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違法無線機の見分け方|買ってはいけない機種の特徴

この記事でわかること

「この無線機、使ったら違法になる?」――ネット通販・フリマアプリ・中古店で無線機を買う前に押さえるべき判断基準は、実はシンプルです。日本の技術基準に適合し(技適)、必要な免許・登録の手続きが取れる機種か。この2点で判断できます。

先に結論のチェックリストを示します。1つでも当てはまれば購入・使用を見送るべき機種です。

チェック項目 危険なサイン
技適マーク 本体・画面・説明書のどこにも技適マークと番号がない
周波数帯 商品説明に400〜470MHz等の広帯域とだけ書かれ、日本の制度(特小・デジ簡等)への言及がない
出力 特定小電力を名乗るのに「5W」「10W」等の高出力をうたう
方式 アナログ簡易無線(350MHz帯・400MHz帯。2024年11月30日で使用期限終了)
販売元 海外直送・並行輸入で「日本語説明書付き」以外の適法性の説明がない
価格 同等スペックの国内正規品より極端に安い

重要なのは、「売られている=使ってよい」ではないことです。技適のない無線機の販売自体は使用のような罰則付きで禁止されておらず(電波法第102条の11は努力義務と勧告・公表等の仕組み)、違法になるのは電波を発射した使用者です。この記事で、違法になる仕組みと見分け方を順に解説します。

「違法無線機」とは何か(3つの類型)

俗に「違法無線機」と呼ばれるものは、法的には次の3類型に整理できます。

合法な市民ラジオと不法市民ラジオ(違法CB)を周波数、電力、型式、アンテナ、形態、技適の6点で対比した図。外から判別できるのはアンテナ
外部アンテナと同軸があれば市民ラジオではない

類型1: 技適のない無線機(海外製に多い)

日本の技術基準への適合が確認されていない無線機です。海外の認証(FCC・CE等)を受けていても、日本の技適の代わりにはなりません。技適がない無線機で電波を発射すると、免許を受けない無線局の開設として電波法第4条違反になり得ます。

無線局を開設しようとする者は、総務大臣の免許を受けなければならない。

― 電波法 第4条(本文)

罰則は1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(電波法第110条第1号)です。技適の基礎は「技適マークとは|確認方法と技適なし機器の罰則」をご覧ください。

類型2: 改造された無線機

国内正規品でも、出力を上げる改造・周波数を拡張する改造・技適の前提を崩すアンテナ交換などが行われた無線機は、技術基準適合の前提が崩れます。中古品で特に注意が必要な類型です。

類型3: 制度上使えなくなった無線機

機体そのものは正規品でも、制度の期限が終了して使えなくなったものです。代表例が、2024年11月30日で使用期限が終了したアナログ簡易無線(350MHz帯・400MHz帯)です。中古市場に今も流通していますが、電波を出せば電波法違反です。詳細は「アナログ簡易無線は使用終了|今使うと違法・移行手順」で解説しています。

購入前の見分け方(5ステップ)

Step 1: 技適マークと番号を確認する

製品写真・商品説明・メーカーサイトで、技適マーク(Rマーク)と証明・認証番号を確認します。番号が確認できたら、総務省のデータベースで実在するか・機種名が一致するかまで照合してください。番号の流用(別機種の番号を記載する偽装)も確認されています。検索手順は「技適検索のやり方|出てこない5つの原因と番号の正しい入力」にまとめています。

技適番号の検索手順を示すフロー図
技適番号は総務省データベースで機種名・申請者まで照合する

Step 2: 日本の制度のどれに当たる機種か確認する

適法に使える無線機は、必ず日本の制度上の区分(特定小電力・デジタル簡易無線・アマチュア無線機等)に当てはまります。商品説明に「特定小電力」「デジタル簡易無線(登録局)」等の区分が明記されているかを確認してください。「業務用トランシーバー UHF 400-470MHz」のように周波数帯しか書かれていない製品は、日本の制度に乗らない海外仕様機の典型です。区分ごとの手続きは「無線機の免許の種類一覧|免許不要・登録・免許の早見表」で確認できます。

Step 3: 出力と「免許不要」表記の整合を確認する

「免許不要」をうたいながら出力1Wや5Wと書かれている製品は矛盾しています。日本で免許・登録なしに使える特定小電力トランシーバーの出力は10mW以下です。デジタル簡易無線(最大5W)は登録局でも登録が必要です。「免許不要・大出力・格安」の3点セットは違法機の定番パターンと考えてください。

Step 4: アナログ簡易無線・旧規格機でないか確認する

中古品では、アナログ簡易無線機(使用期限終了)と旧スプリアス規格機(新規の免許・登録に使えない)に注意します。型番でメーカーサイトを確認し、デジタル簡易無線対応・新スプリアス規格適合を確かめてください。旧スプリアス規格の扱いは「旧スプリアス規格の無線機はいつまで使える?現行ルール」で解説しています。

Step 5: 必要な手続きが自分で取れるか確認する

機種が適法でも、手続きなしで使えば違法になる区分があります。

区分 買った後に必要な手続き
特定小電力・IP無線 なし(技適があればそのまま使用可)
デジタル簡易無線(登録局) 登録申請(自分名義)
デジタル簡易無線(免許局)・業務用無線 免許申請
アマチュア無線機 無線従事者資格+開局申請(技適なし機は保証認定も)

使ってしまった場合のリスク

罰則と摘発

違反 罰則
不法無線局の開設(技適なし機の使用等) 1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(電波法第110条第1号)
重要無線通信(航空・海上・消防等)への妨害 5年以下の拘禁刑または250万円以下の罰金

総務省は全国の電波監視システム(DEURAS)で不法電波を常時監視しており、混信の申告を受けて発射源を特定する体制があります。「個人利用だから見つからない」という想定は成り立ちません。摘発の実態や違反事例は「電波法違反の事例10選|知らずに違反するケース」「不法無線局の取り締まりと罰則」で紹介しています。

「知らなかった」は通用しない

電波法違反は、違法性の認識がなくても成立し得ます。海外通販で普通に買えた、フリマで正規品として出品されていた、という事情は免責になりません。購入者側で適法性を確認するのが唯一の自衛策です。

すでに買ってしまった場合の対処

  1. 電源を入れない(使用しなければ所持自体は電波法違反になりません)
  2. 技適番号を再確認する(本体・画面・説明書。見当たらない場合は「技適マークがない?機器別の確認方法と違法になる境界線」の手順で切り分け)
  3. 技適がないと判明したら、返品・返金を求めるか、電波を出せない状態で処分する
  4. 実験・開発目的なら、技適未取得機器の特例制度(届出制・最長180日)が使える場合がある(技適未取得機器の特例制度|届出方法と利用条件

よくある質問

Q. Amazonや楽天で売っている無線機なら安心?

販売されていることは適法性の保証になりません。国内モールにも海外直送の技適なし機が出品されています。総務省は「技術基準不適合無線機器の流通抑止のためのガイドライン」でモール事業者に自主的な対策を求めていますが、最終的に違法になるのは使用者です。出品ページの技適番号を必ず確認してください。

Q. 受信するだけなら違法にならない?

受信のみなら電波法の免許・技適の対象外です。ラジオ・レシーバー・FPVの映像受信機(VRX)などは技適なしでも適法です。ただし、送受信兼用機は電源を入れて送信した時点で違反になり得るため、扱いに注意してください。

Q. 違法無線機を売ること自体は罪にならない?

使用のような罰則付きの直接禁止はありませんが、電波法第102条の11が製造・輸入・販売業者に技術基準不適合設備を扱わない努力義務を課し、状況により総務大臣の勧告・公表・命令の対象になります。個人がフリマで売る場合も、購入者を違反に導くトラブルの元です。

Q. 外国で買った無線機を日本に持ち帰って使いたい

原則は技適が必要です。例外として、入国者が自ら持ち込む携帯電話端末・Wi-Fi端末等を入国から90日以内で使える特例(電波法第4条の2第1項)がありますが、対象機器は限定されており、トランシーバー型の無線機は基本的に対象外です。詳細は「海外製無線機器を日本で使う方法|技適の扱い」をご覧ください。

まとめ

  • 違法無線機は(1)技適なし (2)改造品 (3)制度上期限切れ(アナログ簡易等)の3類型
  • 見分け方の核心は技適番号の実在確認日本の制度区分(特小・デジ簡等)の明記
  • 「免許不要・大出力・格安」の3点セットは違法機の典型
  • 使えば1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象。売られていることは適法の保証にならない
  • 買ってしまったら電源を入れず、技適を確認してから対処を決める

適法な無線機選びから免許・登録手続きまで迷ったら、「無線機を買ったら免許は必要?判断フローチャート」で判定できます。事業での導入は行政書士への相談も選択肢です(業務用無線の免許申請代行|行政書士に依頼する費用と流れ)。

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