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電波法違反の事例10選|知らずに違反するケース

この記事でわかること

電波法違反は「悪意のある行為」だけとは限りません。知らないうちに違反してしまうケースが多数あります。

この記事では、実際に問題になりやすい電波法違反の事例10選と、それぞれの罰則を解説します。「自分は大丈夫か」を確認するためにご活用ください。

電波法違反の基本

罰則の種類

電波法では、違反行為の内容に応じて複数の罰則が規定されています。

罰則 根拠法令 主な対象行為
1年以下の懲役または100万円以下の罰金 電波法 第110条 不法開設、不法運用
1年以下の懲役または50万円以下の罰金 電波法 第112条 秘密の漏洩
6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金 電波法 第113条 各種届出義務違反
30万円以下の罰金 電波法 第116条 技術基準不適合設備の使用等

電波法の罰則の詳細は「電波法の罰則・行政処分とは?違反した場合のリスク」をご覧ください。

事例10選

事例1: 技適マークのない無線機器を使用した

違反内容: 海外から購入したWi-Fiルーター、ドローン送信機、トランシーバーなどを日本で使用した場合、技適マーク(技術基準適合証明)がなければ電波法違反になる可能性があります。

なぜ違反になるか: 日本の電波法では、一定の無線設備については技術基準適合証明(技適)を受けた設備でなければ使用できません(電波法第4条第3号、第38条の2)。

罰則: 1年以下の懲役または100万円以下の罰金(電波法第110条)

注意点: 旅行で持ち込んだ海外スマートフォンについては、短期間の使用を認める特例があります。詳細は「海外製無線機器を日本で使う方法|技適の扱い」をご覧ください。

事例2: アマチュア無線の免許なしに電波を発射した

違反内容: アマチュア無線機を購入して、無線従事者免許や無線局免許を取得せずに交信した場合。

なぜ違反になるか: 無線局の開設には総務大臣の免許が必要です(電波法第4条)。また、アマチュア無線局の操作には無線従事者免許も必要です(電波法第39条)。

罰則: 不法開設として1年以下の懲役または100万円以下の罰金(電波法第110条)

よくある誤解: 「送信出力が小さいから大丈夫」という誤解があります。出力の大小に関わらず、免許のない無線局の開設は電波法違反です。

事例3: FPVドローンのVTXを免許なしで使用した

違反内容: 5.8GHz帯等の映像伝送装置(VTX)を搭載したFPVドローンを、無線局免許なしで飛行させた場合。

なぜ違反になるか: FPVドローンのVTX(映像送信機)は電波を発射する無線設備です。技適マークのない機器や、技適マーク付きでも免許が必要な出力の機器を使用する場合は、無線局免許が必要です。

罰則: 1年以下の懲役または100万円以下の罰金(電波法第110条)

事例4: アマチュア無線機の出力を改造・増強した

違反内容: アマチュア無線機を改造して免許に記載された出力を超える電波を発射した場合。

なぜ違反になるか: 免許状に記載された事項と異なる運用は電波法違反です(電波法第52条)。また、技術基準に適合しない設備の使用も禁止されています(電波法第38条の14)。

罰則: 1年以下の懲役または100万円以下の罰金(電波法第110条)

事例5: 業務用無線機をアマチュア無線として使った

違反内容: 業務用の無線機器をアマチュア無線機として使用した場合、または逆にアマチュア無線機を業務用として使用した場合。

なぜ違反になるか: 免許状には無線局の目的が記載されており、記載目的以外の通信を行うことは禁止されています(電波法第52条)。アマチュア無線はあくまでも「個人的な無線技術の興味」のためのものです。

罰則: 1年以下の懲役または100万円以下の罰金(電波法第110条)

事例6: 有効期限切れの免許で無線局を運用した

違反内容: 再免許申請(更新)を忘れ、有効期限切れの状態で無線局を運用し続けた場合。

なぜ違反になるか: 免許の有効期限が過ぎると免許が失効します。失効後の運用は免許のない無線局の開設と同じ扱いです。

罰則: 1年以下の懲役または100万円以下の罰金(電波法第110条)

対処法: 免許が切れてしまった場合の対処については「無線局免許の有効期限切れ|対処法を解説」をご覧ください。

事例7: 他人の無線通信の内容を他者に漏らした

違反内容: 傍受した他者の無線通信の内容を第三者に話したり、SNSに投稿したりした場合。

なぜ違反になるか: 電波法では、業務上知り得た他人の無線通信の内容を漏らすことを禁止しています(電波法第59条)。傍受そのものは許容されている場合もありますが、内容の漏洩・利用は禁止です。

罰則: 1年以下の懲役または50万円以下の罰金(電波法第112条)

事例8: 無線局の廃止届を出さずに放置した

違反内容: アマチュア無線機を手放したり、業務用無線局の運用を辞めたにもかかわらず、廃止届を提出しなかった場合。

なぜ違反になるか: 無線局を廃止した場合は、遅滞なく廃止届を総合通信局に提出する義務があります(電波法第78条)。

罰則: 30万円以下の罰金(電波法第116条)

実務上の問題: 廃止届を出さないと電波利用料の請求が続くため、経済的な損失も発生します。

事例9: 無線局の変更事項を届け出なかった

違反内容: 無線機を買い替えたり、設置場所を変更したりした際に、総合通信局への変更届・変更申請を怠った場合。

なぜ違反になるか: 免許状に記載された事項(無線設備、設置場所等)に変更が生じた場合は、変更申請または変更届が必要です(電波法第17条等)。

罰則: 変更の内容によって異なります。免許を受けずに変更工事を行った場合は電波法第76条以下の行政処分の対象になる場合もあります。

事例10: ジャマー(電波妨害機器)を使用した

違反内容: 携帯電話の電波を妨害するジャマー(電波妨害機器)を使用した場合。

なぜ違反になるか: 混信の防止や電波の妨害は電波法で厳しく禁止されています(電波法第56条)。ジャマーは技適マークを取得できない機器であり、使用・所持・販売すべてが問題になります。

罰則: 1年以下の懲役または100万円以下の罰金(電波法第110条)

社会的影響: ジャマーを使用すると、近隣の携帯電話通信だけでなく、救急・消防・警察の無線通信にも影響を与える可能性があり、非常に危険です。

違反が発覚するケース

電波監視による摘発

総務省および各総合通信局は電波監視業務を行っています。不正な電波の発射が検知されると、発信源の特定と摘発につながります。

近隣からの通報

不正な電波が他の無線局や家電製品に干渉した場合、近隣の利用者から総合通信局への通報が行われることがあります。

自主申告

違反に気づいた場合は、自主的に総合通信局に相談・申告することが推奨されます。自主申告は行政的な対応において考慮される場合があります。

まとめ

電波法違反は、悪意がなくても成立することがあります。

事例 主な罰則
技適なし機器の使用 1年以下の懲役または100万円以下の罰金
免許なし無線局の開設 1年以下の懲役または100万円以下の罰金
出力を超えた運用 1年以下の懲役または100万円以下の罰金
有効期限切れでの運用 1年以下の懲役または100万円以下の罰金
通信内容の漏洩 1年以下の懲役または50万円以下の罰金
廃止届の未提出 30万円以下の罰金

電波法の基本的な仕組みは「電波法とは?基本の仕組みをわかりやすく解説」でご確認ください。無線局免許の申請については「無線局免許の申請方法|種類と手続きの流れ」をご覧ください。

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