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電波法の届出・免許・登録の違いを図解

この記事でわかること

電波法の手続きには「免許」「登録」「届出」という3つの種類があります。また、手続きが一切不要な「免許不要局」も存在します。

この記事では、それぞれの制度の違い、どの無線局にどの手続きが必要かを表と具体例を使って解説します。

3つの制度の概要

比較表

区分 手続きの内容 主な対象 審査
免許 総務大臣の免許を受ける アマチュア無線局、基地局、陸上移動局等 個別審査あり
登録 登録申請を行い登録を受ける デジタル簡易無線(登録局)等 基準への適合確認
届出 届出を行う(開設前または事後) 特定の小規模な無線局等 原則なし
手続きなし 申請・届出不要 技適付き小電力機器 なし

根拠となる電波法の条文

免許制度

無線局を開設しようとする者は、総務大臣の免許を受けなければならない。

― 電波法 第4条

登録制度

無線局のうちその目的、通信の相手方、通信事項及び無線設備の規格その他の事項が総務省令で定める条件に適合するものを開設しようとする者は、総務大臣の登録を受けなければならない。

― 電波法 第27条の18第1項(要旨)

届出制度

電波法および無線局免許手続規則等に基づき、一定の小規模な無線局については開設の届出のみで足りる場合があります。

免許制度の詳細

特徴

  • 総合通信局が個別に審査を行う
  • 審査基準(電波法第7条等)に適合した場合のみ免許が交付される
  • 免許状にはコールサイン(呼出符号)が付与される(種類による)
  • 有効期間がある(5年等)。更新は再免許申請
  • 変更する場合は変更申請が必要

対象となる主な無線局

無線局の種類 具体例
アマチュア無線局 個人のアマチュア無線、FPVドローンのVTX(趣味用)
陸上移動局 タクシー無線、業務用トランシーバー、業務用ドローンVTX
基地局 携帯電話基地局、ローカル5G
固定局 マイクロ波中継局、企業間専用回線
船舶局 船舶に搭載する無線局
航空機局 航空機に搭載する無線局
実験試験局 新技術の研究・開発用
簡易無線局(免許局) 一部のデジタル簡易無線機

免許が不要になる例外

以下に該当する場合は、免許が不要または別制度が適用されます(電波法第4条各号)。

  • 発射する電波が著しく微弱な無線局(第4条第1号)
  • 技術基準適合証明を受けた小電力無線設備(第4条第3号)
  • 登録局(第4条第4号)

登録制度の詳細

特徴

  • 免許よりも簡略な手続きで開設できる
  • 技術基準への適合確認が中心。個別の周波数割当等は行わない
  • コールサインではなく登録番号が付与される
  • 包括登録(一括登録)が可能な場合があり、大量の機器を一度に登録できる

対象となる主な無線局

無線局の種類 具体例
簡易無線局(登録局) デジタル簡易無線(登録局)
特定小電力無線局(一部) 一定条件を満たすものは届出で可

デジタル簡易無線の免許局と登録局の違いについては「免許局と登録局の違いとは?デジタル簡易無線を例に解説」をご覧ください。

包括登録

複数の無線局を一括で登録できる制度です。業務でデジタル簡易無線を多数運用する事業者が活用します。

同一の者が、その管理下に置くことのできる一定の無線局を一括して登録することができる。

― 電波法 第27条の29(要旨)

登録局の申請手続きについては「登録局の開設申請|手続きと費用を解説」をご覧ください。

届出制度の詳細

特徴

  • 行政庁の事前審査なしに開設できる
  • 開設前または開設後一定期間内に届出を提出する
  • 審査はないが、技術基準への適合は前提

届出が必要な代表的なケース

届出の種類 タイミング 主な対象
廃止届 廃止後遅滞なく 無線局を廃止した場合(全局共通)
変更届 変更後速やかに 一定の軽微な変更
住所変更届 変更後速やかに 免許人の住所が変わった場合

廃止届は免許局・登録局を問わず、すべての無線局を廃止した場合に必要です。廃止届を出さないと電波利用料の請求が続くため注意が必要です。

手続き不要の場合(免許不要局)

技術基準適合証明を受けた小電力無線設備

技適マーク付きの小電力無線設備は、一般的に免許も届出も不要で使用できます(電波法第4条第3号)。

代表的な機器 備考
Wi-Fiルーター・子機 技適マーク確認が必要
Bluetoothイヤホン・スピーカー 技適マーク確認が必要
技適付きドローンの送信機 技適マークが付いている機種のみ
特定小電力トランシーバー 一定の条件を満たすもの

手続きが不要でも、技適マークが付いていることの確認は必要です。

どの手続きが必要かを確認するフロー

無線機器を使いたい
    ↓
電波を発射する機器か?
    → No: 手続き不要
    → Yes: ↓
技適マークが付いているか?
    → Yes(技適付き小電力機器): 手続き不要
    → No または出力が大きい: ↓
開設する無線局の種類を確認
    ↓
免許局 → 無線局免許の申請
登録局 → 無線局の登録

よくある質問

Q. 免許と登録のどちらが取得しやすい?

登録の方が手続きが簡単な場合が多いです。登録局(デジタル簡易無線等)は個別の審査がなく、書類を揃えて提出する形式です。ただし、開設できる無線局の種類が限られます。

Q. 届出だけでよい無線局があると聞いたが、アマチュア無線は届出だけでよい?

アマチュア無線局は免許が必要です。届出だけでよい無線局は一定の条件を満たす限られたケースです。

Q. 技適マークが付いていれば、業務用でもトランシーバーを免許なしで使える?

使える場合と使えない場合があります。技適マーク付きであっても、免許局に分類される機器は別途免許が必要です。免許なしで使える技適付きトランシーバーは「特定小電力無線局」等に限られます。購入前に機器の種類と手続きの要否を確認することを推奨します。

Q. 廃止届は全ての無線局に必要?

はい、免許局・登録局を問わず、廃止した場合は廃止届が必要です(電波法第78条等)。廃止届を怠ると罰則の対象になる場合があります。

まとめ

電波法の「免許」「登録」「届出」の違いを整理すると以下のとおりです。

区分 手続き 審査 有効期間 主な例
免許 免許申請 個別審査あり 5年等 アマチュア局、基地局
登録 登録申請 基準確認 5年等 デジタル簡易無線(登録局)
届出 事後届出のみ なし 廃止届等
手続きなし 不要 なし 技適付きWi-Fi機器

電波法の基本については「電波法とは?基本の仕組みをわかりやすく解説」をご覧ください。

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