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不動産の物件撮影ドローン|空撮許可と注意点

この記事でわかること

物件の魅力を上空から伝えるドローン空撮は、不動産のPR・販売で効果的です。ただし、物件は市街地・住宅地にあることが多く、ほとんどのケースで飛行許可・承認が必要になります。

この記事では、不動産の物件撮影で必要な許可、私有地上空の考え方、第三者対応・近隣調整のコツ、包括申請の活用、トラブル回避の注意点を整理します。空撮を事業として始める全体像は「ドローン空撮を仕事にする|許可と開業手続き」も参考にしてください。

不動産空撮でほぼ必須になる許可・承認

該当する特定飛行 不動産空撮での理由 必要な手続き
人口集中地区(DID)上空 物件が市街地・住宅地にある 許可
人・物件から30m未満 隣家・通行人・車に近接する 承認
目視外飛行 建物の陰に入る構図を狙う場合 承認(該当時)

戸建て・マンションの撮影は、DID上空かつ第三者から30m未満になりやすく、DID(許可)+30m未満(承認)をセットで取得しておくのが実務上の標準です。DIDの確認は「DID地区でのドローン飛行許可|人口集中地区の確認方法」をご覧ください。

不動産空撮で確認すべきポイント
DID上空・30m未満・第三者管理・近隣説明を撮影前に確認

私有地の上空は自由に飛べる?

「依頼主の敷地だから自由」と考えがちですが、航空法の特定飛行に該当すれば、私有地でも許可・承認が必要です。また、隣地の上空を飛ぶと所有権・プライバシーの問題が生じます。撮影は依頼物件の敷地内・上空にとどめ、隣地上空の飛行は避けるのが原則です。

土地所有権が上空のどこまで及ぶかは法令に高さの線引きがなく、建築物の高さや将来の使用態様、飛行の態様で個別に判断されることを示した概念図。地上300m説は誤り
上空の線引きは法令にない ・ 300m説は誤り
ドローンの運用に関わる6つの法律(航空法、電波法、小型無人機等飛行禁止法、民法、道路交通法、条例)と所管、規制対象を一覧にした図
航空法だけではない ・ 6法6所管

第三者対応・近隣調整がカギ

DIDの市街地では、歩行者・車・近隣住民など第三者がいない状態を保つのが難しく、ここが現場で最大の壁になります。

対策 内容
補助者の配置 飛行範囲に第三者が入らないよう監視・誘導
近隣への事前説明 隣家・管理会社へ撮影日時を周知しトラブルを防ぐ
警察署への事前連絡 通報されても説明が円滑になるよう一報を入れる
撮影時間帯の配慮 人通りの少ない時間を選ぶ

許可・承認があっても、第三者が30m以内に入った時点で承認の条件を外れます。当日の運航管理まで含めて計画してください。

市街地の物件を空撮するドローン
市街地の物件撮影は第三者管理と近隣調整が成否を分ける

反復するなら包括申請・早めの申請

不動産会社や撮影業者が各地の物件を反復撮影する場合は、包括申請でDID+30m未満をまとめて取得しておくと効率的です。申請は審査に時間がかかるため、飛行予定日の少なくとも10開庁日前には済ませてください。包括申請は「ドローン包括申請とは?個別申請との違いと申請手順」をご覧ください。

費用

飛行許可・承認の申請手数料は無料です。別途、機体費用や、行政書士に申請代行を依頼する場合の報酬がかかります。相場は「ドローン飛行許可の申請代行|費用相場と依頼の流れ」を参考にしてください。

DIPS2.0での申請フローと個別・包括の使い分け

不動産空撮の飛行許可・承認も、国土交通省のオンラインシステムDIPS2.0(ドローン情報基盤システム)から手続きします。基本の流れは次のとおりです。

  1. アカウント開設・機体登録:DIPS2.0にアカウントを作成し、100g以上の機体を登録して登録記号を表示、リモートID機能を備えます。
  2. 機体・操縦者の情報登録:撮影に使う機体の情報と、操縦者の飛行経歴・技能を登録します。
  3. 特定飛行の判定:物件の所在地・撮影構図から、DID上空・30m未満・目視外などの該当性を確認します。
  4. 許可・承認申請の作成:該当する特定飛行を選び、飛行目的(不動産物件の空撮・PR)、日時・区域、機体、操縦者、安全対策を入力します。
  5. 飛行マニュアルの選択・添付:国土交通省の標準マニュアルを使うか、独自マニュアルを添付します。
  6. 審査・電子許可書の受領:不備がなければ電子許可書が交付されます。

個別申請と包括申請の使い分けは次のとおりです。

区分 向いているケース 特徴
個別申請 特定の1物件を1回だけ撮影する 場所・日時を特定して申請
包括申請 各地の物件を反復・継続的に撮影する 期間(最長1年)・エリアをまとめて許可・承認

不動産会社や撮影業者が各地の物件を回るなら、包括申請で「DID上空+30m未満」をまとめて取得しておくのが効率的です。ただし、包括申請では催し物上空など対象外の飛行もあるため、該当する場合は個別申請を併用します。

飛行計画の通報と飛行日誌

許可・承認を取得しても、特定飛行を行う際は飛行のたびにDIPS2.0で飛行計画を通報する必要があります。市街地の撮影では、緊急用務空域など追加の制限がかかっていないかも都度確認してください。

また、特定飛行を行った場合は飛行日誌(飛行記録・日常点検記録・点検整備記録)の作成・保存が義務づけられています。物件ごとに撮影日時・場所・安全確認の記録を残す運用を組み込んでおくと、後日のトラブル対応や顧客への説明にも役立ちます。

不動産空撮特有の実務ポイント

不動産空撮は「PR素材の見栄え」と「第三者・プライバシーへの配慮」の両立が問われます。撮影構図の自由度と安全・権利のバランスを、撮影前に依頼主とすり合わせておくことが重要です。

調整先・注意点 内容
依頼主(売主・管理会社) 撮影範囲・公開範囲、隣地が写り込む場合の扱いを事前に取り決める
隣地・近隣住民 隣地上空は飛ばない前提でも、映り込みやプライバシーへの配慮を説明する
管理組合(マンション) 共用部・敷地上空の飛行は管理組合の同意が必要になる場合がある
撮影データの取り扱い 通行人・車のナンバー・表札などが写る場合は加工・削除を検討する

行政書士に申請を依頼するメリット

不動産空撮はDID上空と30m未満が重なるうえ、市街地での第三者管理が問われるため、安全対策の記述が審査の可否を左右します。行政書士に依頼すると次の点で負担を減らせます。

  • 書類作成の代行:特定飛行の該当性判断、申請書・飛行マニュアルの作成を任せられ、差し戻しを防げます。
  • 包括申請の設計:反復撮影の実態に合わせて、期間・エリア・特定飛行の組み合わせを最適化できます。
  • 本業への集中:申請から解放され、撮影・編集・提案といった本業に集中できます。

依頼の流れと費用感は「ドローン飛行許可の申請代行|費用相場と依頼の流れ」で解説しています。

よくある質問

Q. 依頼主の家の敷地内だけなら許可は不要?

敷地内でも、DID上空・第三者から30m未満などの特定飛行に該当すれば許可・承認が必要です。市街地の物件ではほぼ該当します。

Q. 撮影だけで飛行はしない(手持ち)なら?

ドローンを飛行させない手持ち撮影は航空法の対象外です。飛行を伴う場合のみ、特定飛行の該当性を確認します。

Q. マンションの広告動画も同じ?

同じです。市街地のマンションはDID上空に当たり、建物・通行人に近接するため30m未満飛行の承認も必要になります。

Q. ドローン空撮を事業にするには?

機体登録・許可取得に加え、開業の準備が必要です。「ドローン空撮を仕事にする|許可と開業手続き」で解説しています。

まとめ

  • 不動産空撮はDID上空(許可)+30m未満(承認)がほぼ必須
  • 私有地でも特定飛行なら許可が必要。隣地上空は避ける
  • 第三者管理・近隣説明・警察への一報が当日の成否を分ける
  • 反復撮影は包括申請、申請は10開庁日以上前

飛行許可の基本は「ドローン飛行許可の申請方法|DIPS2.0での手順を解説」、屋根・外壁の点検撮影は「屋根点検ドローンの飛行許可|住宅・ビル点検の手続き」もご覧ください。

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