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VPNサービスに電気通信事業の届出は必要?判断基準を解説

この記事でわかること

VPNサービスを提供する事業者から、「電気通信事業の届出は必要ですか?」という相談を受けることが増えています。VPNは通信を暗号化して中継するサービスであり、電気通信事業に該当する場合があります。

この記事では、VPNサービスと電気通信事業の関係、届出が必要なケースと不要なケースの判断基準、社内VPNとの違いを解説します。

VPNサービスと電気通信事業の関係

VPN(Virtual Private Network)は、インターネット上に仮想的な専用回線を構築し、通信を暗号化して中継する技術です。VPNサービスを第三者に提供する場合、他人の通信を媒介する行為に該当し、電気通信事業の届出が必要になる場合があります。

VPNサービスの種類と届出の要否

VPNの種類 内容 届出の要否
商用VPNサービス 一般ユーザー向けにVPN接続を提供 必要
法人向けVPNサービス 企業向けにVPN接続を提供 必要
社内VPN 自社内でのVPN利用 不要
VPN機器の販売のみ VPN機器やソフトウェアを販売するだけ 不要

届出が必要なケース

以下の条件を全て満たす場合、VPNサービスは電気通信事業に該当し、届出が必要です。

判断基準

条件 内容
他人の通信を媒介する 利用者の通信をVPNサーバーを経由して中継する
事業として行っている 反復継続してサービスを提供している
他人の需要に応ずる 第三者に対してサービスを提供している

具体的な該当例

サービス形態 届出の要否 理由
月額制の個人向けVPN 必要 他人の通信を媒介する事業
企業向けリモートアクセスVPN提供 必要 他人の通信を媒介する事業
ISPが付加サービスとしてVPNを提供 必要(ISPとして届出・登録済みの場合はそれに含まれる) 電気通信事業の一部

届出が不要なケース

社内VPN

自社の従業員が自社のネットワークに接続するための社内VPNは、「他人の通信を媒介する」に該当しないため、電気通信事業の届出は不要です。

ケース 理由
自社従業員のリモートアクセス用VPN 自社内の通信であり「他人」の通信ではない
グループ会社間のVPN接続 自社グループ内の通信
社内システムへのVPN接続 自社の業務利用

その他不要なケース

ケース 理由
VPNソフトウェアの開発・販売のみ 通信の媒介を行っていない
VPN構築のコンサルティング サービスの提供ではない
VPN機器のレンタルのみ 通信の媒介を行っていない

VPN事業者の届出手順

VPNサービスが電気通信事業に該当する場合の届出手順は以下のとおりです。

必要書類

書類 内容
電気通信事業届出書 総務省の様式第8
ネットワーク構成図 VPNサーバーの配置、通信経路
法人の登記事項証明書 法人の場合
サービス概要説明書 VPNサービスの概要

ネットワーク構成図のポイント

VPNサービスの構成図には以下を記載します。

  • VPNサーバーの設置場所(クラウド・データセンター)
  • 利用者端末からVPNサーバーまでの通信経路
  • VPNサーバーからインターネットへの出口
  • 利用するプロトコル(OpenVPN、WireGuard等)

届出の流れの詳細は「電気通信事業の届出が必要なケース|SaaS・Webサービス向け」をご覧ください。

VPN事業者の義務

届出を行ったVPN事業者には、以下の義務が課されます。

義務 内容
通信の秘密の保護 利用者の通信内容を保護する義務
利用者への説明義務 サービス提供条件の説明
通信ログの取扱い 通信の秘密に関するログの適切な管理
外部送信規律への対応 該当する場合

とくにVPN事業者は、利用者の通信内容を中継する立場にあるため、通信の秘密の保護が極めて重要です。

よくある質問

Q. 海外にVPNサーバーを設置している場合も届出が必要?

日本国内で事業としてVPNサービスを提供している場合は、サーバーの設置場所にかかわらず届出が必要です。日本国内の利用者に対してサービスを提供する行為が電気通信事業に該当します。

Q. 無料のVPNサービスも届出が必要?

必要になる場合があります。無料であっても、反復継続して他人の通信を媒介していれば「事業として」の要件を満たす可能性があります。広告収入等で運営している場合も同様です。

Q. VPNサービスは届出と登録のどちら?

ほとんどのVPNサービス事業者は届出で足ります。自社で大規模な電気通信回線設備(光ファイバー等)を設置していない限り、登録は不要です。届出と登録の違いは「電気通信事業の届出と登録の違い|判断基準を解説」をご覧ください。

Q. SD-WANサービスも届出が必要?

SD-WANを第三者に提供するサービスも、他人の通信を媒介する場合は電気通信事業に該当します。企業向けにSD-WANサービスを提供する場合は届出が必要です。

まとめ

VPNサービスと電気通信事業の届出の関係は、誰の通信を中継するかがポイントです。

  • 届出が必要: 第三者にVPN接続を提供する商用VPNサービス
  • 届出が不要: 自社従業員向けの社内VPN、VPN機器の販売のみ
  • 判断基準: 他人の通信を媒介しているか
  • 届出先: 管轄の総合通信局

電気通信事業の届出全般は「電気通信事業の届出が必要なケース|SaaS・Webサービス向け」、IoT通信との関係は「IoT通信サービスの電気通信事業届出|MVNO・LPWA向け」をご覧ください。

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