャンネル番号を選びます。
手順2: グループ通信のチャンネルを統一する
同じグループで通信するすべての無線機を同一チャンネルに合わせます。チャンネルが一致しないと通話できません。
手順3: 設定の確認
送信テスト(PTTボタンを押して話す)で正常に通信できるか確認します。
チャンネルの使い分け
複数のグループが同一エリアで通信する場合、グループごとに別々のチャンネルを割り当てて混線を防ぎます。
| グループ | チャンネル割り当て例 |
|---|---|
| 現場Aチーム | ch01 |
| 現場Bチーム | ch02 |
| 管理者全体連絡 | ch03 |
グループが多い場合は、免許局(65ch)のほうが柔軟に割り当てられます。
秘話機能の設定
デジタル簡易無線の秘話機能(プライバシーコード・グループコード)は、同じチャンネルを使う他のグループとの混信を防ぐための機能です。
秘話コードの仕組み
デジタル簡易無線では、チャンネルに加えて秘話コード(DCSコード・CTCSSコード等)を設定することで、同一チャンネル内でのグループ分けができます。
- 同じチャンネルで同じ秘話コードを設定した無線機同士のみ通話できる
- 秘話コードが異なる無線機からの通信は受信しない(着信しない)
- ただし、電波自体は空間に発信されているため、完全な傍受防止ではない
秘話コードの設定手順
秘話コードの設定方法は機種によって異なりますが、一般的な流れは以下のとおりです。
- メニュー画面から「秘話設定」または「コード設定」を選択する
- 使用するコード番号を入力する(メーカー・機種によりコードの種類と番号が異なる)
- グループ全員の無線機に同一のコード番号を設定する
- 設定後にテスト通信で動作を確認する
注意点: 秘話コードは設定した全員の無線機で同じ番号にしないと通信できません。設定担当者が全台数の設定を確認してください。
デジタル簡易無線の秘話性
デジタル方式はアナログ方式と異なり、音声がデジタル信号に変換されて送信されます。これにより、一般的なアナログスキャナーでの傍受は困難です。ただし、同じデジタル方式の受信機器を使えば受信できる場合があるため、業務上の機密情報を無線で送信することは避けてください。
グループ通話(一斉通話)の使い方
デジタル簡易無線はデフォルトで一斉通話(グループ通話)に対応しています。
- 1台の無線機で送信した音声が、同じチャンネルのすべての無線機に届く
- 特定の1台のみに送信する「個別通話」は、機種によっては対応していない場合がある
一斉通話の基本操作
- チャンネルを選択して待ち受け状態にする
- PTTボタン(送信ボタン)を押しながら話す
- 話し終わったらPTTボタンを離す
- 相手が返答するときも同様にPTTボタンを押して話す
送受信は同時に行えない半二重方式です。相手が話しているときは送信できません。
混信トラブルへの対処
他社・他グループの通話が混入する場合
同じチャンネルを別の企業や個人が使用していると、通話が混入することがあります。
対処方法: 1. チャンネルを変更する: 使用者の少ないチャンネルに変更する 2. 秘話コードを設定する: 秘話コードを設定して不要な着信を遮断する 3. 免許局を検討する: 免許局は65chあるため、混信しにくいチャンネルを探しやすい
聞こえにくい・通信が途切れる場合
- 距離が遠い: デジタル簡易無線の実効通信距離は市街地で1〜3km程度。距離が遠い場合は中継機器の設置を検討する
- 建物・障害物による影響: 鉄筋コンクリート建物内や地下では電波が届きにくい。携帯電話回線を使うIP無線との使い分けも選択肢
設定時の法令上の注意
デジタル簡易無線の使用にあたっては、電波法上のルールを守る必要があります。
- 免許局・登録局の区別に従ったチャンネルを使用する
- 不要な電波を発射しない(長押しや無人状態での送信は避ける)
- 第三者の通信を故意に傍受・漏洩させない(電波法第59条)
何人も法律に別段の定めがある場合を除くほか、特定の相手方に対して行われる無線通信(中略)を傍受してその存在若しくは内容を漏らし、又はこれを窃用してはならない。
― 電波法 第59条
まとめ
デジタル簡易無線のチャンネル設定と使い方のポイントをまとめます。
- 免許局は65ch、登録局は30ch(うち上空用15chを除く業務用15ch)
- チャンネルはグループ全員で同一番号に統一する
- 混信対策には秘話コードの設定が有効
- デジタル方式はアナログ方式より秘話性が高いが、完全な傍受防止ではない
- PTTボタン操作が基本。半二重方式のため同時送受信はできない
デジタル簡易無線の選び方は「デジタル簡易無線の選び方|用途別おすすめ基準」、登録申請手順は「デジタル簡易無線の登録申請|オンライン手順ガイド」をご覧ください。