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この記事でわかること
アマチュア無線の資格は第1級から第4級まで4段階あり、どの資格を取るべきか迷う方が多くいます。操作できる周波数帯や空中線電力が資格によって異なるため、目的に合った資格を選ぶことが重要です。
この記事では、4つの資格の違いと、入門・FPVドローン・HF通信・コンテスト参加など用途別のおすすめ資格を解説します。取得後の開局申請については「アマチュア無線の開局申請|電子申請での手順を解説」をご覧ください。
アマチュア無線の4つの資格の概要
アマチュア無線技士の資格は電波法施行令に定められており、第1級・第2級・第3級・第4級の4種類があります。
無線従事者は、次の各号に掲げる資格に区分する。
― 電波法 第40条第1項
| 資格 | 操作できる主な範囲 | 最大空中線電力 |
|---|---|---|
| 第4級アマチュア無線技士 | 短波(HF)帯の一部・VHF・UHF帯 | 10W(一部3W) |
| 第3級アマチュア無線技士 | HF帯(短波)全体・VHF・UHF帯 | 50W |
| 第2級アマチュア無線技士 | 全アマチュア周波数帯 | 200W |
| 第1級アマチュア無線技士 | 全アマチュア周波数帯 | 制限なし(1kW以下の送信設備を操作可) |
各資格の詳細な操作範囲は「アマチュア無線の資格一覧|無線従事者の種類と選び方」をご覧ください。
目的別おすすめ資格
入門・趣味としての無線通話を始めたい方
おすすめ: 第4級アマチュア無線技士
最も取得しやすい資格で、ハンディ機やモービル機を使ったVHF/UHF帯の交信(144MHz帯・430MHz帯)が主な用途です。アマチュア無線の入門として多くの方が最初に取得します。
- 筆記試験のみ(実技試験なし)
- 試験問題は4択のマークシート方式
- 問題集を1〜2ヶ月勉強すれば合格可能なレベル
短波(HF)帯での遠距離通信はできませんが、地域のクラブ局や繰り返し受信(レピータ)を使った交信には十分な資格です。
FPVドローンを楽しみたい方
おすすめ: 第4級アマチュア無線技士
FPVドローンの映像送信機(VTX)の多くは5.8GHz帯を使用しており、第4級の操作範囲に含まれます。FPV用途では出力の大小よりも免許局として開局することが重要です。
- FPVドローン用途では第4級で十分
- VTXの技適がない場合はJARDまたはTSSの保証認定が必要
- 開局後はアマチュア無線局の免許状を取得し、電波法に従って運用する
FPVドローンの開局手続きの詳細は「アマチュア無線の電子申請の使い方|Lite・総務省の違い」をご覧ください。
短波(HF)帯で日本全国・海外と交信したい方
おすすめ: 第3級または第2級アマチュア無線技士
第3級はHF帯全体を50W以下で操作できます。国内遠距離交信やコンデション(電波伝播の状態)が良い時期の海外交信も視野に入ります。
第2級はHF帯全体を200Wまで操作でき、より安定した遠距離交信が可能になります。国際的なアマチュア無線コンテストへの本格参加や、DXCC(国別エンティティ交信)を目指す方に向いています。
| 資格 | 主な用途 | 難易度の目安 |
|---|---|---|
| 第3級 | HF帯での国内・近距離海外交信 | 第4級の上位。モールス符号の受信試験が必要 |
| 第2級 | HF帯での本格的な海外交信・コンテスト | 第3級より難易度が上がる |
第3級の試験内容は「アマチュア無線3級の試験と取得方法」、第2級は「アマチュア無線2級の試験と取得方法」をご覧ください。
大電力でのDX通信・コンテスト上位を目指したい方
おすすめ: 第1級アマチュア無線技士
第1級は全アマチュア周波数帯を1kW以下で操作できる最上位資格です。1kW局の開設や、アマチュア無線クラブ局の技術的責任者(主任無線技術者)として登録できます。
- 難易度は4資格中最高
- 法規・無線工学の筆記試験(選択式+記述式)
- 本格的なDX局やコンテスト上位入賞を目指す方向け
第1級の試験対策は「アマチュア無線1級の試験と取得方法」をご覧ください。
クラブ局・移動しない局の運用
おすすめ: 第3級以上(用途に応じて選択)
クラブ局や固定局として本格的に運用する場合は、使いたい周波数帯と出力に合わせて資格を選んでください。
| 用途 | 最低限必要な資格 |
|---|---|
| 144MHz・430MHz帯(50W以下) | 第4級 |
| HF帯(50W以下) | 第3級 |
| HF帯(200W以下) | 第2級 |
| 1kW局の開設 | 第1級 |
資格の取得方法(試験の種類)
アマチュア無線技士の資格取得方法は国家試験と養成課程の2種類があります。
| 方法 | 内容 | 対象資格 |
|---|---|---|
| 国家試験 | 公益財団法人 日本無線協会が実施する筆記試験 | 第1〜4級 |
| 養成課程講習会 | JARDが実施する講習会を修了して取得 | 第3・4級 |
第4級は養成課程(2日間の講習会)で取得できるため、最もハードルが低い資格です。第3級は講習会または国家試験のどちらでも取得可能です。第2級・第1級は国家試験のみです。
第4級の取得手順は「アマチュア無線4級の取得方法|試験と養成課程の違い」をご覧ください。
上位資格へのステップアップ
下位資格から上位資格に順番に取得する必要はありません。初めから第3級や第2級の国家試験を受験することも可能です。ただし、難易度の差が大きいため、多くの方は第4級取得後に上位資格へ進む場合が多くなっています。
| ステップアップの例 | 内容 |
|---|---|
| 4級 → 3級 | HF帯の遠距離交信を楽しみたくなった |
| 4級 → 2級 | コンテストや海外局との交信を本格化したい |
| 3級 → 1級 | 1kW局を開設したい、クラブ局の責任者になりたい |
よくある質問
Q. 4級を取らずにいきなり3級を受験できる?
できます。 各級は独立した資格であり、下位資格の取得を前提とする規定はありません。ただし、試験の難易度は3級の方が高いため、無線の基礎知識がない場合は4級から学ぶ方が効率的な場合があります。
Q. FPVドローンで海外製の映像送信機を使う場合は?
海外製VTXの多くは日本の技適を取得していないため、そのままでは使用できません。使用するにはJARDまたはTSSで保証認定を受けた上でアマチュア無線局として開局する必要があります。
Q. 資格取得後、すぐに電波を出せる?
開局申請(無線局免許の取得)が必要です。資格を持っているだけでは電波を発射できません。開局申請を行い、免許状が交付されてから初めて合法的に電波を出すことができます。
まとめ
アマチュア無線の資格は、目的に合った級を選ぶことが最も重要です。
- 入門・FPVドローン: 第4級で十分(取得しやすく実用的)
- HF帯での国内遠距離交信: 第3級がおすすめ
- 本格的な海外DX・コンテスト: 第2級以上
- 1kW局・クラブ局責任者: 第1級が必要
- 下位資格なしで上位資格を直接受験することも可能
- 資格取得後は開局申請が必要
資格取得後の開局手続きは「アマチュア無線の開局申請|電子申請での手順を解説」、電子申請の操作は「アマチュア無線の電子申請の使い方|Lite・総務省の違い」をご参照ください。