技適マークは本体・設定画面・説明書から確認する
技適マークが本体に見当たらないときは、まず設定画面と取扱説明書を確認してください。電子表示など、本体への印字以外の方法が認められているため、見つからないことだけで未取得と判断することはできません。
技適マークは、無線設備が日本の技術基準に適合することを示す表示です。ただし、電波法第4条は免許が必要な無線局とその例外を定めており、電波を出すすべての機器に一律に技適が必須という整理ではありません。機器の種類・免許・適用される制度を分けて確認します。根拠は電波法第4条(e-Gov法令検索)です。

番号がある・表示がない場合の進み方
| 今の状況 | 次に確認すること |
|---|---|
| 技適マークと「R」の番号が読める | 技適検索のやり方|出てこない5つの原因と番号の正しい入力へ進み、番号と機種を照合する |
| 本体には見当たらない | 本体の設定画面・認証表示、型番に対応する取扱説明書を調べる |
| 外箱や説明書にだけ表示がある | 手元の機器の型番と一致するか、メーカーがその表示方法を案内しているか確認する |
| どこにも見つからない・海外モデルだった | 正確な型番と販売地域を控え、メーカーへ日本向けの認証・表示方法を問い合わせる |
海外で販売されたモデルでも、対応する認証は型番によって異なります。「海外購入だから必ず技適なし」「同じ商品名の国内版があるから問題なし」とは判断せず、手元の個体の表示と型番を確認しましょう。番号を発見しても、別の機種の認証番号を自分の機器に流用することはできません。
先に確認手順だけ知りたい方向けに、機器別の要点をまとめます。詳細な手順は「機器別の技適マーク確認手順」で解説します。
| 機器 | 最初に見る場所 |
|---|---|
| iPhone・iPad | 設定 → 一般 → 法律に基づく情報および認証(OSにより名称が異なる) |
| Androidスマートフォン | 設定 → デバイス情報 → 規制ラベル(名称は機種により異なる) |
| ノートパソコン | 本体底面ラベル、電子マニュアル、メーカー仕様表 |
| Wi-Fiルーター | 本体底面・背面のラベル、管理画面 |
| ワイヤレスイヤホン | 充電ケース内側、イヤホン本体、外箱、同梱の小冊子 |
| スマートウォッチ | 本体設定の認証表示、ペアリングアプリ、裏ぶた |
| ゲーム機 | Nintendo Switchは 設定 → 本体 → 認証表示 |
| ドローン | バッテリースロット内、機体底面、送信機の底面 |
| 業務用無線機 | 電池パックを外した本体側の銘板 |
本体に技適マークが見当たらない場合の確認方法
本体を隅々まで探してもマークが見つからないとき、違法機器と判断するのは早すぎます。技適マークの表示方法は、電波法第38条の7第1項を受けた特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則第8条第1項が3通りを定めており、本体への印字はそのうちの1つに過ぎません。
一 様式第七号による表示を技術基準適合証明を受けた特定無線設備の見やすい箇所(体内に植え込まれた又は一時的に留置された状態で使用される特定無線設備その他の当該表示を付すことが困難又は不合理である特定無線設備にあつては、当該特定無線設備(取扱説明書及び包装又は容器を含む。)の見やすい箇所)に付す方法
二 様式第七号による表示を技術基準適合証明を受けた特定無線設備に電磁的方法(電子的方法、磁気的方法その他の人の知覚によつては認識することができない方法をいう。以下同じ。)により記録し、当該表示を特定の操作によつて当該特定無線設備の映像面に直ちに明瞭な状態で表示することができるようにする方法
三 様式第七号による表示を技術基準適合証明を受けた特定無線設備に電磁的方法により記録し、当該表示を特定の操作によつて当該特定無線設備に接続した製品の映像面に直ちに明瞭な状態で表示することができるようにする方法(ただし、当該特定無線設備の運用を最初に開始する前に、映像面を有する他の製品と有線で接続することにより表示することができる場合に限る。)
出典: 特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則(昭和56年郵政省令第37号)第8条第1項(e-Gov法令検索で2026年8月時点の条文を確認)
つまり、次のいずれかに当てはまれば本体に印字がなくても適法です。
| 号 | 表示方法 | 該当しやすい機器 |
|---|---|---|
| 第1号 | 本体の見やすい箇所。印字が困難・不合理な場合は取扱説明書・包装・容器 | 小型のIoT機器、モジュール、医療用の埋込型機器 |
| 第2号 | 本体の画面(映像面)に、特定の操作で表示 | スマートフォン、タブレット、スマートウォッチ、カメラ、ゲーム機 |
| 第3号 | 有線接続した外部ディスプレイに表示(初回運用前に有線接続で表示できる場合に限る) | 画面を持たないWi-Fiモジュール、通信ユニット |
画面表示(第2号)の確認手順
画面を持つ機器では第2号の方式が広く採用されています。代表的な確認場所は次のとおりです。
| 機器 | 確認手順の例 |
|---|---|
| iPhone・iPad | 設定 → 一般 → 法律に基づく情報および認証(OSにより名称が異なる) |
| Android端末 | 設定 → デバイス情報 → 認証・規制ラベル(名称は機種により異なる) |
| Wi-Fiルーター | ブラウザから管理画面にログインし、製品情報・ステータス画面 |
| デジタルカメラ・ゲーム機 | 本体設定内の「認証」「規制に関する情報」等 |
取扱説明書・包装の確認(第1号後段)
小型機器では、印字が困難・不合理と判断される場合に取扱説明書や外箱への表示が認められています。本体だけでなく、付属の紙類と箱も確認してください。
なお規則第8条第1項第2号・第3号の電磁的方法による場合、メーカーは電磁的方法で表示を付した旨と表示のさせ方を明らかにする必要があります。取扱説明書やメーカーの製品ページに手順の記載があるはずなので、そこも手がかりになります。
本体・画面・取扱説明書・包装・メーカーサイトのいずれにも技適番号が見つからない場合は、技適を取得していない機器である可能性が高くなります。技適番号から認証の有無を照会する方法は「技適検索のやり方|出てこない5つの原因と番号の正しい入力」で解説しています。その場合のリスクと対処法は、以降の章で確認してください。
機器別の技適マーク確認手順
表示方法が法令上3通りある以上、「どこを見るか」は機器のカテゴリによって変わります。ここでは日常的に問い合わせが多い機器について、確認手順を具体的に整理します。
以下は機器別の確認場所の例です。iPhone・Pixelは2026年9月10日にメーカー公式案内を確認しました。OSのバージョンアップやメーカーの仕様変更で名称が変わることがあるため、記載どおりの項目が見つからない場合は、設定画面の検索窓で「認証」「規制」「ラベル」といった語を検索するか、取扱説明書の記載に読み替えてください。
iPhone・iPad
iPhoneとiPadは、規則第8条第1項第2号の画面表示(電磁的表示)を採用しています。本体の背面や側面をいくら探しても技適マークは印字されていません。
確認手順は次のとおりです。
| 手順 | 操作 |
|---|---|
| 1 | 「設定」アプリを開く |
| 2 | 「一般」をタップ |
| 3 | 「法律に基づく情報および認証」を開く |
| 4 | 日本向けの認証表示と番号を確認する(OSにより追加の項目選択が必要な場合があります) |
iOSのバージョンによっては、手順4が「法律に基づく情報」、その中の「認証」という2階層になっている場合があります。どちらの場合も、表示される画面に技適マークと認証番号が並びます。
ここで注意したいのが、マークが2種類表示される点です。頭に「R」が付くものが電波法に基づく技術基準適合証明・工事設計認証、「T」が付くものが電気通信事業法に基づく技術基準適合認定を示します。スマートフォンは電波を出す機能(Wi-Fi、Bluetooth、携帯電話回線)と電気通信回線への接続機能の両方を持つため、両方が併記されるのが通常です。番号の読み方は「技適検索のやり方|出てこない5つの原因と番号の正しい入力」で詳しく解説しています。
販売国だけで認証の有無を断定せず、実際の型番と認証画面を確認します。項目が見つからない場合は、Appleの案内と利用中のiOSバージョンを照合してください。
出典:Apple「iPhoneの安全性に関する重要な情報」。Appleの現行案内では「設定」から「一般」へ進み、「法律に基づく情報および認証」を開く構成です。
Androidスマートフォン・タブレット
Google Pixel 10の公式ガイドでは「設定 → デバイス情報 → 規制ラベル」で電子的な規制表示を確認できます。この手順を他社のAndroid端末へ一律に当てはめず、機種別の説明書を優先してください。
Android端末も画面表示が主流ですが、項目名がメーカーごとにばらついている点がiPhoneとの大きな違いです。
| 手順 | 操作 |
|---|---|
| 1 | 「設定」アプリを開く |
| 2 | 「デバイス情報」または「端末情報」をタップ |
| 3 | 「規制ラベル」をタップ(機種により「認証」「認証情報」「規制情報」「法定情報」等) |
| 4 | 表示された画面で日本(JP)の欄を確認する |
機種による名称の違いは次のような傾向があります。ただし同じメーカーでも世代によって変わるため、設定画面上部の検索窓に「規制」または「認証」と入力して該当項目を探すのが最も確実です。
| 表記の例 | 見つかりやすい階層 |
|---|---|
| 規制ラベル | 設定 → デバイス情報 |
| 認証 / 認証情報 | 設定 → デバイス情報 → 法的情報 |
| 規制および安全に関する情報 | 設定 → デバイス情報 → 法的情報 |
Androidで特に気をつけるべきなのは、同じ機種名でも国内モデルと海外モデルでソフトウェアが異なることです。国内モデルでは規制ラベルに日本の技適マークが表示される一方、海外モデルでは表示されないことがあります。海外通販や並行輸入で入手した端末で表示されない場合は、技適未取得である可能性を疑ってください。
ノートパソコン・デスクトップPC
パソコンは、技適マークの探し方が最もわかりにくいカテゴリです。理由は制度の構造にあります。
パソコンに内蔵されている無線LAN・Bluetooth機能は、多くの場合独立した無線モジュールとして組み込まれており、技適を取得しているのはそのモジュールです。完成品であるパソコン本体に同じ表示を付けるかどうかは、電波法第38条の7第2項により任意とされています。
法第三十八条の七第二項の規定により表示を付するときは、製品に組み込まれた適合表示無線設備に付されている表示を目視その他の適切な方法により確認し、次に掲げるいずれかの方法によるものとする。この場合において、新たに付することとなる表示は、容易に識別することができるものであること。
― 特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則 第8条
つまり、パソコンの外側に技適マークが見当たらないこと自体は珍しくありません。次の順で探してください。
| 優先順 | 確認場所 |
|---|---|
| 1 | 本体底面のラベル、バッテリー収納部の内側 |
| 2 | メーカーが用意する電子マニュアル(PDF)の「規格」「認証」の章 |
| 3 | 設定画面やプリインストールされた機器情報アプリ内の「認証」「法的情報」 |
| 4 | メーカー製品ページの仕様表(無線モジュールの型番と技適番号) |
国内メーカー製および国内正規販売されたモデルであれば、必ずいずれかで確認できます。見つからない場合はメーカーサポートに型番を伝えて照会するのが確実です。
Wi-Fiルーター・アクセスポイント
据置型のWi-Fi機器は、本体への印字が残っている代表例です。
- 本体の底面または背面のラベル(SSIDや初期パスワードと同じ面)
- 外箱の側面や底面
- ブラウザから管理画面にログインし、製品情報・ステータス画面
法人向けのアクセスポイントでは、本体が天井裏や什器の中に設置されていて銘板を確認しにくいことがあります。この場合は型番から製品ページを参照し、技適番号を控えたうえで総務省のデータベースで照会するのが現実的です。
ワイヤレスイヤホン・スマートウォッチ
小型機器は規則第8条第1項第1号の「表示を付すことが困難又は不合理である」場合に該当しやすく、取扱説明書や包装への表示が認められています。
| 機器 | 確認場所 |
|---|---|
| 完全ワイヤレスイヤホン | 充電ケースの内側・底面、イヤホン本体の軸部分、外箱、同梱の小冊子 |
| ネックバンド型イヤホン | バンド内側の刻印、外箱 |
| スマートウォッチ | 本体設定内の「認証」「規制情報」、ペアリングアプリの端末情報、裏ぶたの刻印、外箱 |
| ワイヤレスキーボード・マウス | 電池ボックスの内側、裏面のラベル |
完全ワイヤレスイヤホンは、左右のイヤホンと充電ケースがそれぞれ電波を出す場合と、ケースは充電のみの場合があります。表示は認証を受けた無線設備側に付されるため、ケースだけを見て見つからなくてもイヤホン本体側に付いていることがあります。
ゲーム機
任天堂は公式サポートページで、Nintendo Switchにおける電波法・電気通信事業法の適合表示の確認方法を次のとおり案内しています。
| 手順 | 操作 |
|---|---|
| 1 | HOMEメニューから「設定」を開く |
| 2 | 「本体」を選ぶ |
| 3 | 「認証表示」を選ぶ |
出典: 任天堂サポート「電波法および電気通信事業法の適合に関する文言やマーク、関連情報はどこで確認できますか?」(2026年8月時点)
PlayStation 5は、本体に同梱される「セーフティーガイド」および同社が公開しているPDFマニュアルに、電波法に基づく認証を受けている旨の記載があります。設定画面の階層を探すより、型番(CFI-から始まる型番)に対応するセーフティーガイドを参照するほうが早く確認できます。
ドローン・送信機(プロポ)
ドローンは、機体・送信機・映像伝送装置がそれぞれ別の無線設備になり得るため、1台につき複数の技適表示を確認する必要があります。
| 部位 | 確認場所 |
|---|---|
| 機体 | バッテリースロット内、機体底面、アーム内側 |
| 送信機(プロポ) | 底面のラベル、電池ボックスの内側、スティック周辺 |
| 映像送信機(VTX) | 基板上の印字、モジュールの型番 |
DJI製をはじめとする日本正規品は技適を取得済みですが、海外通販で購入した並行輸入品は同じ型番でも技適がないことがあります。機種ごとの具体的な確認方法は「ドローンの技適マーク確認方法|条文と手順」で解説しています。
業務用無線機・トランシーバー
業務用の無線機は本体への印字が基本です。電池パックを外した本体側の銘板に、技適マークと番号、型式名がまとまって印刷されています。
レンタルした無線機の場合は、貸出時の書類やレンタル会社の管理票に技適番号が記載されていることが多く、そちらでも確認できます。中古で入手した機器で銘板が摩耗している場合は、型式名から製造元に照会してください。日常的な確認項目は「無線機の点検は必要?定期検査との違い・日常点検を解説」も参考になります。
組込モジュール・IoT機器
センサーや通信ユニットのように画面を持たない機器では、規則第8条第1項第3号の外部ディスプレイへの表示が使われることがあります。この方式は「当該特定無線設備の運用を最初に開始する前に、映像面を有する他の製品と有線で接続することにより表示することができる場合に限る」と条件が付いているため、設定用のPCと有線接続したときに表示される仕組みになっています。
実務上は、モジュールの型番からメーカーのデータシートを参照し、そこに記載された技適番号を総務省のデータベースで照会するのが最短です。
画面表示を使う場合にメーカーが負う義務
画面表示や外部ディスプレイ表示を採用する場合、メーカー側には「表示を付した旨」と「表示のさせ方」を明らかにする義務があります。
第一項第二号若しくは第三号又は前項第二号若しくは第三号に規定する方法により特定無線設備又は適合表示無線設備を組み込んだ製品に表示を付する場合は、電磁的方法によつて表示を付した旨及びこれらの号に掲げる特定の操作による当該表示の表示方法について、これらを記載した書類の当該特定無線設備又は当該製品への添付その他の適切な方法により明らかにするものとする。
― 特定無線設備の技術基準適合証明等に関する規則 第8条
この規定は、確認作業をするうえで実用的な意味を持ちます。画面表示を採用している機器には、その表示手順がどこかに必ず書かれているはずだからです。取扱説明書、同梱の小冊子、メーカーの製品ページ、機器内のヘルプのいずれかを探せば手順にたどり着けます。
逆に言えば、本体に印字がなく、表示手順の案内もどこにも見当たらない機器は、電磁的表示を適法に行っている機器とは言いにくい状態です。この場合は技適未取得の可能性を念頭に、次章の切り分けに進んでください。
総務省の技適検索データベースで照会する手順
機器から技適番号が読み取れたら、その番号が実在するかを総務省のデータベースで照会します。「技適マークらしきものは付いているが本物か不安」という場合の最終確認がこの手順です。

- ページ名: 技術基準適合証明等を受けた機器の検索(総務省 電波利用ポータル)
- URL: https://www.tele.soumu.go.jp/giteki/SearchServlet?pageID=js01
- 利用は無料、登録不要
検索画面の主な項目は次のとおりです(2026年8月時点)。
| 項目 | 入力のポイント |
|---|---|
| 番号 | 技術基準適合証明番号/工事設計認証番号(新表記)/工事設計認証番号(旧表記)/技術基準適合自己確認の届出番号の4区分から選ぶ。区分を取り違えると出てこない |
| 氏名又は名称 | 申請者名。販売ブランド名ではなく製造元の法人名で登録されていることが多い |
| 型式又は名称 | 認証時の型式表記。店頭の型番と異なる場合がある |
| 機関名 | 証明・認証を行った登録証明機関をプルダウンから選択 |
| 年月日 | 証明・認証日の範囲で絞り込む |
| 特定無線設備の種別 | 必須項目。わからなければ「全ての特定無線設備」を選ぶ |
つまずきやすいのは次の2点です。
第一に、番号は完全一致での入力が求められます。ハイフンの有無や位置まで正確に入力してください。工事設計認証番号(新表記)はハイフンを含み、技術基準適合証明番号はハイフンを含まない形式です。
第二に、このデータベースには技術基準適合自己確認の届出機器も収録されています。自己確認は、一定の特別特定無線設備についてメーカー自身が技術基準への適合を確認し、総務大臣に届け出る制度です(電波法第38条の33以下)。登録証明機関の証明・認証だけを探していると、自己確認の届出機器を見落として「出てこない」と誤解することになります。
検索しても出てこない場合の切り分けは「技適検索のやり方|出てこない5つの原因と番号の正しい入力」に5ステップでまとめています。
技適マークが確認できないときの切り分けフロー
ここまでの内容を、実際の判断手順として1本の流れに整理します。上から順に確認してください。

| ステップ | 確認すること | 該当した場合の結論 |
|---|---|---|
| Step 1 | 本体・電池収納部・底面に印字があるか | あれば適法(規則第8条第1項第1号) |
| Step 2 | 画面のある機器なら、設定内の「認証」「規制ラベル」に表示されるか | されれば適法(同項第2号) |
| Step 3 | 取扱説明書・外箱・同梱の小冊子に表示があるか | あれば適法(同項第1号後段) |
| Step 4 | メーカーの製品ページ・データシートに技適番号の記載があるか | あれば番号を控えてStep 5へ |
| Step 5 | その番号が総務省のデータベースで実在するか | 実在すれば認証済み |
| Step 6 | Step 1〜5のいずれにも該当しない | 技適未取得の可能性が高い。以降の章の対処へ |
Step 6に至った場合、原因として多いのは次の3パターンです。
パターン1: 海外モデル・並行輸入品である。同じ製品名でも、日本正規品と海外版で認証の有無が異なります。購入経路が海外通販・海外の店舗・フリマアプリのいずれかであれば、まずこれを疑ってください。詳しくは「海外製無線機器を日本で使う方法|技適の扱い」で解説しています。
パターン2: 番号の区分や読み取りを誤っている。「0」と「O」、「1」と「I」の読み違い、ハイフンの位置違い、証明番号と認証番号の区分違いが典型です。刻印が小さい機器では拡大して読み直してください。
パターン3: そもそも技適が不要な機器である。受信専用機(ラジオ、FPVの映像受信機など)は電波を発射しないため、技適の対象外です。技適マークがなくても違法ではありません。
なお、購入前に判断したい場合の見分け方は「違法無線機の見分け方|買ってはいけない機種の特徴」も参考になります。
改造・修理をすると技適表示はどうなるか
技適マークが付いている機器でも、改造をすると表示を維持できなくなることがあります。電波法は変更の工事をした者に表示の除去義務を課しています。

第一項(第三十八条の三十一第四項において準用する場合を含む。)、第三十八条の二十六(第三十八条の三十一第六項において準用する場合を含む。)若しくは第三十八条の三十五又は第三十八条の四十四第三項の規定により表示が付されている特定無線設備の変更の工事をした者は、総務省令で定める方法により、その表示(第二項の規定により適合表示無線設備を組み込んだ製品に付された表示を含む。)を除去しなければならない。
― 電波法 第38条の7
登録証明機関であるTELEC(テレコムエンジニアリングセンター)は、修理後の無線設備が技術基準に適合していれば技適表示を引き続き表示できる一方、適合しなくなる場合は変更の工事に該当し、表示を除去しなければならないと案内しています(出典: TELEC「その他の事項」2026年8月時点)。したがって、技術基準に影響しない範囲の修理か、電波の質に影響する改造かが分かれ目になります。判断に迷う改造を自分で行うことは避けるべきです。
また、表示そのものを勝手に付けることも禁止されています。
何人も、第一項(第三十八条の三十一第四項において準用する場合を含む。)、前項、第三十八条の二十六(第三十八条の三十一第六項において準用する場合を含む。)、第三十八条の三十五又は第三十八条の四十四第三項の規定により表示を付する場合を除くほか、国内において無線設備又は無線設備を組み込んだ製品にこれらの表示又はこれらと紛らわしい表示を付してはならない。
― 電波法 第38条の7
海外製の安価な無線機に、技適マークに似せた図案が印刷されている例が報告されています。マークの図案があること自体は認証の証明になりません。番号を読み取り、総務省のデータベースで実在を確認する手順が重要なのはこのためです。
さらに、認証を受けた機器であっても、技術基準に適合していない状態が判明した場合には、表示が付されていないものとみなされる仕組みがあります。
登録証明機関による技術基準適合証明を受けた特定無線設備であつて第三十八条の七第一項又は第三十八条の四十四第三項の規定により表示が付されているものが前章に定める技術基準に適合していない場合において、総務大臣が他の無線局の運用を阻害するような混信その他の妨害又は人体への危害の発生を防止するため特に必要があると認めるときは、当該特定無線設備は、第三十八条の七第一項又は第三十八条の四十四第三項の規定による表示が付されていないものとみなす。
― 電波法 第38条の23
この場合、総務大臣はその旨を公示しなければならないとされています(同条第2項)。過去に技適を取得した製品であっても、公示された機種は表示がないものとして扱われる点は押さえておいてください。
技適マークとは
技適の正式名称と制度の概要
技適マークの正式名称は「技術基準適合証明」および「工事設計認証」の2種類です。これらを総称して「技適」と呼んでいます。
| 種類 | 対象 | 内容 |
|---|---|---|
| 技術基準適合証明 | 個々の無線設備 | 1台ごとに技術基準への適合を証明 |
| 工事設計認証 | 同一設計の無線設備 | 設計(型式)に対して一括で認証 |
量産される市販品(スマートフォン、Wi-Fiルーター等)は主に工事設計認証を受けています。個別に製造された無線設備は技術基準適合証明を受けます。
技適マークの表示
技適マークは、無線機器の本体、パッケージ、取扱説明書、または機器の画面上に以下の形式で表示されています。
- マーク本体(郵便マークに似た形状のマーク)
- 認証番号(数字とアルファベットの組み合わせ)
上記のいずれの方法でも技適マークと認証番号を確認できない機器は、日本の技術基準への適合が確認されていない機器と判断されます。
技適が必要な機器の例
日常的に使用する無線機器のほとんどに技適が必要です。
| カテゴリ | 具体例 |
|---|---|
| 通信機器 | スマートフォン、Wi-Fiルーター、Bluetooth機器 |
| 無線機 | トランシーバー、アマチュア無線機、業務用無線機 |
| ドローン関連 | 送信機(プロポ)、映像送信機(VTX)、中継器 |
| IoT機器 | スマートスピーカー、スマートウォッチ、ワイヤレスカメラ |
| その他 | ワイヤレスマイク、ワイヤレスイヤホン、リモコン |
技適なし機器を使った場合の法的リスク
電波法違反の罰則
技適マークのない無線機器を使用して電波を発射すると、不法無線局の開設として以下の罰則が適用されます。
無線局を開設しようとする者は、総務大臣の免許を受けなければならない。
― 電波法 第4条第1項
| 違反の内容 | 罰則 |
|---|---|
| 不法無線局の開設(技適なし機器の使用) | 1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(電波法第110条第1号) |
「使っただけ」でも違法です。電波を発射する機器の電源を入れた時点で、不法電波の発射に該当する可能性があります。
他の無線通信への妨害リスク
技適を取得していない機器は、日本の電波環境に適合した設計がなされていない可能性があります。その結果、以下のような問題を引き起こすリスクがあります。
- 他の無線通信への干渉: 許可された周波数帯以外に電波が漏洩し、他の無線局の通信を妨害
- 航空無線への影響: 航空管制や航空機の通信に影響を及ぼす可能性
- 医療機器への影響: 病院等の医療機器に干渉する可能性
- 緊急通信への影響: 消防・警察の緊急通信に支障をきたす可能性
電波法第108条の2は、より限定された「重要無線通信妨害罪」の規定です。 電気通信業務・放送、人命若しくは財産の保護、治安の維持、気象業務、電気の供給、鉄道の列車運行の用に供する無線設備を損壊し、物品を接触させ、その他その機能に障害を与えて無線通信を妨害した者を、5年以下の拘禁刑または250万円以下の罰金に処するとされ、未遂も罰せられます。
他の無線局の通信を故意に妨害した場合は、さらに重い罰則(5年以下の拘禁刑または250万円以下の罰金)が適用されます。
摘発の実態
総務省(総合通信局)は全国に電波監視システム(DEURAS)を展開し、不法電波の監視を常時行っています。技適なし機器の使用による摘発は実際に行われており、以下のような形で発覚するケースがあります。
- 総合通信局による電波監視: DEURASによる不法電波の探知・方向探知
- 他の無線局からの通報: 干渉を受けた無線局からの苦情・通報
- 税関での輸入時のチェック: 大量輸入品の技適有無の確認
- 事故や事件の調査: 事故発生時に使用機器の適法性が調査される
技適なし機器の「販売」は違法か
「売ること自体は違法なのか」もよく検索される疑問です。結論を先に言うと、罰則をもって直接禁止されているのは技適なし機器の「使用」(無線局の不法開設)であり、販売については努力義務と段階的な行政措置の仕組みが置かれています。
無線設備の製造業者、輸入業者又は販売業者は、無線通信の秩序の維持に資するため、第三章に定める技術基準に適合しない無線設備を製造し、輸入し、又は販売することのないように努めなければならない。
― 電波法 第102条の11第1項
出典: 電波法(昭和25年法律第131号)第102条の11(e-Gov法令検索で2026年8月時点の条文を確認)
同条は次のような段階構造になっています。
| 段階 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 努力義務 | 技術基準に適合しない無線設備を製造・輸入・販売しないよう努める | 第102条の11第1項 |
| 勧告 | 基準不適合設備が広く販売され、他の無線局の運用に重大な悪影響を与えるおそれがあるとき、総務大臣が必要な措置を勧告 | 同条第2項 |
| 公表 | 勧告に従わないとき、その旨を公表 | 同条第3項 |
| 命令 | 公表後もなお正当な理由なく措置を講じず、重要無線通信を行う無線局等に悪影響のおそれがあるとき、措置を命令 | 同条第4項 |
このほか総務省は「技術基準不適合無線機器の流通抑止のためのガイドライン」(令和2年12月)を策定し、製造・輸入・販売業者やインターネットショッピングモール運営事業者に自主的な流通抑止の取組を求めています。
実務上の注意点は2つあります。第一に、「販売されている=日本で適法に使える」ではないことです。ECサイトやフリマアプリには技適未取得の機器が現に流通しており、購入して使用した時点で違法となるのは使用者側です。第二に、フリマアプリ等で技適なし機器を出品する側も、上記の努力義務・流通抑止ガイドラインの趣旨に反するうえ、購入者を電波法違反に導くトラブルの元になります。技適の有無を明記せずに無線機器を出品・購入するのは避けるべきです。
技適の確認に使える情報源と認証機関
機器本体での確認
技適マークは通常、機器本体に印刷またはシールで貼付されています。確認する場所の例は以下のとおりです。
- 機器の底面または背面
- バッテリー収納部の内側
- 機器の画面上(電子表示の場合)
- パッケージや取扱説明書
総務省の技適マーク検索サイト
総務省は技術基準適合証明等を受けた機器の検索サイトを公開しています。認証番号やメーカー名、型式名で検索することで、その機器が技適を取得しているかを確認できます。
検索サイトでは以下の情報が確認できます。
- 認証番号
- 認証年月日
- 認証を行った機関(TELECなど)
- 機器の型式名称
- 電波の型式、周波数帯、空中線電力
技適認証機関
日本で技適の認証を行う主な機関は以下のとおりです。

| 認証機関 | 略称 | 特徴 |
|---|---|---|
| テレコムエンジニアリングセンター | TELEC | 最大手の認証機関 |
| 日本品質保証機構 | JQA | 幅広い認証を手がける |
| テュフ ラインランド ジャパン | TUV | 国際的な認証機関 |
| SGS Japan | SGS | 国際的な検査・認証機関 |
技適認証機関(TELEC)については「技適マーク取得までの流れ|TELECでの申請手順・費用」で解説しています。
技適マークがない機器を使える特例制度
特例制度(技適未取得機器を用いた実験等の特例制度)
2019年11月に施行された制度で、技適マークのない無線機器を一定の条件のもとで短期間使用できる特例です。
技術基準適合証明等を受けていない特定無線設備を、実験、試験又は調査の用に供するために用いる場合は、届出をすることにより使用することができる(電波法第4条の2)。
特例の条件
この特例制度を利用するための主な条件は以下のとおりです。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 目的 | 実験、試験、調査の用途に限定 |
| 届出 | 総務大臣への事前届出が必要(届出はWebで可能) |
| 期間 | 最長180日間 |
| 対象機器 | Wi-Fi、Bluetooth等の小電力無線局に相当する機器 |
| 場所 | 届出に記載した場所(屋内が原則) |
| 混信防止 | 他の無線局に混信を与えないこと |
| 技術基準 | 相当する日本の技術基準に適合する同等の外国基準(FCC、CE等)の認証を受けていること |
届出の方法
特例制度の届出は、総務省の「技適未取得機器を用いた実験等の特例制度」のWebサイトから行います。届出に必要な情報は以下のとおりです。
- 届出者の情報(氏名、住所等)
- 使用する機器の情報(製造者名、型式、外国基準の認証番号等)
- 使用場所
- 使用期間
- 使用目的
届出は無料で、Webサイトから即日手続きが可能です。
特例が使えないケース
以下のケースでは特例制度を利用できません。
- 商業利用や業務利用が主目的の場合
- FCC等の外国の認証も受けていない機器
- 大出力の無線設備(小電力無線局に相当しないもの)
- 継続的な使用(180日を超える使用)
- アマチュア無線帯の機器
入国者が持ち込む端末の特例(90日)との違い
技適なし機器の特例は、電波法第4条の2に2種類が定められています。前述の実験等の特例(180日)とは別に、入国者が自ら持ち込む端末を90日間使える特例があります。混同されやすいので条文で切り分けます。
本邦に入国する者が、自ら持ち込む無線設備(中略)を使用して無線局を開設しようとするときは(中略)入国の日から同日以後九十日を超えない範囲内で総務省令で定める期間を経過する日までの間に限り、適合表示無線設備とみなす
出典: 電波法(昭和25年法律第131号)第4条の2第1項(e-Gov法令検索で2026年8月時点の条文を確認)
実験等の特例は、同条第2項の届出を前提に第3項が期間を定めています。
当該届出の日から同日以後百八十日を超えない範囲内で総務省令で定める期間を経過する日(中略)までの間に限り、適合表示無線設備とみなす
出典: 電波法第4条の2第3項
2つの特例を比較すると次のようになります。
| 項目 | 入国者の特例 | 実験等の特例 |
|---|---|---|
| 根拠 | 電波法第4条の2第1項 | 電波法第4条の2第2項・第3項 |
| 期間 | 入国の日から90日を超えない範囲 | 届出の日から180日を超えない範囲 |
| 起算点 | 入国日 | 届出日 |
| 届出 | 不要 | 必要(総務大臣に届出) |
| 目的の限定 | なし(通常利用が可能) | 実験・試験・調査に限定 |
| 対象機器 | 携帯電話端末、BWA端末、Wi-Fi端末等 | Wi-Fi、Bluetooth等の小電力無線局に相当する機器 |
入国者の特例で注意すべき点が2つあります。
第一に、対象機器が限定されていることです。総務省の案内では、携帯電話端末・BWA端末・Wi-Fi端末等が対象とされる一方、2.4GHz帯のみのドローン、携帯ゲーム機、ノートパソコンなどは使用できない端末の例として挙げられています(出典: 総務省 電波利用ポータル「海外から持ち込まれる携帯電話端末・BWA端末、Wi-Fi端末等の利用」)。Wi-Fiを積んでいれば何でも使える制度ではありません。
第二に、在住者が日常的に使う手段にはならないことです。条文の主体は「本邦に入国する者が、自ら持ち込む無線設備」であり、期間の起算点も入国日に固定されています。したがって、国内で技適なし機器を継続的に使う目的でこの特例を援用することはできません。海外通販で購入した機器を国内で使い続けたい場合は、この特例ではなく技適の取得または技適取得済みの代替品を検討してください。
海外製品を購入・輸入する際の注意
技適問題が発生しやすいケース
海外製品の購入や輸入時に技適問題が発生しやすい典型的なケースは以下のとおりです。
| ケース | リスク |
|---|---|
| 海外通販サイト(Amazon.com、AliExpress等)での購入 | 日本向けでない製品は技適未取得の可能性が高い |
| 海外旅行での購入 | 現地で合法でも日本では技適がなければ使用不可 |
| 並行輸入品の購入 | 正規代理店ルート以外の製品は技適がない場合がある |
| クラウドファンディング製品 | 開発段階の製品は技適未取得のことが多い |
| 個人間取引(フリマアプリ等) | 出品者が技適を意識していない場合がある |
日本正規品と海外版の違い
同じメーカーの同じ製品でも、日本正規品と海外版では技適の有無が異なることがあります。
たとえば、あるWi-Fiルーターの日本正規品はTELECの技適を取得していますが、同じ型番の海外版はFCC認証のみで技適は取得していない、というケースがあります。
購入時に「日本正規品」であることを確認してください。特にオンラインショッピングでは、日本正規品と海外版が混在して販売されていることがあります。
ドローン関連機器の技適問題
ドローン関連機器は海外製品が多く、技適問題が頻繁に発生する分野です。
| 機器 | 技適の状況 |
|---|---|
| DJI製ドローン(日本正規品) | 技適取得済み |
| FPVドローンのVTX(5.8GHz帯) | 技適未取得がほとんど(保証認定が必要) |
| 海外製プロポ(送信機) | 日本正規品は技適あり、並行輸入品は技適なしの場合がある |
| 映像受信機(VRX) | 受信のみなら技適不要 |
FPVドローンのVTXが技適を取得していない場合の対応については「FPVドローンに必要な免許|アマチュア無線+開局申請ガイド」で解説しています。
どうしても技適なしの機器を使いたい場合の選択肢
選択肢1: 技適を自分で取得する
技適未取得の機器を日本で恒常的に使用したい場合、自分で技適を取得することが可能です。ただし、個人で技適を取得するのは手続きが煩雑で費用も高額です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 認証機関 | TELEC、JQA等 |
| 費用 | 数万円〜数十万円(機器の種類、試験内容による) |
| 期間 | 数週間〜数ヶ月 |
| 必要書類 | 技術仕様書、回路図、測定データ等 |
費用が高額になるため、個人使用の1台のために技適を取得するのは現実的ではない場合がほとんどです。メーカーやディストリビューターが日本市場向けに技適を取得するのが一般的な流れです。
技適取得の代行については「技適マーク取得の代行|海外製品を日本で販売するには」をご覧ください。
選択肢2: 特例制度を利用する(短期間の実験・試験目的)
前述の「技適未取得機器を用いた実験等の特例制度」を利用すれば、最長180日間の短期間使用が可能です。ただし、実験・試験・調査の目的に限られます。
選択肢3: 技適取得済みの代替品を探す
多くの場合、海外製品に対応する日本正規品や技適取得済みの代替品が存在します。
- Wi-Fiルーター: 国内メーカー品や日本正規品を選択
- Bluetooth機器: 日本正規代理店から購入
- ドローン関連: 日本正規品を取り扱うショップから購入
- IoT機器: 日本市場向けに販売されている製品を選択
選択肢4: 無線部分を無効化して使用する
機器の無線機能を完全に無効化して使用するのであれば、電波を発射しないため電波法の規制対象にはなりません。ただし、以下の条件を満たす必要があります。
- 無線機能がハードウェアレベルで無効化されていること
- 誤って電波を発射するリスクがないこと
- 無線機能以外の部分のみを使用すること
ソフトウェアによるOFFでは「いつでも有効化できる状態」とみなされる可能性があるため、確実に電波が発射されない状態にする必要があります。
選択肢5: アマチュア無線局として開局する(アマチュア無線帯の場合)
使用する周波数帯がアマチュア無線帯に該当する場合は、アマチュア無線局として開局することで合法的に使用できます。この場合、技適の代わりに保証認定を受けることで、技術基準への適合を証明します。
FPVドローンのVTX(5.8GHz帯)はこの方法で合法化するのが一般的です。保証認定については「JARD保証認定とは?FPVドローンの開局に必要な手続き」をご覧ください。
技適に関するよくある誤解
「技適は不要な規制だ」という誤解
技適制度を不必要な規制と見る意見もありますが、電波は有限の共有資源であり、技術基準に適合しない機器の使用は他の利用者への妨害を引き起こします。技適制度は日本の電波環境を秩序正しく維持するための制度です。
「Bluetooth機器は技適不要」という誤解
Bluetoothも電波を使用する無線通信です。日本国内で使用するBluetooth機器には技適が必要です。ただし、日本正規品として販売されているBluetooth機器はほぼすべて技適を取得済みです。
「受信だけなら技適不要」は正しい
電波法は電波の発射(送信)を規制しており、受信のみであれば技適は不要です。ラジオの受信、テレビの受信、FPV映像の受信(VRX)などは技適なしでも合法です。
「個人使用なら見逃される」という誤解
電波法は個人使用か業務使用かを問わず適用されます。個人使用であっても不法電波の発射は違法であり、摘発の対象になります。
よくある質問
Q. 海外で購入したスマートフォンを日本で使える?
技適マークがない海外製スマートフォンの使用は原則として電波法違反です。ただし電波法第4条の2第1項により、本邦に入国する者が自ら持ち込む携帯電話端末・Wi-Fi端末等は、入国の日から90日を超えない範囲で適合表示無線設備とみなされます。期間の起算点が入国日に固定されているため、国内で継続的に使う手段にはなりません。
なお、購入した端末に技適マークの印字が見当たらないだけのケースもあります。スマートフォンは画面表示(規則第8条第1項第2号)での表示が一般的なので、本記事の「本体に技適マークが見当たらない場合の確認方法」の手順(設定 → 一般 → 法律に基づく情報および認証(OSにより名称が異なる))で先に確認してください。
Q. 技適なしのBluetooth機器やイヤホンは使える?
使えません。 Bluetoothは2.4GHz帯の電波を発射するため技適の対象です。「出力が小さいから対象外」ということはありません。海外通販で購入したBluetoothイヤホン・キーボード・トラッカー等も同様です。
ただし、Bluetooth SIGの認証を受けていても、それは国際的な規格への適合であって日本の技適とは別の制度です。Bluetoothロゴがあることは技適があることを意味しません。
Q. 個人輸入した機器を自分だけで使うリスクは?
法的なリスクは3つに整理できます。
| リスク | 内容 |
|---|---|
| 刑事罰 | 電波法第4条違反(無線局の不法開設)として1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金 |
| 行政処分 | 総務省(総合通信局)による調査・電波の発射停止命令等 |
| 損害賠償 | 他の無線局に妨害を与え、業務に損害が生じた場合の民事責任 |
「個人使用だから発覚しない」という想定は成り立ちません。発覚の経路は前述の「摘発の実態」で解説していますが、実務上のポイントは申告が起点になるという点です。自分が妨害を受けた側は原因がわからないため総合通信局に申告し、そこから発射源の特定が始まります。使用者本人に自覚がなくても調査対象になり得ます。
また、機器を使用せず所持するだけであれば電波法違反にはなりません。違反になるのは電波を発射して無線局を開設した時点です。輸入してしまった機器の扱いに迷う場合は、まず電源を入れずに保管し、技適取得済みの代替品への切り替えを検討してください。
Q. 技適なしの機器をフリマアプリで売るのは違法?
販売そのものに使用のような罰則はありませんが、電波法第102条の11第1項は製造・輸入・販売業者に技術基準不適合設備を販売しないよう努める義務を課しており、状況によっては総務大臣の勧告・公表・命令の対象になり得ます。個人の出品であっても、購入者が使用すれば購入者が電波法違反になります。無線機器を出品する際は技適の有無を確認・明記し、技適のない機器は「使用は電波法違反になる」旨を了解できる形でしか扱わないのが安全です。
Q. 技適が切れることはある?
技適自体に有効期限はありません。 一度取得された技適は、その機器の設計が変更されない限り有効です。ただし、電波法の技術基準が改正された場合、旧基準で取得した技適の機器が使えなくなるケースがあります(スプリアス規格の改正など)。
Q. フリマアプリで買った機器に技適マークがない。返品すべき?
技適マークのない無線機器を日本で使用することは違法です。使用せず保管するだけであれば違法ではありませんが、使用する予定であれば返品するか、技適取得済みの製品を別途購入することを推奨します。出品者に技適の有無を確認してから購入する習慣をつけてください。
Q. 技適マークが消えてしまった機器は使える?
技適マーク自体が消えても、認証が有効であれば使用可能です。認証番号がわかれば、総務省の検索サイトで認証状況を確認できます。心配な場合は、メーカーに認証番号を問い合わせてください。
Q. 自作の無線機器に技適は取れる?
自作の無線機器でも技適を取得することは可能です。認証機関に試験を依頼し、技術基準に適合していれば技術基準適合証明を受けられます。ただし、費用が高額になるため、アマチュア無線帯の自作機器であれば保証認定を利用する方が現実的です。
Q. iPhoneの「認証」画面に技適マークが表示されない
まず、階層を取り違えていないか確認してください。設定 → 一般 → 法律に基づく情報および認証(OSにより名称が異なる)、の順です。iOSのバージョンによっては「法律に基づく情報」の中に「認証」が入っています。
正しい階層をたどっても日本の技適マークが表示されない場合は、海外で販売されたモデルである可能性が高くなります。日本国内で正規に販売されたiPhoneであれば表示されます。購入経路が海外通販や海外の店舗であれば、技適未取得の端末を入手している可能性を前提に扱ってください。
Q. Androidで「規制ラベル」の項目が見つからない
項目名がメーカーごとに異なるためです。設定画面の上部にある検索窓に「規制」「認証」「ラベル」と入力すると、該当項目に直接移動できます。
それでも見つからない場合、その機種が画面表示に対応していないケースがあります。この場合は本体背面や電池カバー内側のシール、外箱、取扱説明書を確認してください。国内モデルであればいずれかで確認できます。
Q. 技適マークと技適番号のどちらを確認すればよい?
両方確認するのが望ましく、優先度が高いのは番号です。マークの図案だけでは、それが正規の認証に基づくものか判別できません。番号を読み取れば総務省のデータベースで実在を照会でき、認証年月日・証明機関・型式まで確認できます。
購入前の簡易チェックとしてマークの有無を見て、購入後や不安があるときに番号で裏取りする、という使い分けが実務的です。
Q. 画面表示の技適マークは写真に残しておくべき?
法令上の義務ではありませんが、残しておくと役に立つ場面があります。中古で売却する際に技適取得済みであることを示せますし、機器を業務で使う場合は資産管理台帳に技適番号を記録しておくと、後から一覧で棚卸しできます。
法人で多数の無線機器を管理する場合は、機器一覧に「技適番号」「証明機関」「確認日」の列を設けて記録する運用が現実的です。
Q. 中古で買った機器で、外箱も取扱説明書も手元にない
次の順で確認してください。第一に、本体の底面・電池収納部・背面ラベル。第二に、画面がある機器なら設定内の認証表示。第三に、メーカーの製品ページやサポートサイトで公開されている電子マニュアル・仕様表です。
型番さえわかれば、多くの場合はメーカーの公開情報から技適番号にたどり着けます。それでも不明な場合は、型番とシリアル番号を添えてメーカーサポートに照会するのが確実です。
Q. 「T」マークはあるが「R」マークがない機器がある
根拠法が違うためです。「T」は電気通信事業法に基づく技術基準適合認定(電気通信回線に接続する端末機器の基準)、「R」は電波法に基づく技術基準適合証明・工事設計認証(電波を出す設備の基準)を示します。
有線でのみネットワークに接続し、電波を出さない機器(有線LANのみのルーター等)は「T」のみが付きます。一方、電波を出す機器には「R」が必要です。電波を出す機能があるのに「R」が見当たらない場合は、表示方法を変えて探し直すか、技適未取得を疑ってください。
Q. 修理に出した機器の技適はどうなる?
メーカーや正規サービス拠点での修理であれば、修理後も技術基準に適合するよう対応されるため、技適表示はそのまま維持されるのが通常です。
問題になるのは、技術基準に適合しなくなる改造を伴う場合です。電波法第38条の7第4項により、変更の工事をした者には表示の除去義務があります。非正規の修理業者に依頼する場合や、自分でアンテナ・出力段に手を入れる場合は、技術基準への影響を確認してください。
Q. 業務で多数の機器を一括確認したい
総務省は同じデータベースのWeb-APIを公開しており、件数取得・一覧詳細取得・添付ファイル取得の各APIが利用できます。取扱製品の点数が多い輸入事業者やOEM事業者であれば、画面から1件ずつ検索するより効率的です。
社内の運用としては、購買時に技適番号の記載を仕入先へ求め、受入検査で番号を照会する手順を定めておくと、後から技適なし機器が混入していたという事態を防げます。
Q. 技適マークがあれば免許なしで使えると考えてよい?
機器の種類によります。技適は「技術基準に適合している」ことの証明であり、無線局の免許が不要になる範囲は別に定められています。特定小電力無線局やWi-Fi・Bluetoothのような小電力データ通信システムは、技適取得済みの機器であれば免許・登録なしで使用できます。
一方、デジタル簡易無線の登録局は技適機であっても登録が必要ですし、アマチュア無線機や簡易無線の免許局は免許が必要です。技適の有無と免許の要否は別の論点である点に注意してください。
まとめ
- 確認手順は本体の印字 → 画面の認証表示 → 取扱説明書・外箱 → メーカー仕様表 → 総務省データベースの順で切り分ける
- iPhoneは設定 → 一般 → 法律に基づく情報および認証(OSにより名称が異なる)、Androidは設定 → デバイス情報 → 規制ラベル(2026年8月時点、機種により名称が異なる)
- 画面表示を採用する機器には、表示のさせ方を明らかにする義務がメーカー側にある(規則第8条第3項)。案内がどこにもない機器は疑わしい
- 技適マークがない機器を日本で使用すると電波法違反で1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金
- 技適はスマートフォン、Wi-Fi、Bluetooth、ドローン関連など電波を発する機器すべてに必要
- 技適の有無は機器本体のマークまたは総務省の検索サイトで確認できる
- 短期間の実験・試験目的であれば特例制度(最長180日間)が利用可能
- 海外製品の購入時は日本正規品であることを必ず確認
- 技適なしの機器を使いたい場合は、技適取得、特例制度利用、代替品の選択、保証認定などの選択肢がある
- 受信のみであれば技適は不要だが、送信(電波の発射)には必ず技適が必要
- 罰則付きで禁止されるのは使用。販売は電波法第102条の11の努力義務+勧告・公表・命令の仕組みで抑止される。「売られている=使ってよい」ではない
- 技適認証機関については「技適マーク取得までの流れ|TELECでの申請手順・費用」、技適取得の代行は「技適マーク取得の代行|海外製品を日本で販売するには」を参照